カテゴリー「山スキー・バックカントリー」の記事

2009年9月30日 (水)

“ピンチクリアー”を自作しよう

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で、スキーブーツを自分でシェル出しする方法をご紹介しましたが、その後非公開コメントでこの作業に使用する自作の“ピンチクリアー”についての問い合わせが現在まで数件ありましたので、改めてこの道具の詳細について紹介してみたいと思います。

Pc1

ピンチクリアーという道具は、本来スキーブーツのシェル出し以前に、皮製重登山靴の当たり出し用に古くから使用されていた道具です。
ペンチを巨大化したような形状、または懐の深いクランプのような形で、もともと受注生産的なツールですから価格も数万円~十数万円以上と非常に高価格な工具で、素人が趣味で持つことなど想定されていません。

私の足は比較的スマート(?)な足型なのですが、足指第1指・第5指の関節や舟状骨が出ており、また私はルーズな靴よりタイトなフィットのほうが好みなので、硬めの皮製登山靴を選んだ場合は往々にして履き慣らすまで痛い思いをしなければなりませ。
そこで、足に当たる場合には登山靴を購入したお店であらかじめピンチクリアーを使って当たりを解消してから履き慣らすことにしていました。

そこで、もちろんスキーブーツのシェル出しという目的が第一でしたが、このような事情もあり、自作のピンチクリアーを作ろうと思い立ったわけです。

また、最近の私の例では重登山靴だけでなく、トレッキングシューズにもこのピンチクリアーが顕著な効果をあげました。

画像は、以前、某登山用品店で」激安バーゲンだったのを思わず購入してしまった国産ブランドのトレッキングシューズです。
5.10 のステルスソールを使うなど、まずまずの造りの靴でしたが、実際に歩いてみると靴の構造と私の足の相性の問題で、シューレースを通すテープの部分の縫い目が指の関節と重なって、屈曲させるとそこが部分的に当たって違和感を覚えました。
そのため実戦投入せず、物置に仕舞い込まれていましたが、今回ピンチクリアーのテストのために久々に登板してもらうこととなりました。

Pcboots

まず、球の部分をヒートガンで暖め、当たり出しをする部分に軽く霧を吹いてからハンドルを締め込んでいけば作業完了で、後はそのまま1日ほど放置しておくだけです。
アッパーが軟らかい素材なので極端に変形したようには見えませんが、試してみたら気になった部分もウソのようにまったく足に当たらず快適に履けるようになりました。

Pcboots2

★さて、この自作ピンチクリアーの作り方ですが、文章では判りにくいので各パーツの画像を掲載し少々の説明を加えたいと思います。
なお、実際に製作したのは数年以上前のことです。

まず、ベースとなる深型Cクランプですが、これはホームセンターで購入しました。
ノーブランドでメーカーも不明ですが、75mm S-75D と刻印がありましたので開口が75mmで深型という意味なのでしょう。
深型のCクランプは全てのホームセンター・DIY店に在る訳ではないようですが2~3店探せば購入できるはずです。

Pc2

半球の部分は真鍮のΦ30mm丸棒からR15mm位に削り出し、タップを立てて2本のビスでCクランプの顎の部分に固定してあります。
下の右側の画像に一緒に映っているのはピンポイント用のRの小さな交換用半球です。関節部などの当たり出しにはなるべくピンポイントで出した方が効果的だと考えましたが、大きい半球で大体間に合いますので、こちらはあまり使用しません
真鍮でなくアルミでも良いと思いますが、この部分はシェル出しも含めて、作業時に温めて作業を行ったほうが効果的なので金属で作ることをお勧めします。

Pcball   Pcball2
(画像㊨の中央左にあるのはRの小さい交換パーツ)

最後にサークル状のパーツですが、ハッキリ言ってこれを作るのがこの工作のネックになる部分だと思います。
私は、2000系の快削アルミの厚板を四角く切断して、4ツ爪チャックに咥えて旋盤で挽きましたが、私の模型用旋盤では限界の大きさで、かなり苦労しました。

私の場合は画像のような構造となりましたが、このパーツは円形の穴があればどんな形状でも用が足りますので、この形にこだわらず、鉄工所で鉄筋を円く曲げて溶接をしてもらったり、場合によってはFRPやプラスチックまたは木製でも製作が可能だと思います。

Pcring   Pcring2
(アルミブロックから削り出したパーツをビスで結合した)

また、この円形部品は工作機械の送りハンドルなどのパーツを流用する事も考えられますし、ピンチクリアー全体をエンジン修理用のバルブスプリングコンプレッサーを改造して製作することもできるかもしれません。

Pcring3

また、このピンチクリアーは簡易型ですから、本物のように楕円形の押し型などのオプションパーツはありませんしスキーブーツの種類によっては作業範囲も少々限定されるかもしれません。
当然“ウン十万円~”もする、プロショップ用のシェル出し専用システムに比べればオモチャみたいな代物である事は否めないと思います。

しかし、私は実際の作業をする上では、ほとんどの場合アマチュアレベルとしては、十分満足できる加工ができることを確認しています。
制作費も2千円程度だったと思いますので、一回作っておけばスキーブーツに限らず、長い間家族や仲間内で重宝しますから、興味のある方は思い切って自作することをお勧めします。

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2009年4月30日 (木)

山スキー携行ツール for “Dynafit/TLT”

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


私は半日の山スキー(ボード)ツアーであっても工具と簡単な修理用のパーツを組み合わせたツールキットを持参するようにしています。
ボードでもスキーでも、ビンディングの不調でせっかくのツアーが楽しめなかったり、ドライバー1本ビス1個が無かったためにツアーの中断を強いられる事だって十分起こり得るからです。

Tool_pauch
(一式をポーチに入れておくと便利)

そこで、自分の道具に合わせてツールやパーツを選んで小さなポーチにまとめておくと便利なのですが、今回は Dynafit TLT ビンディング用に私が携行するツールセットをご紹介したいと思います。

★ドライバービット類
①PZ3 ビット (ヒールの前後位置調節もこのサイズ)
②PZ2 ビット(ブーツ側のヒール金具のビスはこのサイズ)
③T10 ビット(へックスローブ・ビット、通常使わないがヒールピースのトップカバー用)
④マイナスビット(ヒールの上方向解放値調節用)
⑤通常のフィリップス♯2・♯3ビット(TLT用ではないが汎用として)

Sp_bit_t10
(自作スペシャルPZビット㊤、T10ビット㊦)

★その他のツール
⑥ドライバーハンドル(①~④のビットに使用)
⑦自作L型レンチ(ヒールの左右方向解放値調節用)
TLTのヒールピース後端の解放値調節用スプリングキャップは普通のマイナスドライバーやコインでは回しにくいので、2017アルミの板を画像のような形状に曲げて両端に若干のRをつけてある。状況に応じて両側で使い分けられ、便利なのでTLT使用者は是非自作を!
⑧付属のシム (ヒールピースのクリアランスゲージ)
⑨小型プライヤー
⑩ブーツ調節専用ツール(ブーツに付属のもの)

Sim_etc
(TLT用のシムと、2000系アルミ製自作レンチ、ブーツ調節用ツール)

★補修小物(シール補修にも使用)
⑨ダクトテープ(自分で小分けロールにして)
⑩タイラップ (小~大まで数個)
⑪針金
⑫その他(ボードの場合は補修用のビス・ナット類も・・・)

Wax_pauch

★WAX類
その他、上の画像のように滑走用ワックスや簡単な液体ワックス、コルク又はクロス、スキン用のワックス、グルー補修用パッチなど一式を入れたポーチも作ってツアーに持参すると便利です。


(その他)
特に近年の春スキーは、暖冬・黄砂と、条件の悪い場面が多いようですが、こんな残雪期の汚れ雪や、ジャブジャブ雪用には生塗りのできる“ドミネーターのButter”(自信を持って推薦!)や、本来アイロン用ですが“ガリウムのAX F40”(こちらも自信を持って推薦!)、などの春専用ワックスの小片、また黄砂用に小型のナイロンやブラスブラシ、ファイバーマット等も状況にあわせて一纏めにして持参すればノッキングスノー対策も万全でしょう。

Waxa
(AX F40/春にはこんな温度帯のWAXを!)

(使用したことは無いのですが“チーム・レスキューの「雪虎」”という黄砂専用のワックスにも非常に興味があります。高価ですがこれで「妖怪“板つかみ”?」を退治できるのでしたらその価値はあると思うのですが・・・。誰か使った方いらっしゃいますか?)

あれもこれもと欲張ると重くなるし嵩張るのでザックに入れるかどうか悩むところですが、せっかくの一本を快適に滑れるかどうかが左右されますので、後悔しないよう慎重に判断しましょう。(多くの場合、持って行かなかった時に限ってそれが必要なシチュエーションに遭遇するという皮肉な結果になるものです・・・)

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2009年4月22日 (水)

お気に入りアイゼンを小改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

Pzb1
(今回ご紹介する“PETZL・バサック/改”)


私は極端ではないですが軽量化マニアみたいなところがあります。
ですから、アイゼンについても軽量化のため、雪上歩行が主となる山行には“MIZOのチタンアイゼン”か“ウクライナ製のチタンアイゼン”(SALEWAのコピー?スキー兼用靴用)を使用し、昨シーズンはスキーツアー用として更に軽量な“BDのアルミ合金製アイゼン”をただ軽いという理由だけで購入してしまいました。

しかしその一方、私は、岩稜の登高や岩場の通過が予想されるルートでは、多少重くてもなるべく従来型のクロモリ鋼製のアイゼンを使用することにしています
アルミ合金製のアイゼンも、岩場で使用できないことはないのでしょうが、本来アルミアイゼンはヨーロッパで“氷河歩き用”として売られている事からも判るように、ハードに使用した場合は強度的にも折損の可能性も大きいと思われます。
私がかつてKOHLAのアルミアイゼンを使用した実感でも、雪は付着しやすいし、すぐツアッケ(爪)の先がまん丸になりますし、直感的に強度不足だと感じハッキリ言ってあまり良い印象はありません。

シビアな場面でのアイゼンの故障は、事故に直結してしまうほど深刻な状況を招きます。(経験者は語る・・・です!)
最近は「軽ければ良い」的な風潮もありますが、アイゼンのように過酷な負荷が予想される道具については、多少重くても丈夫な道具を選んで破損のリスクを減少させるという慎重さも必要でしょう。

さて、数多いクロモリ鋼製のアイゼンの中で、私が一般の登山者や雪山入門者に一番お勧めしたいと考えているのは、現在私も使用中のPETZL・シャルレの“バサック”というアイゼンです。

Pzfb
(画像は改造後のものです)

また、同社には基本設計を同じくする、よりスパルタンな“サルケン”というモデルもあります。
私もエキスパートっぽい感じの“サルケン”と、地味な縦走用といった感じの“バサック”とどちらにしようか店頭でずいぶん悩びました。
しかし、見栄を張る歳でもないし、“バサック”のほうが“サルケン”よりフロントポイントとセカンドポイントの距離が僅か数ミリですが離れている様な感じなので、地味ですが“バサック”買うことにしました。

Pzfs
(本当は、以前のシャルレの“スーパーモンブラン”や“スーパー12”のようにセカンドポイントが真下に向いているのが現在の私の好みなのです・・・

私も昔は、セカンドポイントが前に出ているシモンの“マカルー”をずっと使用していたことがあり、それでも当時岩場でさして苦労した記憶もありませんので、現役バリバリのアルパインクライマーや脚力のある若い方でしたら、氷の急斜面で安定するようにセカンドポイントも前方に突き出しているタイプのアイゼンを選んだ方が応用が利いて良いかと思います。
しかし、体力と気力共にイマイチな現在の私の場合は、こんなタイプのアイゼンだとホールドに立ち上がるのが不安定になってしまうのです。
軟弱かもしれませんが、現在の私の場合、フロントポイントからセカンドポイントまでの距離が長いアイゼンでベッタリとフットホールドに乗らないと怖くて次の足が出せないんですね。(涙)
見栄を張って分不相応な道具を使い、落っこちてロクっても洒落になりませんから・・・。

また、何種類かのフイットシステムの選べる“バサック”の中でも、ブーツの爪先の形状に関わらずフィットさせ易い、フロントが樹脂製のストラップでヒールがレバー式のLLというタイプを選択しました。

実際に使用してみても、見た目も仕上げも工業製品としては最高ランクだと思いますし、調節も細かくできて非常に使いやすいし、最高に良い買い物をしたと思っています。

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(ジョイントの調節も独自の素晴らしい設計!)

Pzsp
(新・旧のスノープレート↑/改良されて良くなったが、固定用のPZ1のビスは緩みやすい!)

しかし、“バサック”にも問題が無い訳ではありませんでした。
フロントの樹脂製のストラップがグリベルなんかの物より丈夫そうなのは良いですが、とても硬いのです。
履く前に反転させたり収納する時に内側に倒そうとしてもかなり反発力があり扱いにくいですし、このようにただでさえ硬いのに寒冷時にはさらに硬くなって、さらに扱いずらくなってしまうのです。
また、丈夫だと思っていたつま先のリングにはまっている樹脂部分が岩場で擦れて、数回の使用で簡単に磨耗してしまいまいました。(私の登り方が雑だというのも原因だとも思いますが・・・)

Pzf
(取り外した樹脂製のトーストラップ/丈夫だが硬くて扱いにくい)

磨り減ったとはいえまだまだ千切れてしまうようなことはないのでしょうが、何時もの「思い立った弾み!」で思い切って、この樹脂製のパーツを取り外してしまい、昔の所謂“固定バンド”式のものに交換する改造を行うことにしました。

画像でお判りのように、強度の確保を考えナイロンのベルトを三つ折にしてステンレス製のカシメでリングを固定しただけの、よくある簡単な構造です。

Pzb3  Pzb2

まあ、このナイロンテープ製のストラップは消耗品で、オリジナルの樹脂製ストラップよりは耐久性がないかもしれませんが、現場修理も容易ですし、柔軟で脱着や収納も楽になった感じです。

また、オリジナルのベルトに付いているバックルも緩みにくいのは良いのですが、手袋での取り外しには苦労しますし、装着時に締め付ける時も慣れないうちはしっかり締らない形状なのです。
そこで、このベルトも一般的なバックル(画像↓㊧)に交換してみました。

Pzrs
(㊨はオリジナルのバックル/慣れないと扱い難い)

実は、私も怪我をした関係で今シーズンは使用はしていないのですが、まぁ、少しは使いやすくなった感じがします。

【追記】最近山道具屋で新しいバサックを見たら、トーストラップの樹脂が柔らかいものに素材変更され、より扱いやすく改良されていたようです。

(余談ですが・・・)

「軽量化・考」

私もお恥しながら、年甲斐も無くウルトラライト・ブーム(?)の波に毒されているようです。
既に溢れんばかりの山道具に囲まれながら、「新製品・最軽量○○グラム!」などという広告を目にすると、やおら手持ちの道具をスケールに載せ、僅か20グラムほど重いという理由だけでそれまで使っていた道具に対する愛着は喪失し、新製品に対する浮気心がムクムクと起き上がり物欲に火が着いてしまう・・・・という、まったくアホな日常を繰り返している自分に反省しきりです。
普段は他人に「軽いばかりが能じゃない。軽い道具にはそれなりの理由があり、何かを犠牲にして軽くなっているんだ・・・」などと偉そうに講釈している私でもこの体たらくです。

こんな私のような症状にお心当たりの方も多いんではないでしょうか。
しかし、この症状がさらに進行し、ウルトラライト原理主義とでも言うべき信仰の道に入ってしまうとさあ大変!
今回話題にしたアイゼンにしてもそうですが、冬用のブーツにしてもテントにしても、軽さを用具選択の最優先順位にしてはいけないものまで、こんな視野狭窄の状態で選ぶようになってしまうことにもなりかねません。
こんな病状は早く治療しないと、安全登山という観点からも問題が生じないとも限りませんし、第一、極限の登山でもないのに、山での食事(お酒?)まで軽ければよいなんて考えるようになった日にゃ、自分の山登り自体が楽しくなくなっちゃうような気がします。

まあ、新年早々骨折して周囲の顰蹙をかった私が言うのも何なんですが・・・。
“山登り”なんて所詮は周囲に心配や迷惑をかけてしまう遊びなんですから、他人から見たら楽しくなさそうでも、本人が納得して「これが私のポリシーだ」とか「俺流の哲学だ」と言うんならそれはそれで良いんだと私も思います。
しかし・・・、絶対とはいえませんが、山の先人が多くの経験を積み上げる事で出来上がった“山の一般的常識”(?)から大きく外れた装備が原因で事故ったりしたのでは、そんな行為は「ポリシー」ならぬ単なる「自己拘泥」の結果であり、「哲学」どころか「無知」の産物だとの謗りを受けるかもしれませんから。

また軽量山道具オタクを自負する私の目から見ても、ウルトラライトBPに代表される、昨今の我が国の“野遊び”の新しい波の中で育ったハイカー(≒登山者)の一部には、“UL”だとか“軽量化”自体が目的化し、それが無思考で従うべき記号となっているのでは?・・・と思えてならない方もいるように感じます。
多分、雑誌や、真面目にULに向き合ってウェブ上でUL系のサイトやブログを立ち上げている国内外の方のサイトを見てULに関心を持ち、その外見の目新しさのみを見て、カッコイイ・新しいと感じ、なんとなくメーカーや山道具屋さんのカモにされてるって感じの方も多いんじゃあないでしょうか。(特にP社の信者の方に多いような気が・・・笑)

これまた、「本人が良けりゃあ良いんじゃない・・・」なんでしょうが、軽量化という同じ志向を持つ私が常に自分を省みていることは、本来の軽量化とは「手段」であって「目的」では無いと言う大前提を忘れてはいけないという事です。

まず言えることは、軽量化の基本は「何を持たないか」が基本だと思います。これは同時に「それを持つ事によって得られる快適さ(安全性)」を、自分はどこまで捨てられるかという判断力でもあり、そのためには学習や経験、あるいは鍛錬が必須だと思うのです。
例えば「2月のこの山だったら、半身用マットは当然としてスリーシーズンシュラフまで装備を絞っても、耐寒訓練をしとけば大丈夫だ」と自信を持って判断するのも軽量化の技術の一つですし、「この沢は長丁場で難しいから、入山祝の初日の晩以外は禁酒にしよう(笑)」という涙の決断力も同様です。
大昔ですが、冬の黒部の壁を登ったクライマーの『今回は軽量化のために“腕時計”を持参しなかったので正確な時刻は不明・・・』というような記録を読んで感心した記憶がありますが、手段としての軽量化とは、正にこのような事を言うんではないかと思うのです。


しかし、現代の一部のULブームの流れは、「荷を軽くするために、何を持たないか」ではなく、「軽い道具を、どれだけ数多く山に持っていけるか」といった感じや、さらには「どんな手段を使えば未輸入の最新の軽い道具が手に入るか」みたいな、物理的な豊かさを競い合うような展開を見せているかのように感じるのは私だけでしょうか。
『山具道楽者』の私としては、こんな“楽しいこと”を完全否定するつもりはありませんが、これでは二昔も前のバブル景気時の、物量投入大量消費型アメリカン・オートキャンプと、志向性を一にしているような気がします。
これまた、「本人が良けりゃあ良いんじゃない・・・」なんでしょうけど・・・、大量生産大量消費「それ行けドンドン!」の高度経済成長期当時と異なり、今の時代は“省エネ”“オルタナティブ”“エコロジー”“ローインパクト”がカッコイイ時代ですから・・・(笑)。


さて、我が国の“野遊び”と“道具”の関係ですが・・・。
これは、40年近く前でしょうか、従来型の”登山”とは一線を画す形で米国より輸入された、日本の“所謂的アウトドアブーム”が“Whole Earth Catalog”をバイブルとしていたことはその端的な例かもしれません。
しかしこの書物の発刊の精神と、その意図するところを本当に理解していた日本人は殆どいませんでした。いわゆるカタログブームというのでしょうか、当時のアウトドア志向の若者(俺か?)は、アウトドア先進国(?)の米国の道具に憧れ、カタログ本を眺めながら、あるいは麻布の“スポーツトレイン”のショーウインドゥに額を摺り寄せながら、物理的にも金額的にも入手困難な米国の道具に恋焦がれたのです。

人間は道具を使うから人間であって、また遊ぶから人間なんです。ですから“野遊び”とそのための“道具”は、牙も被毛も持たない裸の猿である我々にとっては切り離して考えられないのは当然のことです。
そして、私たちは豊かさや満足感を求める時も、まず良い“道具(モノ)”を沢山所有し消費しすることを望みます。借り物の米国的文化と米国的豊かさを志向してきた我が国にあってはこれも当然過ぎる成り行きです。

その後の経済成長と自分の成長の結果、少しばかり豊かになった私は、気候風土の違いなどお構い無しに、カタログの写真そのまんまに米国の道具を使いだしました。
米国のトレイルでは有効だけど、日本の山岳地帯では邪魔なだけのフレームザックを得意げに担いで、これぞバックパッキングだ、などと言いながら山を歩いていた私は、若かったんでしょうか、それとも馬鹿だったんでしょうか・・・、今考えれば赤面ものです。

また、山以外でも当時のアウトドア教の、教祖様であられた芦○氏や油○氏の生活に「私淑」と言ってよいほどに憧れ、休日にはVANのジャケットをCPOジャケットに着替え、フライロッドを携えて里川に繰り出したりしましたっけ。

しかし、その本場アメリカのバックパッキングだって、その起源は60年代の米国で、反戦や反管理社会や反消費社会といった一連の対抗文化として巻き起こった、所謂カウンターカルチャームーブメントの産物であるわけですが、そんなことも知らず、私なんかはむしろ豊かな米国への憧れみたいに感じて、上っ面だけ猿真似をしていたわけですから能天気の極みもいいところです。
しかも、今考えれば、地勢や風土そして気候、そして使用する人間の体格さえ異なる外国の道具であることも理解せず「先進国アメリカで使用できる道具が日本で使えない訳がない・・・!」的な愚かさでしたから救いようがありませんでしたね。(そう言えば、高校生の時は訳も解らずヒッピーみたいな姿で闊歩してました。この当時の写真を他人に見られたら恥ずかしくて自殺しちゃうかもしれませんね・・・大笑)


そういえば“カウンターカルチャー”で思いつきましたが。
何故かアメリカ人は単純で大きなトレンドを起こすのも上手ですが、皆でそのトレンドを一方向に突走っていても、誰か必ず何処かで立ち止まって、大真面目に原点回帰を叫ぶ奴が出現する。
そうすると急に、あるまとまった一群はそいつに従って流れから抜け出し別方向に走り始める・・・こんな感じでしょうか。
米国は良い意味でも悪い意味でもカウンターカルチャー先進国なんです。

クライミングの世界でもこんなカウンターカルチャーはやはり米国で興りました。
わずか40年程前ですが、当時は道具を最大限に使い、自然を征服すべき敵にみなすようなクライミングが行われていたのです。
エアコンプレッサーを壁に持ち込み、パワーツールを使ってひたすらボルト穴をあけ続け、山頂まで直線のボルトラダーを築くような“ディレッテシマ”という下品な手法が最先端とされ、まさに鉄の時代の頂点を迎えていました。
文字どうり人工の道具を使うわけですから“アーティフィシャル・クライミング”(=人工登攀)と呼ばれていましたが、これはそんなスタイルの行き着く先だったわけです。現在のエイドクライミングとは一寸異なる概念ですね。

しかしその反動は、原点回帰という形で米国にフリークライミングというムーブメントを起こしたのです。「やはり人間、“モノ”より“心”だよね」って感じでしょうか、物に偏り過ぎていたことへの揺り戻しです。
そして、米国のクライマーたちは素早く、多少教条的ではありますが、道具に頼らず生身で対等に岩にかじり付くための技術と哲学の体系を完成させました。
堅苦しく排他的にも見えるかも知れませんが、このフリークライミングのあり方はある種の山登りの最も洗練され完成された形態の一つだと思います。(フアッション化と商業化に偏ったフリークライミングとは分けて考えたいですね)

また、スキーと言う“野遊び”についても同様です。
競技スポーツとして進化した結果、斜面を下るという機能に特化することで得た機能性と安全性とを引き換えに、歩くことと登ることというスキー本来の機能を犠牲にし、複雑で重く機械の様に味気なくなってしまったスキー用具と、その用具で滑降するためだけの技術を駆使する、アルペンスキーという商業化されたメガトレンドに対抗するカウンターカルチャーとして、やはり米国で蘇ったのがテレマークスキーです。
スキーの原点に立ち返り、軟らかい靴と細くて軽い板、そしてヒールフリーというシンプルな道具で、歩き・登り・そして滑るというスキーの原点回帰志向がモダン・テレマークというムーブメントの淵源だったわけです。
(まあ、フリークライミングと違いテレマークスキーは市場経済に近い位置にいたのが災いして、再び重く硬く味気ないが、しかし私たちの物欲を刺激するに十分な道具を駆使する楽しい?スポーツに変貌してしまいましたが・・・)

さて、「閑話休題」・・・で、本題に戻りますが・・・。

ウルトラライトというと、言葉自体もカッコイイですし、何か最新のテクノロジーを使った新素材を活用した最新の軽量な用具を駆使する先駆的なアウトドアスポーツみたいな印象をもたれる方も多いと思いますが・・・。
実は、このウルトラライト志向というのは、その逆で、上述と同様の流れの中で“原点回帰大好き人間”の総本山みたいな米国で発生したムーブメントの一つなんだと、考えると解りやすいと思います。

大量のモノを通して自然に関わるのではなく、なるべくシンプルに、そしてローインパクトに皮膚感覚で自然に接しようというわけですね。
そしてなるべく永く自然と接しよう、できるだけ遠くまで自分の足で歩いてみよう・・・しかも無補給・ノーデポで・・・。
・・・となれば、装備の軽量化は必須条件ですし、その軽量化の主題であり主要素であるべきなのは、やはり「何を持たないか」という判断力と「それを持つ事による快適さ(安全性)」を、自分はどこまで捨てるかという、経験に裏打ちされた意思なんじゃないか・・・つまり繰り返しになりますが、やはりULとは「手段」であって「目的」ではない、「ファッション(外見・流行)」ではなく「思想」であるべきだと思うんですが、いかがでしょうか?

そして、私たちがなるべくシンプルに、皮膚感覚で接しようとしている自然は日本の自然であって、けっして米国のそれではないのです。
当然米国の自然の中で育まれてきたULバックパッキングやULハイキングの用具や技術をそのままで我が国の気候風土の中でリプレイしたって、猿真似はやっぱり猿真似でしかありませんし、安全でも快適でも機能的でも、あるとは限らないのです。ハッキリしていることは山道具屋が儲かることぐらいでしょう。
また、我が国の自然は狭く、慢性的にオーバーユース状態であることを考えれば、広大な原野が広がる米国の流儀とは異なった倫理観と自己規範性が我々に求められるのは当然のことです。

35年以上も前のことですが、私が最先端を気取り、得意げに猿真似の米国風バックパッキングをしていた当時の自分の写真を見ると、懐かしさと同時に耳が赤くなるような恥ずかしさを感じてしまう・・・・、こんな事実を他山の石としてもらえば解ってもらえるでしょうか(笑)。
要は、借り物の文化は定着しないってことです。猿真似や教条主義に陥らず、自ら積極的に先人の智慧を学び、経験を積むことで、自分の合理的判断力を高め、そしてナチュラルでステディーな(借り物の言葉を使わないと「“自然”で“確固たる”」でしょうか?)自分なりのスタイルを確立できればそれが理想だってことですかね。

私も、米国発のULという思想とムーブメント自体には共感するところが多いし、これからの我が国の野遊びのあるべき姿の一つだとも確信しています。
しかし、これを米国サイズのまま身に纏うのではなく、日本の自然や気候風土そして文化という体型に合わせて仕立て直し、肌の一部のように着こなす・・・。これが大事なんじゃあないでしょうか。


例によって論旨がグチャグチャになってしまいましたのでそろそろお終いにしますが、最後までお読みいただいた方の忍耐力には感服いたします。(笑)
今回は、ULも原点は「やはり人間、“モノ”より“心”だよね」なんですから、それが“モノ”中心で語られるのは、「やはり本筋じゃないよね・・・」と、40年以上道具に躍らされ続けた道具マニアの私が、自分を棚に上げてお話した一席でした。お粗末!

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2009年3月 8日 (日)

“逆反り板”レビュー/スキー編(K2・HELLBENT)

便利度 :★★★☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆


最近のパウダーライディング用スキーは、よりファット化するのと同時にアウトラインやキャンバーの形状に既成概念にとらわれない斬新なものが次々と市場に出されるようになりました。

また、ロッカーやネガティブキャンバーといったソール形状以外にも、スワローテイルやアウトラインがコンベックスサイドカーブといったサーフボード的にパウダースノーを流体として面で捉えてターンするコンセプトのパウダースキーもリリースされています。

「こんなスキーだったら、私でも粉雪を乗りこなせそう!」・・・な気がして、一瞬“K2/PONTOON”というスキーに物欲も動いたのですが、ロコならいざ知らず首都圏に住む勤め人の身では、履くチャンスも無いままルーフボックスの中で錆び付かせてしまいそうで、さすがに理性が購入を思いとどめさせました。

しかし、一難去ってまた一難!、またまたK2からサイドカーブは通常のファットスキーと同等ながら、かなり長くて大きめなロッカーがトップとテールに設けられた逆反りスキー“HELL BENT”が発売されたのです。

Hellbent
(07-08㊧と08-09㊨のHELLBENT、かなりお下品な柄である)

「これだったら圧雪面でも通常のサイドカーブを利用してエッジを使ったターンができ、パウダーでは船底状のソール形状で浮力を得るといった、一挙両得の使い方ができるかも・・・」という悪魔の声に促されて結局・・・お買い上げ!・・・となりました。

で、この“HELLBENT”のレビューですが・・・。
ご存知のような理由で、昨年と今年の短期間しか乗っていないので、正確ではないことをお許しいただきたいと思います。

さて・・・、
まず、浮きます!。
他のパウダー専用ボードには乗ったことがありませんが、感覚的には今乗っているスーパーファットの“VOLKL/GOTAMA”と比べても桁違いといっていいほどの浮力で、特にトップを浮かせるようなテール加重を意識しなくても、普通に浮いてくれる不思議な感覚です。

また、くるくる回り過ぎる感じはありますが、軟らかめの圧雪面でしたらてターンしている限りはロッカー(逆反り)をそれほど意識しなくても普通に乗ることがでいます。

しかし、圧雪のフラットな緩斜面等で真っ直ぐ滑る時など、どうしてもスキーがキョロキョロ落ち着かず、しっかり抑えようとしてもなかなか上手く安定させられず左右のスキー同士がぶつかってしまう傾向が見られますが、これはソール形状から致しかたの無い事なのかもしれません。



と、言う訳で・・・、特に強く推薦することはしませんが、スキーエリアのロコでないスキーヤーにとっては、少なくても“PONTOON”よりは出番が多そうですから、逆反りスキーに乗って見たいと思っている都市在住のスキーヤーにとっては、無難な冒険(?)として最適な板ではないでしょうか?

また、このタイプの板でシール登行した場合、前後の押さえの効かない逆反りスキーがどのような挙動を示すのかも、私にとっては興味深かったので、この板用に自作のスプリットシールも用意していたのですが・・・・。

歩行すら困難な現状では、今シーズンはこのテストも不可能になってしまいました。(涙!)

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2009年2月16日 (月)

3アンテナ・ビーコンは買いか?(PULSE-Barryvox レビュー③)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(少し高価なのが欠点といえば欠点)


さて、前回の記事のように1対1では抜群な探索性能を発揮してくれたPULSE-Barryvox ですが、この機種のウリでもある複数探索機能はどれだけ有効に機能するかテストしてみましょう。
少々過酷かもしれませんが、今回は1対4でテストしてみることにしました。


Ball
(テストに使用したビーコン)

発信側のビーコンはPULSE-Barryvox 1台とORTOVOX-M1 3台の計4台を使用しました。
発信状態のビーコン4台をビニール袋に包んでグランドにバラバラに放置し探索を行ってみました。

Bm1
(こんな感じで放置した)

1対1の時と同様に矢印に従って進み、位置を特定した時点でその対象をマークして既探知として切り離し、次の探索に取り掛かる・・・といった繰り返しで探査を行います。

Bm3
(複数探索時の表示)

・・・と、言葉で言うのは簡単ですが、さすがに4台を同時探索するというのは最新機種といえども簡単ではないようです。
実際に今回の複数探索テストでも矢印が一時的に正反対だったり見当違いの方向を向いたり、下の画像のように機械が考え込んでいる(?)状態になったりしてしまいました。
このような地上テストで、被探索機の位置が捜索者に目視できる状況だと、これが明らかに異常な表示だと判断できるのですが、実際の救助現場ではずいぶん混乱することは必至でしょう。

Bm4st
(機械も一生懸命考えているのでしょうか?)

地面の上でもこの状態ですから、実際のデブリの上で複数の埋没者を救助するのはやはり機器の特性に対する習熟とかなりの訓練が必要になりそうです。
最新とはいえ、魔法の機械では無い訳ですから過信は禁物といったところでしょうか・・・。


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2009年2月 3日 (火)

VOILE のクランポン・ベースメント、待望の国内販売間近?

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で VOILE のユニバーサル・テレ・スキークランポンを絶賛しましたが、その後代理店のミヤコ・スポーツが同社の代理店を外れていたので、欲しくても海外通販以外では商品自体の入手ができなくなっていました。

Vkuto3   Vkuto2

まあ、VOILE もユニークで高機能な製品を創る会社なのですが、製造ライン自体はガレージメーカーに毛が生えた程度(失礼!)なので、海外ディーラーへの対応を大手メーカー並にこなしていくのには多少無理があったのかもしれません。
そのため、代理店もこれまで何度か替わったという経緯もあり、輸入再開も危ぶまれていたのですが、今シーズンからは“GMGサービス”(スノーガイド)が VOILE の取り扱いを始めてくれることとなりました。

そしてもう一つの朗報が、昨年までの代理店が扱ってくれなかったユニバーサル・テレ・スキークランポンのベース部分のみのパーツ販売を開始してくれたということです。

Voile_base2  Voile_base_1
(パーツは画像のような簡易包装で、赤・青の2色で供給される)

このパーツは“ユニバーサル・テレ・スキークランポン/ベースメント”という商品名になるようですが、今まで海外通販でしか購入できなかったこれが、国内の登山用品店で購入できるというのは私にとっては素晴らしいことです。

昨今は山スキーヤーでも、状況に応じて複数の板を使い分けることも少なくないと思いますが、このパーツさえ板の分だけ用意すれば、一組のクトー(クランポン)を複数のスキー板で共用することができるわけです

この製品自体のインプレッションや取り付け方法は、以前の記事をご参照いただけば解りやすいと思いますがますが、製品のタグが使いやすい取り付けゲージ(画像↓)なっているので取り付けも簡単です。

Vkutogage

ただ、付属のビスが板によっては長すぎる場合があることと、ネジのピッチが通常のビンディング・ビスと異なり、メタルが入った板でも通常のタップは使用できないことには要注意です。

38in
(センターのナイロンナットはインチ規格!!画像のように加工した 3/8in のソケットを使うと便利)

また、アルペン・ツアービンディングの一部や、直付けの3ピン・テレマークビンディングには不適合の機種もあるようですが、通常の下駄を履いたテレマークビンディングの殆どや、DINAFIT/TLTビンディングには問題なく使用できまるようです。

本当にクトーが必要になる条件下で最高の性能を発揮する優れた製品ですし、一組のクトーを複数のスキーで使い回せるようになった事で、コストパフォーマンスの点でも更にメリットが大きくなりました。
おすすめです!

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2009年1月26日 (月)

3アンテナ・ビーコンは買いか?(PULSE-Barryvox レビュー②)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(少し高価なのが欠点といえば欠点)


まずはビーコンを1対1で探索してみました。
発信状態にしたPULSE-Barryvoxをビニール袋に入れてグランドに放置し、別のPULSE-Barryvoxで探索してみました。

Bs1  Bs2

デジタル探索可能な距離まで近づくと方向を示す矢印と距離が(画像↑)表示されるので、矢印が正面なるように方向を変えながら進んで行くだけで被探索機まで誘導してくれました。
オルトオックスのM1だと本体を左右にゆっくり振りながら発信音と距離表示を目安に進行方向を判断しなければなりませんでしたが、“PULSE-Barryvox”でしたら表示の矢印がダイレクトに探査方向を示してくれるのでそれにしたがって前進すれば自然に被探索機まで誘導してくれます。

Bs3  Bs4

そして至近距離まで近づくと自動的にクロス探索表示(画像↑)に切り替わり、誤差も10センチ単位といっても良い程の精度で探査できるのです。
「初めてビーコンを使う人でも、数分でピンポイント探索が可能」と言うのもまんざら嘘でもなさそうです。

できたら活躍してもらいたくない道具ですが、いざという時には頼りになりそうな最強のビーコンと言っても過言ではないと思います。

しかし、これ位だったらどんなビーコンだって可能なことです。
次にこのビーコンの売りの一つである複数探索機能をテストすることにしました。
少々過酷かもしれませんが、1対4でどこまで順調に探索できるでしょうか?

(以下、次回に続く)


(余談ですが・・・)

最近「本当に山は危険か・・・?」という画期的(?)な問題提起(?)に対する反響が、一部のウェブ上を喧しく駆け巡りました。
しかしそれも、ようやく一段落したようなので、本件に関しての私の考えを、難しい言葉を使わずにお話したいと思います。

私自身、年齢が年齢ですから山との関わり方の基本も1世代前のスタイルでしか学んでいません。つまり、今風に言えば「旧態依然」とした「古い考え」の持ち主かもしれませんし、ここ十数年は他人に自慢できるような本格的な登山らしい登山もしていませんので、大きな口は利けないのですが、これからどのようなスタイルにせよ山の世界に足を踏み入れる若い皆さんが、安全に永く山と付き合って楽しめるように、敢えて私の経験を述べさせていただくことにしました。

以前、ある天才エクストリームボ-ダーはその過激な滑りについて是非を問われた時「道路を歩いてたって、死ぬやつは死ぬ・・・」と返答していました。カッコイイですね!
確かに、街に居たって山に居たって何がしかの事故に遭遇する可能性は双方にありますから、どちらが危険とは一概に言えないのは事実です。

しかし、現実に私は常に「山は危険だ!」と考えて山に入っていますし、特にビギナーの方々には、謙虚にこう考えてもらいたいと思っています。
この件について、確率だとか変数だとか小難しい戯論に終始しても、かえって問題の本質から遠ざかるような気がしますので、私が自らの「経験」から、こう考えるに至った理由を、一例として挙げておきます。

恥ずかしながら、私は現在スキーで骨折し治療中です。幸いにもゲレンデ内でしたのですぐに搬送されましたが、これがソロのBCツアーで携帯もトランシーバーも使用不能な場所だったとしたら五分五分以上で遭難死だったでしょう。
また、以前、山でアキレス腱を断裂したことがありますが、その時はパートナーがいましたし、プラブーツの紐をしっかり締め上てからテーピングして足首を固定し、激痛と戦いながらも這うようにして辛うじて下山することができました。(私はこの時の「経験」から山には必ず2Mバンドのトランシーバーを持参することにしました)
しかし、今回の骨折がその時に起こっていたら状況は全く異なったシビアなものになっていたでしょう。
全く動けなくなった私の命が危険なのは当然として、天候が悪化したら、私を収容するために雪洞を掘った後、疲れた体で救援を求めに下山するパートナーの命さえも危険にさらす事になったと思います。
アイゼンの引掛け等による足首の捻挫などのよくある怪我が予想外の結果を招いた例は、私の周囲にも結構ありますから油断はできません。

つまり、山と街の違いは、事故に遭っても直ぐに救援されるであろう市街地と異なり、山の事故(特に積雪期で単独)では、街では何でも無い怪我であったとしても、歩行不能になった時点で命を落とす確立が急激に上昇し、救援が無ければ厳冬期だったらおそらく3~4日で確実に絶命するということです。
私は、私の「経験」から、この点だけ考えても「山は街より危険だ・・・」って言って良いと思っているのですが・・・。
街では許されるなんでもない失敗も、山では命に関わるわけですから、山の危険さは、事故に遭う確立・・・云々といった頭の中や机の上で計算した相対的な危険度とは別の位相で考えなくてはならない・・・と私は考えます。

そして、私の場合は山の「経験」を積めば積むほど、山が危険だと思うようになりました。

例えば、経験の浅い方は「GPSがあれば道に迷わない」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。傾斜のある場所での道迷いは、GPSが目的地の位置を指し示したとしても、崖や崩壊地あるいは蜜藪などで進みたい方向に進めないことも多いし、何よりそのような緊急時には僅かな距離をラッセルや藪漕ぎで登り返す気力や体力すら残っていな場合だって多いのです。これも本格的に(?)迷った「経験」が無いとその恐ろしさは理解できないかも知れません。

また、冬の稜線でテントフレームが折れるような強風に遭遇したとしても、テントの幕体に包まって一夜を過ごせば何とかなる・・・とお考えの方がいたとしたらそれは大きな間違いです。このような状況は8割がた遭難と同義です。朝まで体力と気力が持てば何とかなるかもしれませんが、翌日も終日同じ状況ならまずアウトでしょう。
こんな状況になる前にどのように行動したら良いかという判断力も、耐風姿勢をとったまま10分以上一歩も動けないような極限状態を「経験」し、自然の前には己の力など無に等しいという謙虚な気持ちを身をもって知る以外には体得できないでしょう。

天気の判断にしたって、理屈では判っていながら「擬似好天」に騙されて行動を開始し酷い目に遭うという、山の定石を生かせなかった苦い「経験」を何度か繰り返すことによって、やっとこの簡単な理屈が体で理解できるというのが現実の山の世界なのです。

また、ピッケルを持っていても滑落停止技術が無ければ、持つ意味は半分無いのと同じといわれますが、これらの技術も「経験」から身に付ける以外にありません。
私は所謂「旧態依然とした」大学山岳部新人のころこれらの技術を先輩から教え込まれました。当時は、冬山訓練合宿というのが11月末の富士山で行われるのが恒例で、最初は吉田大沢の下部でアイゼン歩行や滑落停止の練習をしますが、合宿最後には頂上火口内の青氷の上であらゆるパターンの滑落停止、ロープを使ったコンテやタイトロープ歩行などをやらされ、体中アザだらけになりながら体力の限界までしごかれました。(そしてその帰路には8合目でビバーク訓練と称して十数時間もの辛い時間を過ごさなければならないというおまけ付でした。)

まあ、こんなに苦労しても結局、唯一判ったことは「危ないところで滑ったら一巻の終わりだ・・・」という現実だけなのかもしれませんから、現代風に言えば「古い精神主義的な非効率的トレーニング」だったのかもしれません。しかし、こんな簡単な気付きも私にとっては「経験」からしか理解できなかった貴重な財産だと思っています。

「経験」の質と量は決して遭難する確立と反比例はしないかも知れませんが、だからと言って私は「経験」の蓄積が安全登山に寄与しないとは考えていません。
何故なら、私たちは経験と知識を有機的に組み合わせてこそ、リアルなイメージでとしての未来予測が可能となり、変化しいく状況を経験に照らしてより正確に読み取ることができれば、より適切な対応が可能になると考えるからです。
本で読んだり耳で聞いた知識だけでは、いくら蓄積し結合させることができたとしても、それはゲームの画面の様な薄っぺらな仮想現実としてのイメージしか形成しないでしょう。対応すべき状況、適応すべき未来がそんないい加減なイメージでしか把握できない事、それこそがまさに危険な状況への第一歩なのです。

また、「山の常識」の中には、確かに眉唾的なモノや時代の変化に合わない古い常識が含まれているとは思います。
常識を疑う事も大切な心の在り方だとは思いますが、それら「山の常識」の多くは山の先人の、失敗も含めた膨大な「経験」が集積され、時間というフィルターを通過し得たからこそ現代に伝えられているモノには違いないのですから、まずは敬意を払うべきだと・・・、「旧態依然」とした「古い考え」の持ち主である私は考えています。

私はかつて、無理して買った当時流行だった高価なフランスのG社の皮製の柔らか目のクライミングブーツを履き、冬の岩攀りをしましたが(当時はワンタッチアイゼンなど一般的ではありませんでした)アイゼンバンドをガッチリ締めたら1日で寒さと血行障害で爪先をやられてしまいました。まあたいした事は無かったのですが、その後2~3ヶ月は足先の感覚が戻らず結構落ち込みました。(当然それ以後その靴は冬には使わないことにしました・・・)
ワンタッチアイゼンが一般化した現在ではそうとも言い切れませんが、「冬山では冬用の硬めの登山靴を履く」という常識(?)もこんな理由によるものなのでしょう。
条件さえよければどんな足拵えでも大体は大丈夫なのでしょうし、新しい可能性にチャレンジする精神は否定したくありませんが、いざと言う時に指を無くすか無くさないかという大きなリスクを相棒にして人体実験をするより、同時並行で山の先人の知恵を素直に信じ硬い登山靴で行動してみるのも賢明な検証の方法だと思います。
まあ、いくら防寒性があってもバニーブーツのようなタイプの靴も登山向きではありませんが・・・。

さて、きりが無いのでこの辺で終わりにしますが・・・、冒頭に挙げた天才エクストリームスノーボーダーは、街でなく山で雪崩で亡くなり本当の伝説になりました。
スノーボードという遊びにストイックに人生を捧げ、常に修練に励み、豊富な経験を積み重ねた彼でも牙を剥いた自然の前には為す術も無かったのでしょう。
そして、彼は私たちに次のような言葉を残しました。

『僕らは自然そのものであり、本来は自然の枠の中にあるものだが、あたかも自然と闘うように自らの暮らしをつくりあげてしまった。僕らは何と言うか、宇宙のあり方に歯向かっているんだ・・・』(クレッグ・ケリー)

これが彼の自然に対する原罪意識にも通ずる謙虚な姿勢だったんでしょう、カッコイイですね! 
私たちも、自然に対し常に彼のような謙虚さを持って臨み、方法や自己主張の仕方や見解の相違でいがみ合うのではなく、同じ山の仲間として仲良く遊び場を共有したいですね。

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2009年1月18日 (日)

“逆反り板”レビュー/ボード編(K2・GYRATOR)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


近年、フリーライディング・スキーの世界では板のファット化が進行し、パウダー・ライディング以外は不可能といってもいいような形状の板まで普通に(?)市販されるようになりました。

一方、スノーボードはと言うと、もともと構造的にパウダー・ライディングに適している事もあって、古くからパウダーガンといった深雪専用の板も存在しましたし、普通のボードでも少々セットバックを多めに取れば中級者でも容易に深雪に突っ込んで行くことも可能な潜在能力を持っています。

私も以前パウダーガンを購入しましたが、思いのほか出番が少なく、現在山で滑る時にはグルーミングバーンも卆無くこなすBURTONの“FISH”(画像↓)がメインになっています。

Fish

“FISH”は、全長を抑えながら、ワイドなノーズと大めのデフォルト・セットバックで深雪での浮力とテールの抜けを向上させつつ、通常のサイドカーブとアーチベンドで圧雪面での滑走性を確保した名機だと思います。

さて、このようにパウダーボードとはいえ、“GENTEM”などの一部のボードを除いてはソールにコンケーブしたアーチ状のキャンバー(アーチベンド)を設け、加重時の均等面圧と有効エッジ長を確保しているのが普通です。
しかし、昨シーズンだったか(?)、K2から、“GYRATOR”(画像↓)というソールがコンベックス状に逆反りのカーブを描いた画期的なネガティブ・キャンバーのボードが発売されたのです。

Gyrator
(アウトラインは通常のボードと変わらないが・・・)

スキー板では 、パウダー対策として長大なトップベンドを設けたロッカー構造とか、ネガティブ・キャンバーは古くから試みられていたのですが、スノーボードにおいては本来的に深雪に強いという性質のためか、ソール形状までも逆反りにしたモノを市販しようという発想は出にくかったのかもしれません。
敢えて“GYRATOR”を世に出したK2開発スタッフの遊び心には喝采を送りたいですね。

Gyrator2
(2枚合わせるとビンディング位置からロッカーが始まる異常なキャンバーが確認できる)

さて、ボードのソールを船底型に反らせすればパウダーで浮くのは当然のことですが、その反面エッジの有効接雪長は両足の間隔だけと極端に短くなり、アイスバーンやスキー場のグルーミングバーンでは全くコントロール不能になってしまいそうです。

気になります・・・。乗ってみたいです・・・。確かめたいです・・・。

で、買っちゃいました!
訳あって(画像↓)1日しか乗っていませんし、今シーズンはもう乗れませんが、結構お勧めなので(チョコットですが・・・)乗った印象を報告いたします。

Bone1

はっきり言って、浮きます。絶対的な浮力というのか、今まで絶望的だった深雪の緩斜面でも何とか止まらずに浮き上がって走ってくれます。
また、私程度の(≒下手糞)技術でも、先行者が喰い荒らしたトラックだらけのパウダー斜面でも溝に引っ掛からず、自由に縦横に滑ることが可能でした。

一番気になったグルーミングバーンでのエッジホールドですが・・・。
案の定、エッジの押さえは効きにくく、全般に少々不安定なことは確かです。
しかし、想像していたほどダメと言う訳ではなく、圧雪面ではエッジを起ててターンしている限り、この逆反りを意識させる挙動の不安定さはあまり感じませんでした。
これはよい意味で予想外で、ガリガリの人工雪やナイターだと(多分)楽しめないと思いますが、通常の圧雪されたゲレンデでしたらそれほどの違和感を感じず楽しめそうな感じです。

また、パウダーボードというと、つい長めの168を買ってしまいそうになりますが、そこはチョット我慢して158か162くらいのサイズを選べばショートターンでもテールの抜けが良さそうでツリーランも快適そうですから、“山ボード”用としても合格点を付けられるでしょう。

と、言うわけで、安くはない板ですが「どうしても深雪を楽に滑りたくて・・・」、また「“FISH”を持っていなくて」、さらに「お財布に余裕がある」なら、買って損のない、十分楽しませてくれる板だと思います。


“逆反り板”レビュー/スキー編(K2・HELLBENT)も近く公開予定・・・!。

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2009年1月 1日 (木)

3アンテナ・ビーコンは買いか?(PULSE-Barryvox レビュー①)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(少し高価なのが欠点といえば欠点)


Bpv1
(PULSE-Barryvox の表面と裏面)

我が国のバックカントリーシーンにおいても、近年なってようやくアバランチ・ビーコンの有効性が定着してきました。
高価な部類の道具ではありますが、万が一の場合に友人やあなた自身の生命を左右する道具ですし、スキー一式よりは安価なはずですから、雪山に入る登山者、特に山スキーヤーやボーダーには是非携行してもらいたい道具です。

私も既に十数年何種類かのビーコンを使用してきましたが、数年前から使用している“オルトボックス・M1”を高く評価しています。
シングルアンテナ機ですが、難しい機能が無い分だけ操作もシンプルで、デジタル表示も使いやすく確実な探索ができる名機だと思います。
今までにスイッチ部分の故障で修理(交換?)をしたことと、リコールで電池ボックスの蓋を取り替えたことはありますが、現在まで数台を数年間にわたり、時にはかなり乱暴な使い方をしたにも拘らず現在も元気?に動いています。(本当は定期的に動作点検に出さなければならないのですが、面倒なので一度も点検はしていませんが・・・)

このように、パルスが遅い旧型のM1とはいえまだまだ現役で活躍中なのですが・・・、噂によると、新型の3本アンテナのデジタル・ビーコンは初めて手にする人が操作しても数分で埋没者まで数十センチくらいの精度で到達できるとのこと・・・。
しかも慣れれば複数探索も容易だとの評判もあるようです。
そんな訳で、今シーズンはビーコンを新調することに決定!

さて、3本アンテナの新鋭機というと、選択肢は3機種・・・、

・ピープスの“DSP”
・マムートの“PULSE-Barryvox”
・オルトボックスの“S1”


ということになります。
性能は三者拮抗していて甲乙つけがたい、あとは個人の好みで選ぶしかない、というのが大方の評判ですので、私も好みということで選ぶことにしました。

オルトボックスの“S1”は形も気に入らないし予算オーバーなのでまず候補から除外。
また、個人的な見た目での印象ですが・・・、ピープスは6万円もする機械にしては“玩具っぽい”外見で、知らない人に値段当てクイズをしたら・・・「1,800円位でしょ?」と言われそうな感じです。
それに対し、マムートのほうはVOLVO Sports Design AWARD(ボルボ・スポーツデザイン賞)を受賞したというだけあって、クールで機能的なデザインをしています。
外見に騙され易い(?)私ですから、当然の成り行きとしてマムートの PULSE-Barryvox を購入することになりました。

*さて、手にとって見て・・・、まず好ましい点ですが。

①ディスプレイに日本語表示が選択できる(問題もあり→後述)
②基本操作が両サイドの2つのボタンで、手袋をしたままでも可能
③ディスプレイが単純明快で探索時に判りやすい表示
④メインスイッチも誤作動を排除しつつ片手で操作できる合理的な設計
⑤とりあえずカッコイイし、容積も大きすぎずコンパクトな部類?
⑥磁気センサー式のコンパスを内蔵し、それを探索に利用するなどかなりハイテク技術を使っているらしい??
⑦電池の交換にドライバーやコインが必要無い

Bpv2
(誤動作を防ぎつつ操作性の良い上面のメインスイッチ)

*一方、気になる点は・・・。

Bpvk
(日本語表示は便利だが・・・)

❶日本語(カタカナ)でユーザー名が登録できるが、50音全部が入力できるわけではない(信じられないことですが容量の関係だそうですが、ちなみに私の名は登録できません!)
❷本来ならこの機種の目玉であるはずのバイタルシグナル(埋没者の生存信号)の送信が日本の電波法の関係で意図的にキャンセルされている
❸同様に、複数の探索者と電波で「探索済み」「未探索」情報をリンクする機能もキャンセルされている(涙)
❹筐体内部は防水されているらしいが、電池ボックス部分はパッキンすら無いので多少不安(水没しても発信していたという事例があるそうなので回路自体の防水は確からしい)
❺多くの機能があるのは良いが、本番ではたぶん忘れていると思われる(取り敢えず標準モードと、探索済みの埋没者の切り離し法さえ覚えれば必要にして十分だと思いますが・・・)

といったところでしょうか。
❶については、一度英語モードに切り替えてアルファベットでユーザー名等を登録し、再度日本語表示に切り替えてもそのままの状態で保存されていますので実用上の問題は無いのですが、❷❸については電波法上の問題とはいえ何とかしてもらいたいところです。
本来の機能が使えないのだったらその分価格を下げてもらっても好いですが。(笑)

まあ、並行輸入物や個人輸入物を購入すればフルスペックの海外仕様を、しかも若干安い価格で購入できるわけですから、私も購入に当たってはずいぶん悩みました。

しかし、並行物だとこの価格の商品を保証が一切無い状態で購入することになるのに対し、正規ディーラー経由だと5年間の保障が有る事を考え合わせて、めずらしく素直に正規輸入品を購入することに決定!。
さいわい、某山道具屋の期間限定の割引を利用したら並行輸入品よりは高いものの、保障を考えれば納得できる価格で購入することができました。

さて、早速戸外でテストしてみたのですが・・・。(次回に続く)

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2008年12月11日 (木)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう④(最終回!)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

(あくまでも自己責任で!!)


(「“DYNAFIT”ビンディングを自分で取り付けよう」の最終回です。正直な話“DYNAFIT-TLT”は非常に独創的な製品・・・言い換えればとても癖のある製品ですから、誰にでも無条件でお勧めできる道具だとは思ってはいません。しかし、そんな癖や我侭さもこの製品の魅力なのです。)

⑪ヒールピースの位置決めをします。

作業前に、ヒールピース・ハウジングの回転軸となっている太いアルミ製のポストが調節範囲の前後中央に位置しているか確認し、中央でなかったら後端ビスをPZ3のドライバーで回して調節しておきます。この確認作業はビンディングの新規取り付けより付け替え作業の時に重要です。

まず、トーピースにブーツを取り付け、ヒールピースのピンをブーツ後端の金具の部分に挿入します。

(ビンディングの底面を実物コピーして作ったモノをゲージとして使う場合には、付属のクリアランスゲージ(シム)をブーツとヒールピースの間に挟み、その状態でヒールピース後端の位置を板にマークしておきましょう)

G1  G2
(クリアランスゲージ㊧は画像で判りやすいように旧モデルを使用、現在は銀色)

上からビス穴を覗いて、最初に付けたビス穴のポンチマークと前後2~3mm以内の位置の誤差でしたら(TLT-comfort やTLT vertical の場合は後で調節ができますから)そのままで良いので、靴を外して再度同じ位置に強くポンチを打ちます。

この段階で初めのポンチマークから大きく位置がずれるようでしたら、その場所に新たにポンチを打ち直しましょう。

(また、ビンディングの底面を実物コピーして作ったモノをゲージとして使う場合には、先ほど板に付けたヒールピースの後端マークとコピーの後端センターラインで自作紙ゲージの位置決めをしポンチを打ってください)

なお、同じDynafit でも“Low tech”や“Race”など、後で調節のできない機種を自分で取り付ける場合は特に正確かつ慎重にこの作業を行ってください。


⑫ヒールピースを取り付けます。


トーピースと同様、ドリリングからビスの締め込みまで一連の作業でを行います。
ヒールピースのセンタリング作業はトーピースほどシビアではないのですが、ブーツをトーピースにセットした状態でセンターが合うように、4本のビスを締めこむ順番を変えてみたり、プラハンマーで横から軽く叩いてみたりしてトライしてください。(トーピースの縦センターをバッチリ合わせてもヒールピースの微妙な曲がりでセンターがずれる事もありますのでここで油断しないように!)

また、最後にビスを本締めする際にはベース部分からヒールピース・ハウジングを取り外しておいた方が、ブラインドができずビスの締め込み作業が楽になります。(画像↓)

Heelbis

(重要!)
ビスを締めるときは、両手でドライバーを握り、満身の力で強く締めこんではいけません!
かえって強度を損なうばかりか、ねじ山を舐めてしまって取り返しのつかないことになる恐れもあります。


私の場合(握力60kg位?)は、片手の4本の指と親指を軽く合わせてドライバーの柄を握り、その状態で片手で強く締めこむ、と言った感じで締めています。
(ドリル穴周囲のの面取りを丁寧にやっておくか、予めビスを締めこむことよって盛り上がったビス穴周囲のバリ(?)を丁寧に削っておけば、この程度の力でもビンディング底面とスキーのトップシートが浮いてしまうことは無いはずです)

Imgp3075
(私はこんな感じでドライバーを握り、片手で目一杯締めこむ)

最後にブーツを取り付け、ブーツヒールの金具部部がヒールピースのピンの中心に正確にステップインできる位置になっているか確認します。
これまでの作業の各段階を丁寧に進めているなら、ここで再度調整する必要は無いと思います。

さて、最終チェックが終わったら、接着剤が固まるまで1日以上この状態で放って置きましょう。


⑬最終微調節をします。


ブーツをビンディングに取り付けて、付属のクリアランスゲージ(シム)をブーツとヒールピースの間に挟み、ヒールピース後端のPZ3のビスを回して微調節をします。

新品の板に取り付けた場合は、何度か板を強くあおっただけでクリアランスが変わることがありますので、気休めかもしれませんが私は取り付け作業の前にあらかじめ体重を掛けて何度も板を強くあおっておきます。

あとは、トーピースにリーシュコードを取り付け、各自の解放値にセットすればれば完成です。
お疲れ様でした!


⑭その他 

新品の板だと1日滑るだけでクリアランスが大きく変わることもありますので、最初は小まめに点検と調節を行いましょう。

ヒールピースとブーツの間のクリアランスは狭いほうがしっかり固定されそうな印象をお持ちかもしれませんが、あまり狭いと板に荷重がかかって逆ベンドした時、ヒールピースによってブーツが前方に押され、その前圧でトーピースが誤解放してしまい危険ですし、解放値も設定より高めの強さとなってしまうので要注意です。

Dynafit-TLT ビンディングは、ブーツの縦センター合わせという独特の工程があって手間はかかりますが、落ち着いて作業を行えば特別困難というほどの作業では有りません。
また、自分のスキーですから、ショップで取り付けるより手間と時間を掛けて丁寧に取り付けを行うことができるのも大きなメリットです。

(この一連の記事では、TLTビンディングに慣れない方でも絶対失敗しないよう工程を細分化してありますが、慣れてくれば幾つかの工程は省略が可能です)


ディアミールやテレマークビンディングでしたらもっと容易に取り付け作業ができますので、皆さんも一度、自宅で取り付け作業を行ってはいかがでしょうか。
ご不明な点があれば、必要な助言は惜しみませんので遠慮なくご質問ください。

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2008年11月20日 (木)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

(あくまでも自己責任で!!)


(“DYNAFIT”ビンディングを自分で取り付けよう②、からの続きです)

⑦ドリルで穴をあける

ポンチマークを付けた位置に、メーカー指定のある場合はその指定に従ったドリル径と深さで穴をあけます。
私の場合はパイロットドリル(Φ2.5mm)で下穴をあけてから、Φ3.5(~3.8)mmの穴をあけます。
深さは通常8~10mm程ですが、始めに測っておいたビンディング底面からビスが何ミリ突き出していたかを考慮し、薄い板の場合は特に穴の深さに注意しましょう。

薄いスキー板に取り付ける場合は穴の深さに注意するのははもちろんですが、ビスも短いもの(ジュニアビンディング用の物など)を用意するか、ビスの先端を1~3mm位カットする必要があります。

私はパイロットドリルでコアの材質や硬さ、メタルやビンディング取り付け部の補強などを推測しドリルの直径やタップを使用するかを決めます。
はじめから軽くタップを立てるつもりなら、どんなタイプの板でもドリルはΦ3.5mm1本でOKです。

Dillp  Drills
(㊧パイロットドリルと、㊨ストッパー付きドリル)

垂直になるように慎重に穴をあけます。ボール盤を使ってもビンディングのセンターが微妙にズレる事もありますので普通のドリルでかまいません。(これは後述の木ネジの特性も参照してください)


⑧穴の面取りをします


ビスを捻じ込むと穴の縁が盛り上がって、このままではビンディングが浮いてしまいますので、予め面取りカッター(大径ドリルでも代用可)で穴の周囲を沈めます。(必要ならここでタップを軽く立てますがメタルの無い場合は通常タッピングしないほうが良いと思います)

Men  Tap1
(面取りカッター㊧と、タップ作業㊨)

私の場合この次の段階で、総ての穴に一度ビスを3山ほど捻じ込んでから取り外し、この作業で盛り上がった穴の周囲をカッターで削り取っています。自分で取り付けをするメリットは、ここまで丁寧な作業ができるということです。(画像↓)

Bis  Men2


⑨トーピースを取り付けます

ドリル穴の中に木工ボンド(私はエポキシ系接着剤を使いますが、プロショップなどでは取り扱いの簡単な木工ボンドと同一素材の接着剤が一般的です)を少々流し込み、爪楊枝などで塗り広げておきます。

(TLTのトーピースでは樹脂製のベースにビスが初めから捻じ込まれていますが、これはデリバリー時のビスの紛失を避けるため非常にキツい穴になっています。
後でビスを締める時に障害となりますので、一度ビスを取り外しΦ5.5mmのドリルで穴を拡げておくことをお勧めします)


ドリルの穴にビンディングの位置を合わせ、5本のビスを必ずポジドライバー(PZ3)を使って軽く最後まで締め込みます。
後の縦センター合わせ作業がありますので、この段階ではまだ強い力では締め込まず9割程度の力加減止めておいてください。
また、アマチュアはパワーツールを使わず、必ずドライバーで手締めをしてください。

Tpst_2 


⑩ブーツの縦センターを合わせます

まず、ブーツのヒールの中心にダーマトグラフ等でマークを付けておきます。

Hmark
(白いのがダーマトグラフのマーク、金具の黒い線はビスの緩み識別用に付けた線)

次に使用するTLT専用のランドーネブーツをトーピースのピンにセットします。
この状態でスキーのセンターラインと、ブーツヒールのセンターマークが合っているか確認しましょう。
正確に合っていればこのままビスを均等に増し締めをすれば作業完了ですが・・・、実際には3回中に2回以上はセンターが僅かに左右にずれてしまう筈です。

Hline
(ブーツがやや右にずれているが、この程度だったら許容範囲かギリギリのところ?)

センターがずれたままだと正常にヒールピースが解放してくれなかったり、極端な場合はステップインにも支障が出るかもしれません。

しかし、これはメーカー純正のメタルゲージを使用し、ビス穴が正確に明いていても、紙ゲージを使ったのとほぼ同様の確率で、必ずおきる現象なのです。
理由は、木ネジ特有の大きなピッチ角に起因するもので、真っ直ぐ入っていくように見えるビスも実は擂動運動といって、頭を振りながら入っていくからなのですが・・・、小難しい理論は省略します。(正垂直にタップを立てればかなり補正できるはずですが、完全には無くせないでしょう・・・)


さて、センターがずれていたら、⑨で締めこんだビスを前端の1本以外、締め込み切った状態から半回転戻してください。

まずは、前端のビスをある程度強く締めておき、これを基準にして他の4本のビスを何回かトライして合わせる方法を初めに試します。

さあ、ビスを1本ずつ順番に締めてみましょう。(順番というのは「ビスA」を締めたら、次は「ビスA」をまた半回転緩めて、今度は「ビスB」というように、5本中締まっているのは常に1本という事を意味します/面倒でもその都度ブーツを脱着しながらチェックすると完璧です)
そして、5本中一番ずれたビスから自分の頭の中で番号を付け、どちら側にずれたかも覚えておいてください。そして、一番ずれなかったビスから順番にずれた向きなどを考えながら強く締めこんで行けば、センターはかなりの確立でジャストになるはずです。

それでもずれるようなら、前端のビスも半回転緩め、全てのビスを順番に基準点にしてみたり、ネジを締める順番や、どのネジが左右どちらにずれたかを推理しながら、何回か締めたり緩めたりしてセンターを合わせなければなりませんので結構面倒ですが、落ち着いて作業すれば結果は出るはずです。

どうしてもセンターが出ないか、面倒な作業はこれ以上したくないようなら、ビスを全て半回転緩めた状態でブーツを取り付け、ロックレバーを上げてからブーツのヒールを無理矢理センターに合わせる側に強く圧しながら、前述の細径に加工したポジドライバービットで前3本のビスを締め付け、ブーツを外してから後ろ2本のビスを締めるといった力技などを使えば何とかなると思います。

以上は私の経験から申し上げる方法で、必ずしもベストな方法ではないかもしれませんが、専門店でもほぼ同様かそれ以下の方法しか行っていないはずです。
しかし、この一連の作業は Dynafit-TLT ビンディング取り付け作業の成否を決める工程ですから、慎重かつ根気良くセンターを合わせてください。

さて、上手くセンターが出たら、次はヒールピースの取り付けと調整です。

(以下、次回「最終回」に続く・・・)

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2008年11月 2日 (日)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

(あくまでも自己責任で!!)


(“DYNAFIT”ビンディングを自分で取り付けよう①、からの続きです)

《筆者の人格の低さと文章力の稚拙さから、表現が小難しかったり誇大表現で偉ぶったりしていますが、実際には文章で読むほど難しい作業ではありませんよ。》

④使用する道具を揃えましょう。

・電動ドリル
・ドリルビット(Φ3.5/4.0mmの2本でほぼ間に合いますが、パイロット穴用の2.5mmと板の指示によっては3.6/3.8/4.1mmもあると便利です/テーパーリーマを使えば穴の直径を微調整することも可能です)
・センターポンチ&ハンマー
・ドライバー/PZ3(必ずポジドライバーを使用しましょう)

Ddrill
(ストッパー付きドリル、面取りカッター、PZ3ドライバー)

・接着剤(木工ボンド、又はエポキシ系接着剤)
・メンディングテープ、筆記用具、油性マーカー、定規、etc  (スコッチの幅広メンディングテープは筆記用具が使えて便利ですが、この記事では画像でテープが見えやすいようにマスキングテープを使用しています)

Stape

・面取りカッター(大径ドリルでも代用可)
・スキービス用タップ(メタルスキー用にあると便利・アメリカ製のビスにはVoileのテレマーク用などにピッチの異なるビスがあるので要注意です!)

Dtap
(スキービスピッチのタップと段付きドリル)


【有ると便利な自作スペシャルツール】

・ドリル・ストッパー
画像↓の㊤はネジ止で任意長に調節できる自作のドリル・ストッパー、㊦はパイロットドリルの真鍮パイプ製の簡易ストッパー。(最初の画像の右側にあるような赤い市販のプラスチック製のものは力を掛けるとズレる恐れがある)

Dst1

・スペシャル・ポジビット
TLTのトーピース前端のビスはレバーの穴にドライバーを挿入して奥のビスを締めますが(画像↓㊨)、通常のPZ3のシャフト規格はΦ8mmなので穴の内径ギリギリでかなり締めにくいのです、そのため画像㊥の右側のポジビットを旋盤でΦ6.7mmに挽いた左側のようなTLT専用ビットを自作しました。これは大変便利でストレスを感じることなく前端のビスを締められます。市販品でしたら“エムズウイング”のビンディング用ポジビット(画像↓㊧の一番下)がシャフト先端径7mm/中央部5mmですから同様に使用できます。

Pz3   Dst3 Tpst


ドリルビットはスキー専用の段付きドリルがあれば1回で面取りまでできて便利なのですが、種類を揃えると非常に高価ですしメタルジグを使用しないアマチュアには不要です。
しかし、下手をするとドリルでスキーを貫通させてしまい、大泣きをする恐れもありますから必ずストッパー(金属パイプでも可)を取り付けておきましょう。
直径は3.5 、3.6 、3.8 、それと4.1mm(メタルのある場合)があれば理想ですが、普通はΦ3.5と4.0mmでほぼ間に合います。
(板によっては、“Φ3.8×8mm”などと、使用ドリルの直径と穴の深さが記載されているのでそれに従うのが確実ですが、大体は上記の2本で何とかなるはずです)

ショップではメタルジグと専用の段付きドリルを使って正確に穴あけをしますが、アマチュアの場合はΦ2.5mm位のドリルで先行穴をあけてから正規の直径のドリルで穴を広げるのも良い方法でしょう。
私はこのΦ2.5mmのパイロットドリルで穴を開けてみて、ウッドコアは硬いか?、フォームコアなのか?メタルは入っているのかいないのか?等を判断する事にしています。


また、私はメタルスキーやビンディング取り付け用プレートが内装された板の場合でもΦ4.1は使わずΦ3.5か3.6mmで穴を開け、タップで一周くらいネジ山を切っています。
メタル入りスキーに取り付ける場合、タップを持っていないならドリルはΦ4.1mmが必要といわれますが、わざわざ買わなくてもドリルセットに入っているΦ4.0mmでも大丈夫でしょう。


⑤位置決めの準備をします。

まず、スキーの縦中心にメンディングテープ(マスキングテープでもガムテープでも可)を余裕を持った長さで貼り、画像のようにアングル材の端材とノギスを使って前後でスキー幅の中心を出し、そこを結んでテープに縦のセンターラインを引いておきます。

Dcent1   Dcent2   Dcent3
(スキー幅を計り、アングルをソールとエッジに当て、ノギスで正確に1/2幅を割り出す)

次に、板に自分で決めたブーツセンターのマークも正確に印をつけておきましょう。(私はこのロッカータイプのスキーの場合、コアセンターの70mm後ろがメーカー推奨位置の約15mm後ろになりましたが、ここをブーツセンターとしました。)
通常のスキーでは迷わずメーカーのセンターマークを利用しましょう。

Dbc1   Dbc3  Dbc2
(スキー板のセンターラインにブーツセンター位置をマーキング)
  

⑥取り付ける位置決めをしましょう。

ブーツを板に載せブーツセンターを合わせます。画像のようにスコヤを使うと正確ですが三角定規でもかまいません。
次にDYNAFITビンディング用のピンの嵌るピボット穴の位置とヒール末端の位置を、同様にスコヤ等を使って正確にマークします。

ビンディングの底面を実物コピーして作った紙ゲージでは、5個の穴うち後ろ横2列の間隔の1/2の所がピボットのラインです。(2段下の画像㊧の紙ゲージを参照)

Dbc01  Dpin   

次にトーピース・ヒールピース用の紙ゲージをセンターラインおよび前後のマーク位置を合わせて貼り付けます。(画像↓㊧)

ゲージの位置を再確認したらセンターポンチをゲージのビス位置のマークに合わせて木槌で叩いてドリルを案内する凹みを付けましょう。(画像↓㊨) 

最後に、左右の板を比べて同じ位置にポンチが打たれているかを確認します。
(最近はコストの関係で、チュニジアなどという、およそスキーとは縁の無い国でスキーを生産しているメーカーもあり、板によってはセンターマークが左右で何ミリかずれてプリントされている粗悪品もあるので要注意です!)

Dpg1_2   Dpg2

私はここで自分のブーツ専用の自作プラスチックゲージを使いヒールピース用のビスも同時にマークしてしまいますが、付属の紙ゲージ又はビンディング本体を実物コピーして作った紙ゲージを使用する場合は、後に解説するDYNAFITビンディングのみに必要かつ重要なブーツの縦センター合わせと、ヒールピースのクリアランス合わせを考えると、まず始めにトーピースのみドリリングして取り付けてしまう方法を選択したほうが良いでしょう。

そのため付属の紙ゲージを使う場合でもヒールピースのポンチは軽く跡が付く位に弱めに打っておき、ビンディングの底面を実物コピーして作った物をゲージとして使う場合はこの段階では何もしないでおきます。

時間が許せば、この段階で前端のビスのみ穴あけ面取りをしてビス1本でトーピースを仮固定し、トーピースにブーツを装着して、ブーツヒールのセンターマーク(後述)とスキーのセンターラインを合わせてからトーピースが動かないように慎重にブーツを外し、それぞれのビス穴の中心にポンチマークが来ているか確認しておきましょう。
そして、大きな位置の違いがあったら修正ポンチマークを新たに打ち直しておけば、後の縦センター合わせの作業がずいぶんと楽になります。

(以下、続く・・・)

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2008年10月26日 (日)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆
(あくまでも自己責任で!!)


私はここ二十数年程、山スキーのビンディングは家族の分も含めて総て自分で取り付けています。

Dyna3
(最近お気に入りの“Dynafit-TLT”の取り付けは少々手強い)

しかし、最近は製造物責任の問題もあってか、メーカーも販売店も、オーナー自らがビンディングを取り付けるのを嫌う傾向があります。
そのせいか、以前はフリッチ・ディアミールジルブレッタディナフイットなどの山スキー用ビンディングには、紙製やステッカー状のテンプレート(簡易ゲージ)が必ず付属していたものですが、現在テンプレートの付属しているビンディングは販売絶対量が極めて少ないため、販売店が専用のメタルジグを持つメリットの無いMARKERのデューク位なものでしょう。(NAXOはまだ付いてるのかな?)
これも、ビンディングの取り付けを困難にして、オーナー自身による取り付けを減らそう、というメーカーの意図によるものです。

Dpg
(上からディアミール・Dynafitの自作ポリゲージ、下は以前のTLTに付属していていた紙ゲージ)

「ビンディングの取り付けは有資格の専門家以外できない」などと知ったかぶりのアドバイスをする無知な方もいるようですが、私は二十年以上自分で(メタルジグを使用せず)取り付けをしていて一度のトラブルも在りません。
だいたい、私は、2~3時間講習を受けただけで貰えるメーカー公認資格などという空証文を信じるほど素直な人間ではないのです。

北米などでは山スキーヤーやテレマーカーの三人に一人は自分で取り付けを行っている事を考えれば、この作業がアマチュアにも可能であることをご理解いただけると思います。
また、不安ならスキーに取り付ける前に、2×4材等で寸法出しを兼ねた予備実験をしておけばブッツケ本番の不安も解消するでしょう。

Dynabd
(私は付け替えも含め十数組のDynafit取り付けを経験しましたが失敗はゼロです!)

確かにズブの素人が取り付けるのは問題があるかとも思いますが、メーカーの講習会を受けて一応資格を持っている方でもずいぶんいい加減な奴もいますし、私などはかえって自分の自己責任で取り付けたほうが安心するのです。

現在は違うと思いますが、私が三十数年前に神○の某スキー用品店で取り付けのアルバイトをしていた経験では、ショップとはいえ当時は安心して取り付けを任せられるという感じではありませんでした。(敢えて詳細は記載はしませんが、私も反省しています!)

さて、今回は取り付けに独特のコツやノウハウを要するDYNAFITのTLTビンディングを例に、実際の取り付けを解説しようとと思います。(もちろん通常のビンディングの取り付けにも応用が可能です!)

さあ、始めましょう!


①取り付けゲージの用意

まず、簡易テンプレート(紙ゲージ)が有る場合はそれを用意して指定のようにカットし、注意深くセンターラインを記入してください。

Dpg1
(センターラインを記入した紙ゲージを貼ったところ)

無い場合は、ビンディングをコピー機の上に置き等倍のコピーを取り、ビス穴の中心に印を付け、同じくセンターラインを引いておいてください。


②取り付け位置の決定

次にスキーへの取り付け位置を決定しなければなりません。

通常はスキーのトップシートやサイドウォールにブーツセンターのマークがありますのでそれを目安にすればOKですが、フリースタイル用のツインチップスキー等には“Core Center(True Center)”のマークや“Freestyle/ FreeRide“または”Traditional(Standard)/Modern”などの2本のマーク、あるいはCoreCenterを基準にした目盛りなどがプリントされていたり紛らわしいものも多いのですが、山スキーでしたら“Traditional(standard)”のマークか、線が2~3本あったとしたら線のうち一番後ろ(テール)側をセンターにしておけば大きな誤りにはならないでしょう。

Dmark1
(K2のフリースタイル・スキーには目盛がプリントされていてわかり易い)

“Ccore (true)Center”のマークがある板の場合、飛んだり回ったり手摺を滑ったりする方はこのマークか、あるいはここから2~3cmセットバックした範囲にブーツセンターを合わせればいいのですが、通常の滑走やパウダー滑降の場合は、“Ccore (true)Center”から5cm~9cm位後ろにブーツセンターを持ってくるのが普通です。
ですから、通常は大体のスキーに上記の範囲の位置に通常滑降用のブーツセンターを表すマークが有るはずです。

ツインチップスキー等で、どうしても取り付け位置が前過ぎるように感じて不安なら次の方法でチェックしてみましょう。
2枚の板をソール合わせにしてトップとテールの接雪点をマークして、さらにその2分の1の所にセンターマークを付けておきます。(このマークがほぼコアセンターとなります)
そして、そのセンターマークの位置に自分の足の拇指球を置いた状態で足の全長の1/2に当たる所でスキーにマークをしてみてください。
通常はこの足の中心の位置から1~3センチ位テールよりに通常滑降時のブーツセンター位置がプリントされているはずですから、先ほど自分で付けた足の中心のマークより大幅に前で無い限りそのプリントされたマークのセンター位置を目安に取り付けて良いと思います。

最近のロッカータイプのソール形状(いわゆる海老反り?スキー)はホント悩みますが、そんな時はメーカー推奨位置に自分の滑り(飛んだり回ったりするかしないか?orパウダー主体かハードパック&ジブか?)を考慮して位置決めをするしかありません。

(テレマークの場合、滑る方の個性によってかなり取り付け位置の好みも前後しますが、埋め込みのインビスで移動可能な場合は、とりあえずこのアルペン用のブーツセンター付近で試してみて、「トップが突っ込むようなら少し後ろ・・・」といった感じで適正位置を見出す事も可能でしょう)

スキーの形状によってメーカーの指定するブーツセンターは前後しますので何とも言えないのですが、一般的に女性など小さな足の場合はコアセンター(板の物理的中心)とブーツセンターの距離は短く、逆に大きな足の場合は長くなるということも頭に入れて微調整するのも良いでしょう。
スキー操作の理想は、板のコアセンター(=中心)に拇指球で加重する事だ、と考えれば、足の大きさとコアセンターやブーツセンターの相関関係も理解できると思います。(実際のスキー操作では、拇指球より後ろの位置でスキーに加重することが多いので、ブーツセンターマークはやや後ろ目に付けられていますが・・・)


③板厚の確認

ブーツセンターが決まったら、、ビンディングを大体の位置に置いて見ます。
そして、ビスの入る部分のスキー板の厚さをノギスで測りましょう。(画像↓)

Datusa

次にビンディングのビス穴にビスを入れてみて、ビスの先端が何ミリとび出すか測り、先程調べたスキー板の厚さと比較してみましょう。(画像↓)

Ddeps

この差が少なくても3ミリ以上無い場合は、ドリリングもシビアになりますし、ビスを締めたときにスキーのソールを押し出して突起を作って作ってしまいますので、稀ですがビスが長すぎる場合は1~2ミリカットしなければならない場合も出てきます。

短いスキーのテール側、特にディアミールのテールピースなどは板が薄くなっている場所に取り付けなければならない場合が多いのでビスの長さには要注意です。(短い板の中にはディアミールのMサイズだと取り付け位置が後ろ過ぎ、ビスの長さ以前に強度的に取り付け困難な場合もあります)
また、最近のファットスキー等は、幅は広くてもその分板厚の薄いものもあるので、この作業に慎重を期しておかないと後で泣きが入るかもしれませんヨ。

(以下、続く)

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2008年6月 6日 (金)

斜め固定のスキーツアーパック

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


スキーツアーでは岩稜・急斜面あるいは林道やブッシュなど、色々な場面でシートラーゲンを余儀なくされることがあります。
私は今まで、ザックの両側にスキーを固定する(俗に言うクワガタ・スタイル↓)オーソドックスな方法を採っていました。

Skipack6  Skipack4

スキーツアー用のザックの両サイドには、スキー固定用のループやストラップが装備されているのですが、一部のザックには両側装着以外にスキーを2本まとめて斜めに固定できる物(中には垂直に固定するものも・・・)もあります。

私は、今までスキーの斜め着けにはあまり興味がなかったのですが、今シーズン日帰り用のザックの新調に当りこの方法も採れるザックを購入してみました。
当初は、オスプレーの“スイッチ36”というザックの購入を予定して山道具屋に行ったのですが・・・、ちょうどその日、LOWEの“Fall Line35”(画像↓)という初めて見るザックがバーゲンに出ていたのです。

Skipack2

購入予定だったオスプレーも非常に良い造りだったのですが、容量のほぼ同じこのLOWEのザックも、両サイド装着・斜め装着の構造とも結構しっかりとしていましたし、何より40%OFFというプライスカードの魅力に負けてしまい、こちらを購入することにしました。

 Skipack3  Skipack
(春スキーでは泥の上を滑ったり、こんな辛い林道歩きを強いられることも・・・)

さて、使ってみると・・・・これが、大正解でした。
ルートの途中で、シールを貼る程でもない中途半端な登りなどでは、この「スキーを束ねて→テールからループに通して→上部をストラップで固定」する方式は、単独でなければ協力してザックを背負ったまま1分で完了してしまいます。

シビアな条件を長時間担ぐ時は従来どうりのクワガタ・スタイルで、一時的なシートラーゲンや安定した林道歩きには簡単な斜め着けでと、使い分けのできるこのタイプのザックはかなりお勧めできます。

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2008年5月31日 (土)

スキー・シールのカット面処理

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


最近では山スキーヤーのほとんどがスキーのサイドカーブに合わせてシールをカットしていると思います。
トリミングツールやカッターで整形するのも手間の掛かる作業ですが・・・、作業を終えた段階で悩むのがシールの切断面をどうするのか?という問題です。

以前使ったマジックマウンテンの取り扱っているスイス製シールの説明書には、たしか「切断面をハンダ鏝などで焼いて・・・」などと書いてありましたし、“コールテックス”のシールには専用のエッジシーリング(目止め液)が付属し、説明書(画像↓)にも「この作業は重要です!」みたいな記載があります。
このようにヨーロッパ製のシールメーカーは概ね切断面の処理をサジェスチョンしているようです。

Pike1
(コールテックスのマニュアルと付属のシーリング剤)

対照的にアメリカ製の“アセンション”や“BD”のシールのマニュアルにはこのような記載は一切ありません。
おそらくアセンションなどは植毛してある基布にラバー様の素材(?)をシート状にコーティングして、その上にグルーを塗ってあるため、切りっ放しでも基布の繊維が解れる事が無いのだと思います。(そのためこれらのシールは重たくて嵩張るのでしょう)
私も“アセンション”や“BD”のシールでは切断面の処理を行っていませんが、それで特に問題が発生したことは今の所ありません。

それに対し、コールテックスやポモカやモンタナ等のヨーロッパ系のスキー・シールは植毛した綿の基布に直接グルーを塗ってある?物がほとんどで、切りっ放しだとそこから解れや抜け毛が起きやすくなると言う事なのでしょうか?。
私も、以前はこのタイプのシールをカットした時には大型のハンダ鏝で切断面を焼いていましたが、この作業は想像以上に面倒な作業なのです。

そこで、単独購入ができないコールテックスのエッジシーリング剤に替わる同等品は何かないかと探していた時、出会ったのが、手芸用の解れ止め剤“ピケ”だったのです。

Pike2
(大型の手芸用品店でないと在庫が無いかも・・・)

使用法は切断面にこれを少しづつ染み込ませながら塗り進めていくだけですから、特に説明の必要は無いでしょうが、使用した感じではコールテックスの“エッジシーリング”よりも浸透力があって結構いい感じです。
1個5~600円位だったと思いますが、そこそこ量がありますので少なくても3~4ペアのシールは余裕で加工できると思います。


Pike3

高価なスキー・シールをできるだけ長持ちさせたい人や、切り売りのロール・シールで自作する人、あるいは軽いヨーロッパ系のシールをハードに使う山スキーレーサー等は、一応これでカット面処理をしておけば安心でしょう。

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2008年5月22日 (木)

続・MSRライトニングの改造②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.3の製作】

前回の“ライトニング・改”もテストの結果が良好でしたので、今回はその結果を踏まえよりシンプルな構造で製作してみました。
新たに加わったコンセプトは、ランドーネブーツだけでなくソールのフラットな普通のスキー靴でも使用できる構造にするということです。

Shoe3 Shoe1
(こんなにシンプルな外観となりました)

 《これまでと変わった点は》

①ベースプレートを一調節機能の無いシンプルな構造にして、長さはシュー本体の滑り止めの付いたサイドメンバーの直前までとした。
素材はチタンの1.5mm.厚にしましたが、これはこれしか手持ちの材料が無かった関係で、本来は1.2mm厚にしたかったというのが本音です。

②トーベイルはMIZO製のワイヤー金具(要・加工)とした。
これは少々癖のあるパーツですが、ランドーネブーツでもつま先の細いアルパインブーツでもコバさえあればフィットさせることができます。

Shoetoe
(アルパインブーツやランドーネブーツなど、どんな爪先のRでも柔軟に対応できる)

また、このパーツを使用すると取り付け穴とつま先の位置関係がKAJITAXのベールより後方になってしまいますが、大勢に影響はなさそうなので今回はトー周りの設計は変更しませんでした。

③ストラップシステムは極限までシンプルにしようと試み、2本のストラップを踵の上でクロスさせ、サイドでバックル留める構造にしてみました。

Shoex1 Shoex2

または画像↓のようにストラップを踵のコバの上を回してから甲の上でバックル留めする方法にすると上記の方法よりもさらにしっかり固定できますが、脱着はちょっと面倒になります。

Shoek1 Shoek2

単純な方法ですが、この構造の場合ストラップの第一の役目はトーベイルに向かってブーツを前方に押し付けることですので、これでも結構がっちりと固定できます。

構造がシンプルなので画像を見ていただければ一目瞭然だと思います。
また重量はオリジナルの(07-08モデルよりも軽い)06-07モデルのビンディング単体で実測264gですが、今回の改造モデルでは材料の関係でメンズモデルでは271gと僅かに(7g!)重くなってしまいました。
しかし、ウィメンズモデルでは255gに仕上がりましたからこちらは大成功です。

Shoemw1 Shoemw2
(ウィメンズモデルではベースプレートの長さがやや短い)

さらに、1.2mm厚のチタンを使うか、強度は低下するかもしれませんが1mm厚のチタンを使えばオリジナルよりも格段に軽量化が可能だと思います。

バックル式の方が見栄えのカッコ良さでは勝っているのかもしれませんが、ストラップ式もシンプルイズベターではないでしょうか?
また、現在画像にある試作段階のアイゼンバンドからオリジナルのラバーストラップを流用する方式に改良中です。

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2008年5月15日 (木)

スキー靴のシェル出し(補足情報)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆


以前の記事でスキーブーツのシェル出しを自分で行う方法を①~③回に分けて紹介しました。
これは、自作のピンチクリアー(市販の深型Cクランプと削り出しパーツを組み合わせたもの)とヒートガン(ヒーティングガン)を使ってスキーブーツのシェルを変形させ、自分の足にフィットさせるという単純な作業なのですが、シェルを加熱する温度をいかに管理するかが最大の課題となります。
温度が低すぎると塑性変形域に達さず、またシェルを加熱しすぎると数万円のブーツが数分で粗大ゴミとなってしまう危険性もあるからです。

Alltool_1  Sd3
(シェル出しに使用する道具一式㊧と、自作のピンチクリアー㊨)

そこで、前回私は温度管理を正確に行い失敗の無いように、放射温度計を使ってブーツの表面温度を確認しながら作業をする方法を紹介したのですが、実は私はその時点で温度調節可能なヒートガンを所持していませんでした。

その後、工具の激安?通販店でかなりお買い得な温度調節式のヒートガンを見つけ、さらに期間限定大特価(5,000円弱!)で購入しましたので、これでシェル出しを行ってみたところ、さらに安全に作業ができましたので改めて紹介することにしました。

なお、以前の記事でヒートガンの代わりに「大型のヘアドライヤーでも可能かもしれない・・・」と書きましたが、その後1000Wのヘアドライヤーでテストしてみましたら、対象を80℃位までしか加熱できませんでした。
この温度では、事実上シェル出しには使用できそうもありません。

Sd1
(これまで使っていたヒートガン㊧、と値段相応の造りだが温度調節可能なヒートガン㊨)

まず、手近なダンボール板などにヒートガンの熱風を当て、放射温度計で表面温度を確認しながら温度調節のダイアルを調節し、約100℃で安定した状態になったらダイアルに油性ペンでマーク(画像↓)をつけます。
外気温により噴出する熱風の温度は変化しますから、だいたいの目安で良いと思います。
実際の作業に当たっては、このマークを中心に温度を90℃~110℃位の間で微調整してください。(実際のブーツ表面温度は、放射温度計で90~100℃の範囲で作業することをお勧めします)

Sd2

あとは、以前に紹介した方法で、強力マグネットを使い足がシェルに当たる箇所を正確にマーキングして、ピンポイントで最小限にシェルを塑性変形させれば良いのです。

Bootspress
(↑これは舟状骨部分を加工しているところ)

【今だから話しますが・・・私は、かつて某プロショップで、「足の骨格運動が云々・・・」などと、足の骨格模型を振りかざして整骨師のような小難しい薀蓄を語って客を煙に巻いて結構な金額を請求したあげく、見当違いのところを加工してしまい、再加工を要求するとあからさまに不機嫌な顔をして「アンタみたいなブス足には苦労するよ!」と宣わった、自称スペシャリストと関わって、嫌な思いをしたことがあります。
実は、これが自分でシェル出しをしようと決断したきっかけでもあったわけですが・・・。

特に舟状骨の突起などはピンポイントでシェル出しできれば、骨格の動きなど無視しても特に問題は生じませんし、小指の関節の突起にしたって足幅全体でなく小さなRで最小限の変形にとどめればブーツのセンターラインが大きく変わることも無いはずです。
ブーツの中で足が内転したとき舟状骨は下に、内踝は膝を前に出した時に斜め前に移動する、あるいは自分の足は膝を入れたときにどのように回転しようとするかなど、基本的な知識さえあれば、“当たり出し”程度のシェル加工は「素人には困難」と言うほどの特殊技術ではありません。
私は競技スキーヤーではなく、単なる中高年山スキーヤーですから、とりあえず足に当たって痛い所を無くすことを最優先すればそれでいいのです】


当然、放射温度計で加熱状態を確認しながらの作業となりますが、以前の400℃以上の熱風が吹き出されるヒートガンと違い、温度調節式のヒートガンで110℃位までしか表面温度の上がらない状態で作業すれば、“ネストール(専用の遠赤外線ヒーター)”を使わなくても、アマチュアでも、加熱し過ぎる心配も無く安心して作業することができます。(以前の記事では書き忘れましたが、ピンチクリアーのボールの部分は作業の前に十分暖めておく必要があります)

今回は第5中足骨の前端骨頭(簡単に言えば小指の付け根!)の当たる部分のシェルを少々出してみましたが、以前のように過熱に気を使うことも無く、スムーズに作業ができました。

Sd4
(シェル出しを行ったブーツ㊨、と未加工の同じ型のブーツ㊧、輪郭の違いに注目)

また、この温度調節式のヒートガンは、アダプターを自作すればインナー成型専用のヒートライザーと同じ機能を持ちますから、サーモインナーを自宅で簡単に焼くこともできそうです。試してみたらまたご報告したいと思います。

〈追記〉
高価な新品のブーツを自分でシェル出し加工するのは勇気が要るかもしれません。
もちろん、足の骨格に合わせシェル全体を再成型するような高度なブーツチューンは、素人の手に負えるような作業ではありません。

しかし、部分的な当たりを解消する程度のシェル出しは決して難しくはないですし、経験上ほとんどの場合これで問題は解決してしまいまうのです。
私は家族・知人の分を含めると、ここ数年でも10足以上(たぶん、数十箇所?)ブーツのシェル出しを行いましたが、1回もブーツをダメにしたことはありませんし、現在まで耐久性に問題が出たこともありません。
もし挑戦しようという方がいらっしゃいましたら助言は惜しみませんので、遠慮なくご質問ください。

なお、強力なネオジウムマグネットを使うシェルのマーキングについては、5年ほど前から実行している私のオリジナルアイデアだと自負しているのですが、以前にどちらかで紹介されていたのをご存知の方、あるいは「俺が元祖だ!」という方はご一報ください。謹んで訂正いたします。

また、ブーツを購入する時は、ショップに「必要なら後日でも無料でシェル出しをしてもらうのを条件としての購入である」とのを確約をとっておきましょう。
そして、、実際に使用してみて当たる所があるようなら、自分でマグネット法を使い、ブーツの当たる正確な位置をマーキングしてから、ブーツを購入したショップにシェル出しを頼めば、自分でシェル出しをしなくても、金も掛からずより正確な加工ができると思いますよ。

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2008年4月11日 (金)

大型のシール袋を作ろう

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


ファットスキーは深雪・悪雪には強いのですが、少々重いのが“玉に瑕”ですね。
しかし、フアットスキーをスキー登山で使う時のもう一つの大きなデメリットは、専用のスキーシールが重たくて嵩張るという事です。
しかもただ嵩張るだけだったらまだいいのですが、一番困るのが厳冬期のスキーツアーでシールを一旦剥がして収納しようとしてもバリバリに凍って硬くなってしまい、更に嵩張って付属の収納袋に収まらなくなってしまうのです。
グローブを脱いだ凍えた手で行なうこの一連の作業の最後になって、シールの収納に手こずるのはかなり苛々します。
特に私のVOLKL/GOTAMA用にカットした、アセンションの130ミリスキンは硬くなったら絶対に!付属の収納袋には収まりません。
メーカーには数種類に共通の物でなく、コストが掛かってもシールのサイズ別に大き目の収納袋を付けてもらいたいものですよね。

Sbag1
(㊨付属のものと㊧自作のシール袋では容積がかなり違う)

そこで私はしかたなく、ゆとりをもって収納できる大き目のシール袋を自作してみました。
上の画像ではあまり差が無いように見えますが、自作の物はマチがありますので容積にはかなり差があります。
シールの寸法に合わせて420デニールのナイロン布で本体を作り、通気を確保する為に底部をナイロンメッシュで仕立ててました。
できればコーティングの無い通気性の良いナイロン生地を使いたかったのですが、入手できなかったため通常のウレタンコートの420デニール生地を使用しメッシュで通気性を確保したのです。
また、最近のBDのシールに付属する収納袋は入り口の巾着部分がメッシュになっていてとても良い作りだとは思いますが、これだと収納する時に糊面保護のメッシュシートやシールの植毛面が引っ掛かって出し入れがスムーズでなかったので、今回の自作に当たっては底部をメッシュにしてみたのです。

Sbag2
(最近のBD付属の袋㊧と自作のもののメッシュ部分㊨)

実際に使用してみると、凍ったシールでも以前のように無理やり袋に入れようとイライラする事も無く、とても便利に使用できました。
同じ悩みをお持ちの方には是非お薦めしたいと思います。
(まあ、市販の適当な大きさのスタッフバッグを買った方が手っ取り早いかもしれませんが・・・ )

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2008年3月26日 (水)

“ポジドライバー”って?

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


(以前のwebサイトの記事を再校した内容です)

欧米製のスノーボードビンディングの一部と、テレマークを含めたスキーのビンディングの取り付けや調節にに多く使われているビスの殆どは、直径とピッチはISO規格のであっても頭の十字溝の部分はポジ(POZI)ドライブ規格のビスです。わが国ではこのネジの規格は一般的ではありませんが、英国車などには古くから使用されていましたので外車のオーナーにはご存知の方も多いと思います。

  Pozitlt Poziblax
(写真はポジドライブビスを使用したDYNAFITのビンディングとBLAXのハードビンディング)

スキービンディングに使用されているビスは一見普通のプラスネジに見えますが実際は殆んど全てが我が国では特殊の部類に入る“PZ3”というポジドライブ規格のネジです。

Poziph
(左がポジドライブの♯3/右はフィリップスの♯3、違いが判りますか?)

まあ、普通の場合プラスドライバー(フィリップス)の3番で回る事は回りますので気付かないのですが、この融通性が曲者でトルクの掛かる締め付けをするとビスの頭をナメて潰してしまい取り外しの際にどうしようもなくなってしまう事も少なくありません。これは普通のフィリップス規格のビスがポジ規格のドライバーでは使用不可(奥まで入らないので適合しないと直感的に判る)なのに、反対にポジ規格のビスは普通のプラスドライバーでも何とか使用できてしまうという中途半端な片務互換性があるためですが、適正な工具使用という観点からは完全なルール違反と言わざるを得ません。

スキー量販店などでもビンディングの取り付けにポジドライバー(PZ・No.3)でなく普通のプラスドライバー(PH・№3)を使っている所があり、しかも電動工具に普通のプラス(PH・№3)のビットを組み合わせて使っているような場合はネジの頭を潰してくれと言っているような物ですから、こんなショップにビンディングの取り付けなど依頼する事自体が間違いといってもいいでしょう。

スノーボードのビンディングについては通常のプラス(フィリップ規格)ネジが使われている場合が多いのですが、ポジ規格のビスも一部で使用されています。特に欧州メーカーのハードビンディングには取り付けネジ以外に本体の調節用にもポジネジが使用されています。写真は私のBLAX(HEAD)のハードビンディングですがF2のハードビンも同様に、取り付けネジを含め全てのビスがポジ規格に統一されています。皆さんも一度ご自分の道具を点検して、ポジドライブネジを使用しているようなら適正なドライバーの入手を考えてはかがでしょうか?と、言うわけでこのポジドライブについて解説しようと思います。

 

【ポジ規格のメリット】

チョット見ただけでは区別ができないと思いますが、通常のプラスネジでは頭の十字形の溝に外広がりのテーパーがついており、当然それを回すドライバーも十字形断面の先端から根元にかけてネジと同じテーパー形状をしています。これと比較してポジ規格のネジの十字溝は表面から底までテーパーは無く平行な溝に作られており、これを回すドライバーも十字形の4枚の凸部の厚みが均等となっています。この形状のメリットですが、通常のプラスネジにプラスドライバーを使用した場合、先端を挿入しやすくする為に付けられたテーパーが災いして、カムアウト現象というドライバーが溝から外れようとする力が生じ、結果としてネジの頭をナメてしまうのです(スキーのビンディング取り付けネジを普通のプラスドライバー№3で回すのは、ポジ規格のビスを普通のプラスドライバーで回す事になりますから、点接触となりさらにこの傾向は強まります!!)。ポジ規格ではテーパーが無く回す側も回される側も平行ですからカムアウト現象は起きず、結果としてネジの頭をナメる事無くより強いトルクで締め付けができるのです。

【ポジ規格ネジの判別法】

ネジの頭を上から見てドライバーの先端が嵌まる十字形の溝だけが観察できるのが一般的なプラス(フィリップス規格)ネジ。これと比較して十字形の溝の間に45度の角度で放射状のケガキ線が4本刻まれているのがポジ規格のビスです。(この他にポジドライブと同じ英国のEIS社がパテントを持つ“スパドライブ”規格のネジもありますが、こちらはビスの頭に対角に2本のケガキ線がある事で見分けができます。

Pozibis
(左・フィリップス/右・ポジドライブ、4本のケガキ線に注意)

【ポジドライバー】

ポジ規格のビスを回すのはもちろんポジドライバーです。写真のように先端の4つのV字型の溝があるのが普通のプラスドライバー。V字溝の中央に小さな尾根状の出っ張りが観察でき4つの凸部が先端から均一な厚みになっているのがポジドライバーです。また、ドライバーの柄に、普通のプラス(フィリップス)ドライバーには№2とか№3、と表記されている場合があるように、ポジドライバーにも“PZ2”とか“PZ3”と表記されている事もあります。



Pozity
(ポジドライバーの先端を2方向から見たところ)

また、以前はスナップオン等の非常に高価な輸入工具を買うか、シアーズ等の海外通販を利用する以外入手が困難だったこのポジドライバーも、最近では市中の工具専門店でも入手できるようになりましたので(残念ながら普通のホームセンターにはまず無いでしょう)、特にテレマーカー・山スキーヤーやハードビンディングのボーダーなどポジドライブビスを使用の道具を御使用の方はポジドライバーの3番を1本持っていても絶対に損は無いはずです。

Pozi3
(ポジドライブの♯1・♯2・♯3、DYNAFITビンディングシステムのメンテには♯2・♯3が必要)

またこのポジドライバーの小型のビットは、BD社のツールセットなどには含まれていても、ホームセンターなどでは市販されていないようです。
そこで、私はパワーツール用のポジドライブ・ビットを短く切って他のドライバービットと同じ6.35ミリのハンドルに差し替えて使えるようにしてツアーに携行していますが、これはかなり便利です。

Poziset
(私のツアー用工具セット)

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2008年3月19日 (水)

ディアミールのヒールレバーに安全対策を!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

山スキー用のビンディングで最高のシェアを誇っているのは、依然としてフリッチの“ディアミール”のようです。
長いこと基本設計を変えず、マイナーチェンジの繰り返しで些か飽き飽きした感もありますが、使い勝手や開放機能の安定性、ランドーネブーツとアルペンスキーブーツの両方に使用できる融通性など、依然定番として売れ続けているのは、やはり総合的に優れた機械ということなのでしょう。
正しい例えかは判りませんが、これと言った特徴は無いのに圧倒的な信頼性を持っているHONDAのスーパーカブのエンジンのようなモノでしょうかね?

私は、最近の山スキーでは軽量なDYNAFITのTLTビンディングをメインに使用するようになりディアミールの出番は少なくなりましたが、ゲレンデや短いツアーなどでは今でもこの使い勝手の良いこのビンディングを多用しています。

さて、この定評ある“ディアミール”ですが、構造がシンプルなのは好ましいとはいえ、シンプルゆえの欠点も無いわけではありません。
私が考えるディアミールの一番の欠点は、歩行モードと滑降モードを切り替える為のレバーにロック機構が無いため、悪雪の滑降や不整雪面でスキーが暴れた時など、突然ヒールの固定が外れ歩行モードになってしまうことが稀にあるという事です。(一度はリフトの上で雪を落とそうと足をバタバタさせただけで何故か踵が開放されてしまいました!)

Dia1

幸いにして私はこの状態で転倒してもビンディングの破損に至った事はありませんが、私の知人はこれが原因でで新品のディアミールのヒンジ部分に致命的なダメージを与えてしまったそうです。
しかも代理店の某“T貿易”では、このヒールフリー状態での破損を新品でも保障対象から外しているとの事です。

そこで、私は以前からゲレンデでの滑降やツアーでの長い滑降の時は、念のため自作のストッパーを使用してヒールのレバーを固定することにしています。

Dia2

方法は画像(↑)を見ていただければ一目瞭然だと思います。
レバーが固定されれば何でも良いのですが、私は“リリースタイ”という配線などを束ねたりする樹脂のパーツとビニールチューブを組み合わせた物を使用しています。
ビニールチューブはやや細めな物をシリコン潤滑剤を使ってリリースタイに無理やり押し込みました。(画像・下右)

Diart1 Diart2
(当然ですが、一度締めてしまうと取り外せなくなるタイプでなく、着け外しが自由なタイプを買いましょう!)

レバーを固定しない時はこの“リリースタイ”をどこか適当な所に留めて置けば(画像↓)紛失する事もありません。

Dia3 Dia4

簡単ですから、ディアミールを使用している方には万が一を考えても是非お勧めしたいと思います。

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2008年3月11日 (火)

ロータリーブラシを買いました

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

山スキー屋の中には意外とスキーのメンテナンスやチューニングには無頓着な方が多いのですが、私は「滑るスキーに乗っていれば下手くそな自分でも少しは上手に滑れるだろう!?」と思って結構手まめにワックス掛けをしています。
しかしワックスを掛けるのはよいとして、山行の前にはしっかりスクレーピングしてブラシを掛け、ストラクチャーに残ったワックスを取り除いておかないと、ワックスの効果が発揮できないばかりか、シールの糊にも悪影響を与えてしまう恐れもありますから、丁寧に作業をするとなると結構手間隙のかかる作業です。

しかも、我が家ではカミさんのスキーから、ものぐさな2人の子供(とっくに成人してますが・・・)のスキーやボードまで、私がメンテナンスをすると言う暗黙の役割分担がいつの間にか出来上がってしまっているので冬場は結構大忙しです。

Bla3

そんなスキー・メンテナンスの負担を少しでも軽くする為、昨シーズン半ば突然ロータリーブラシを買おうと思い立ちました。
結構高価な買い物となりましたが、早速ハンドルとセットでナイロンの硬いブラシ〈仕上げ用〉と馬毛・ブラスのミックス〈下地用〉をセットで購入しました。(画像↑)

Bla2

使い心地は、と言うと・・・・「最高!!」と言いたくなるほど楽ですね。
スクレーパー・シャープナーでエッジを鋭角に研いだプラスチック・スクレーパーで滑走面の余分なワックスを削り取ってから、このロータリーブラシを使えば残ったワックスを取り除くのと同時に仕上げの磨きまで一気にできてしまいます。
画像はバッテリー式のドリルをハンドルに着けて使っているところですが、これでも十分使えるのですが、何セットも同時にメンテナンスする時には、延長コードを使ってAC電源で普通のドリルを使った方がパワフルで能率的に作業ができます。

Bla1

しかも、これで滑走面を仕上げたスキーは、私如きの低レベルのスキーヤーでもはっきり体感できるほど良く滑るのです。これには驚きました!

アマチュアでも、何セットもスキーやボードをメンテナンスしなければならない方は(長い目で見れば・・・)買って損は無いと思います。

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2008年3月 4日 (火)

絶対お奨め!“ブーツドライヤー”

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

これは数年前に私のホームページでもご紹介したものなのですが、私もかれこれ十年ほどの間にいくつか製作して大変重宝していますので、あらためてご紹介したいと思います。

Dry1

最近のランドーネブーツ(スキー兼用靴)のサーモインナーは足にもフィットするし保温性もあるので、すでに定番となっていますが、唯一の弱点はやや乾きにくいと言うことではないでしょうか。
しかも無理に乾燥させようとストーブの上に吊るしたりすると、下手をすると焼きが戻って再成型しなければならなくなる恐れだって無い訳ではありません。

そこで私は、熱風でなく常温の風をインナーの中に循環させてインナーを乾燥させるタイプのブーツドライヤーを自作して使っています。
温風でなく室温の風ですから、当初はその効果に過度に期待しないで製作したのですが・・・実際に使ってみると予想をはるかに上回る効果があり、以後山行の後には必ず使用するようになりました。
熱を加えませんので、一晩送風したまま放置したとしてもインナーブーツに悪影響を与える恐れが全く無いのも大きな長所です。

パーツはご覧の通りで、秋葉原のジャンク屋で100円くらいで売っている小型の軸流ファン2個とあり合せのホースをタイラップで繋ぎ合わせただけで完成です。
あとは誰の家にでもある使わなくなったACアダプターがあれば、即作動します。

Dry2

私の場合は定格DC24Vのファンを12ボルトのACアダプターで駆動させるという形式にしました。
これは12Vのファンを定格の電圧で作動させると風量は多くて良いのですが、かなり音が煩いので、敢えて定格以下の 電圧で駆動することにしたしたのです。
私の場合、たまたまジャンク屋でただ同然で売っていたのが24ボルト用だったので数個まとめ買いをしただけの話で、12Vのファンを6ボルトで動かしたり、5Vのファンを直列でつないだりと、条件に合わせていろいろな工夫ができると思います。

Dry3

また画像には写っていませんが、シガーライタープラグを使用すると車内でも使用ができますが、この場合はやはり24Vのファンを探して使用したほうが良いでしょうね。
車内の後部座席でもヒーターとエアコンを効かせれば3時間くらいでかなり乾燥させることができます。
また、当たり前の話ですが湿ったグローブなども暖房の効いた部屋ならあっという間に乾かすことができますので、小さな子供をスキー場に連れて行くときにも重宝しますよ。

何かの機会に安い軸流ファンのジャンクを見つけたら、是非この簡単な工作にチャレンジすることをお奨めします。

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2008年2月26日 (火)

ツインチップ用にシールを小改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


最近は山スキーヤーでも深雪や悪雪に強いファットスキーを履く方が増えています。
しかし、ファットスキーの多くはツインチップといってトップ・テールともラウンドシェイプで大きくベンドしたスキーがほとんどです。
滑るだけならそれで良いのですが、シールを使うとなるとその選択は簡単ではありません。
エンドフリー(貼り流し)ならば問題無く使えますが、1月2月などに何度もシールの脱着を強いられる山行ではテールから剥離してしまい大泣きすることも珍しくないのです。

かと言って、BDやG3のクライミングスキンでは定番となっている、金具をテールに引っ掛けウレタンのバンドでテンションをかける方式はツインチップでも一応は取り付けられるのですが、ブッシュに引っ掛けたり後続者のスキーと交差したときには簡単に外れてしまいます。
BD
のクリップフィックス(画像↓)は上記の方式よりはずいぶん良いのですが、やはり完璧とはいきません。

Siclip1 Siclip2


そこで、ツインチップスキーにBDやG3のシールを使用したいときには、どうしても他社製のパーツと組み合わせて使用する方法を採らねばならないのです。

私の場合“マジックマウンテン”が取り扱っている金具を使用して改造しています。テール側を“スタンダードバックル”トップ側を“ワイド・ラバーストレッチャー”という名称で市販されている金具に交換しました。

Sitail Sinorub
(左、テール  右、トップ)


しかし、多くのツインチップスキーの場合トップが尖っておらず緩い半円形状をしていますので、通常のラバーストレッチャーでは一番幅広のタイプを選んでも引掛かりが浅く、使用中にズレて外れそうで心配でした。
そこで今シーズンは、ラウンド形状にもフィットするといわれる“3Dストレッチャー”(画像↓)と呼ばれるパーツに交換して使用してみたのですが・・・。

Si3d Si3dhu Si3drub


なんと、何故か以前のノーマルストレッチャーより横にズレ外れ易いのです。

Si3dzure


結局現在はノーマルに戻して、ダイニーマの細引きで縛って絶対に外れないようにして使用しています。(画像↓・もう少し見栄えの良い構造を思案中)

Sinohimo


シールを買った上、さらに数千円の出費は痛いですが、「ツアー中にシールが剥がれて泣きを見る事を思えば安いもんだと・・・」と自らを納得させています。

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2008年2月19日 (火)

“スキートレーサー”を作ろう!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


St3 St5
(スキートレーサー装着例、もちろん2個で一組)

最近では山スキー用のビンディングでもスキーストッパー(ブレーキ)が一般的になっているようです。
確かに手袋で不自由な手でリーシュコードのバックルを操作する煩わしさも無く、ツアーの途中でもゲレンデスキーのように簡単にスキーを脱着できることは大きなメリットでしょう。

しかし、私はDYNAFIT-TLT ビンディングを使用する山スキーツアーの時はスキーストッパーを取り外し、リーシュコード(流れ止めの紐)を使用しています。
これは軽量化という理由以外に絶対にスキーを流したくないという、過去の複数の苦い経験からくるトラウマみたいなモノがあるのだと思います・・・。

恥しい話ですが、私は数年前スキー場のゲレンデでも危うくスキーを紛失しかけた事があります。しかも水上近辺のリフトが2本しかない小さなスキー場でです。
下手くそなのに深雪に突っ込んでいったまではいいのですが、あえなく転倒しスキーを流してしまいました。
私のスキーはストッパーが付いていたのにも拘らず、かれこれ30分もの時間を要するほど見当違いの場所まで暴走して埋没していたのです。

また、欧米のガイドツアーでもスキーにリーシュコード装着を条件にしている事が多いのは、一人でもスキーを流してしまいその発見に時間を浪費すると、パーティー全員を危険に導きかねないという理由からでしょう。
ただし、リーシュコードも良い所ばかりではなく、スキーと身体が短い紐で繋がっているわけですから、大転倒の時に自分のスキーが飛んできて大怪我と言う危険性も無いわけではないのです。
そして、これが一番重要なのですが・・・、万が一雪崩に巻き込まれた場合、リーシュで足とスキーが繋がったままだと生存確率が大幅に低下してしまうそうです。
したがって、雪崩れそうな斜面を滑る時は(・・・と、思って滑るの勇気のある人も少ないでしょうが・・・)リーシュは外さなくてはならないのです。

そこで、もしスキーを流してしまっても、短時間で発見できるように“スキートレーサー”という道具が市販されているのですが、構造も簡単なので自作してみる事にしました。

St2

素材はナイロンかポリエステルのリボン3メートル程と420デニールのナイロン布少々、それとナイロンテープとバックル、後はコードロックと細引きなどです。

構造は画像をご覧になれば一目瞭然でしょう。
小さな袋に折畳んで収納してあるリボンの末端の細引きをスキーに取り付け、転倒してビンディングが開放し、一定以上の力が細引きにかかると(画像↓参照)リボンを引き出しながらスキーが流れていようになっています。

St1 St4
(細いショックコードで巾着状に絞った袋の口の部分に強い力がかかるまでは、エンドボールの抵抗で不用意にてリボンが引き出される事の無い構造とした)

たとえスキーを流してしまっても、赤色の軽いリボンが一部でも雪面に浮いているはずですから、それを目印にスキーを掘り出せばいいのです。

自宅にミシンがあれば、手芸屋さんで手に入る安価な材料で簡単に縫えますので皆さんも自作してみたらいかがでしょうか?
吹雪の中で泣きながらスキーを探すより、かなりお得だと思いますよ。

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2008年2月12日 (火)

新・自作スプリットシール ②(パーツ編)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


①からの続きです。

シールのトップ金具は1号機と同じ形式にしましたが、ステンレスの価格が高騰したのでしょうか、ホームセンターでは 0.5厚の200×300mmが1000円以上してびっくりしました。
また今回購入したのステンレス板は加工硬化が強かったのか結構硬く、板金用のカッターでなく普通の金切鋏を使用する場合は苦労しそうです。
硬い素材を使用する場合は、焼け色を落とす手間は掛かりますがバーナーで焼き戻したほうが後の作業が楽になると思います。
まず30×100mmの矩形にカットしてから画像のような形に加工するのですが、1ペアのシールで4個作らなければなりません。いちいちでは面倒なのでまとめて作ってみましたが結構根気の要る仕事です。

Sp8p
(上段の金具を中央で折り返した状態が下段)

次にシールのカットですが、これは絶対には失敗が許されない作業です。
私はシールメンテナンス用に持っている20センチ×1.8メーターのコンパネにシールを固定し、さらに長尺の金定規をシールのセンターに当てた状態で虫ピンを数箇所シールを貫通するように固定し、金定規がずれないようにして大型のオルファカッターで切断しました。(これだけやってもG3の糊面保護フィルムはすごく滑りますので、最後のところで気を抜いたら少し曲がってしまいました!)

また、今回は既製のチップループを使用せず、Φ4ミリの小径ステンレスパイプが何とか入手できたので、これとΦ2ミリのステンレスワイヤーとスプリング(G3のチップループから取り外したもの)を組み合わせてみました。

Spset Spend
(左・ランナーによる周長がアジャスト、右・末端は短いスリーブで圧着した)

BDのチップループXLのアルミチューブの長さが110mmで、これだと小さすぎたので今回は115ミリと125ミリの2種類を細部の異なった別々の形式で試作しました。
また、今後どんな幅広のスキーにも対応できるように(・・・まだ買う気か!と突っ込まれそうですが・・・)チップループはアジャスト式にしてみました。

Sptip2t
(チップループは2組作りました・画像はまだ仮組みの状態です)

もう少し気の利いたアジャスターを工夫すれば良いのでしょうが、今回はプロトタイプという事でナイロンコードを使い、細径ロープ用のランナーを使う方式とステンレスの楕円環(チェーンの駒)を使って調節可能な機能を持たせました。
まあ、そんなに頻繁に調節することも無いでしょうから直接結んでしまっても良いのかもしれません。

Spfin Sptipoth
(左・直接結ぶ、右・楕円輪で固定する方法)

後はパーツを組み合わせてカシメを打てば出来上がりです。
このスキーの場合、チップループのパイプの長さが115mmでは小さすぎたので、結局125mmのモノを使用する事になりました。

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2008年2月 8日 (金)

新・自作プリットシール ①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


「今シーズンは、板と名の付くものはたとえ俎板であっても絶対に買わない!」と誓っていた私ですが・・・、昨年の暮れ忘年会でしこたま飲んで帰宅し、WEBを開いていたところ、酒の勢いで判断力が麻痺したのか“とんでもないスキー(?)”を注文してしまったのです。
翌朝「受注ありがとうメール」を見て、ワンクリックが招いた結果の恐ろしさにビビリましたが・・・まぁ、ビンディングはあるし、シールはスプリットを自作したので新たに購入しなくても良いし・・・などと高を括っていたのですが・・・。

Sphb
(かなり大人気無い柄なのでモザイク処理!笑)

しかし、実際にスキーが届くと、さあ大変!!。
自作のスプリットシール1号機に使用したBDのLサイズのチップループではトップに引っ掛からないのです。
そこで、「ほっほっほっ、こんな事もあろうとこれを買っといたのだ!」とBDのXLサイズのチップループを持ち出してきたのですが・・・  わ~!、それでもまだ小さすぎるのです。
この板のトップ は兄貴分のPONTOONよりRが大きいようです。
しかも、自作のスプリットシール1号機は1本の幅を35mmにカットしたのですが、このヘンチクリンな板に対しては非常に狭すぎる印象なのです。・・・さあ~、困った!。

Spltip
(このとおり、Lサイズのチップループではまったくく引っ掛からない)

そんな折、山道具屋に行ったら旧品のG3のテールレススキン80ミリ幅が、新春大特価で出ているではありませんか!。
G3のテールレススキンといえば、私の知人が不注意で前後逆にカットしてしまい大泣きをしたといういわく付きの品でしたし、私もどちらかと言うとBDのほうが使い勝手の面では僅かに上かな、とも思ってはいましたが・・・安かったので結局買っちゃいました。

そして早速2号機製作です。
シールの幅は40ミリとなりましたが、工作自体は1号機と同じなので、画像をご覧いただければ大体ご理解いただけると思います。
しかし、パーツ等は少々変更しましたので詳細は“新・自作スプリットシール②(パーツ編)”として次回に公開したいと思います。

Spxxltip Spfin_2
(これでこのスキーでもシールが使えるようになった・画像は仮組状態のもの

これで準備は整いましたが、残る最大の問題は・・・今シーズンこのスキーをルーフボックスから嬉々として取り出すシチュエーションに巡り合うか?という事だけです。

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2008年2月 4日 (月)

超便利!新型スキーシール・トリムツールを作る②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


前回からの続きです。

Cut4_2
(これを使用します)

スプリットシールを使用すれば、私たち山スキーヤーは面倒なシールのトリミングから開放されるかというと、現実はそう甘くは無いようです。
スプリットシールは構造的にどうしてもエンドフリーとなってしまうため、厳冬期に一日に何度もシールの脱着を繰り返す事が予想されるようなツアーでは一抹も二抹も不安が残ります。(現在スプリットシールのエンドフィックス化を検討中・・・)
やはり、カットの手間が掛かるとはいえ、前後で固定できる従来型のシールもその存在意義を失ったわけではありませんから、私たちは今後もシールをトリミングし続けるのでしょうね。

さて、今回は自作の新型“スキーシール・トリムツール”がどのように働くのかを画像でご紹介します。

まず、通常のトリムツールやカッターでトリミングした場合を見てみます。
当然のように下の画像のようにエッジの際いっぱいにしかカットできません。

Cuto1 Cuto2
(画像左・旧型の自作トリムツールでカットするのを横から見たところ、画像右・当然エッジは隠れている)


では、新型のトリムツールを使ってみましょう。


①先ず、正確にセンターを合わせシールをスキーに貼ります

Cutn2

②シールの糊面とスキーの滑走面の間にトリムツールのセパレーターを挟みこみます

Cutn3

③トリムツールの下部のガイドをエッジに当て、エッジに沿って動かしします

Cutn4

④あ~ら不思議!?エッジより内側でカットできました

Cutn5

これだと何度も貼ったり剥がしたりせず、“両サイドあわせて10分でトリミング終了!”です。

改良するとしたら、ステンレス製のセパレーターをグルーがべたつかないようなテフロン板にしたり、エッジと擦れる下側のアルミのアングル表面にステンレス薄板を張ったりすれば耐久性が上がるのでしょう。
昨秋に1セットのシールのトリミングに使用して以来、使用実績がないので耐久性等については何ともいえないのですが、アマチュア用としてはこのままでも十分実用になりそうな感じです。

かな~り便利ですので、クラブチームの共同備品として、あるいは毎年スキーとシールを買い換えるような物欲浪費人間(・・・誰のこっちゃ?)は一個作っておくと重宝しますよ。

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2008年2月 2日 (土)

超便利!新型スキーシール・トリムツールを作る①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

Cut0
(新型トリムツールの外観)


最近のスキー、特にカービング系の板で効率的にシール登高をするためにはスキーのサイドカーブに合わせてシールをカットしなければなりません。
この作業はかなり面倒ですし、屋内で行うと細かい毛が飛び散って奥さんから大顰蹙を買うことになります。
どのくらい面倒かは、参考として正しい手順を書いておきますので、まだやった事が無い方は想像してみてください。

【シールカットの手順】(エッジを2ミリ出す場合)
①カットするシールをスキーのセンターに正しく貼る
②右側をカッターかトリムツールでエッジのサイドカーブにに沿ってカットする
③切断面の遊び毛を掃除機で吸い取ってから一度シールを剥がす
④カットした側を2ミリ、エッジが見える程度内側に貼り直す
⑤反対の左側をカッターかトリムツールでエッジのサイドカーブにに沿ってカットする
⑥切断面の遊び毛を掃除機で吸い取ってから一度シールを剥がす
⑦今度は左側のカットラインを左エッジより4ミリ内側になるように貼り直す
⑧右側にはみ出した2ミリのシールをエッジのサイドカーブにに沿ってカットする
⑨切断面の遊び毛を掃除機で吸い取ってからシールを剥がす 
⑩もう一度貼って正しくカットされているかチェックする →完成!

㊟エッジを出さずにスキー幅一杯でカットしても良いのですが、シールが伸縮したり若干曲がって貼れてシールがエッジよりはみ出ると、剥がれの原因になるので最低片側1ミリはスキー幅よりも狭くカットすることを勧めます。

㊟上記③の後、カットした右側を4ミリ内側に貼りなおしてから左側をエッジに沿ってカットしても一応両側に2ミリずつエッジは出ますが、この方法だとセンターがズレるのであまりお勧めしません。

手順に慣れてしまえば簡単な作業ですが、かなり時間と手間の掛かる作業であることにはかわりありません。
シールのカットにはBDやG3のクライミングスキンに付属のシール(スキン)トリマーを使うのが簡単ですが、スキーを縦に固定可能なバイスがあれば大型のオルファ・カッターをエッジに沿わせて一気に切ってしまったほうが手っ取り早いかもしれません。

Cut1
(普通のカッターと専用トリミングツール)

また、トリマーの付属していないシールやロール売りのシールを買った場合には、オルファ・カッターを使うか数百円払ってシールトリマーを買うしかありませんが、既製品のトリマーも今ひとつ使い勝手がよくありません。
そこで私は数年前から下の画像のような自作のトリマーを作って便利に使用していたのですが、たとえこれを使ったとしても、上記のような手間の掛かる作業の工程から開放される訳ではありませんでした。

Cut2 Cut2b
(自作トリムツール1号機)

そこで、一発で任意の長さだけエッジの内側でシールをカットできるデバイスを作ろうとして、完成したのがこの、新型“スキーシール・トリムツール”なのです。
これだと、一度シールをスキーに貼れば、剥がしたり張りなおしたりすること無く、一発でエッジより任意長内側までの幅でシールをカットすることができます。

Cut4 Cut0_2
(新型トリムツールは完成するとこんな感じになります)

構造は画像をご覧になれば分かると思いますが、2個のアルミ製Lアングルの間に0.5ミリ厚のステンレス板をセパレーターとして挟み、オルファ・カッターのアートナイフの替刃を取り付けただけのシンプルな構造です。
エッジガイドになるアングルには長円穴を開け0~5ミリまで任意の間隔で刃の位置を変えられるようにしました。
私は2ミリにしていますが、通常は1~3ミリの範囲とするのが妥当でしょう。

Cut3 Cut Cut5
(左画像はパーツ構成、中・右はカッター部分)

また、1号機では裏表を逆にして使用することで左右のサイドを毛並みに沿って順方向にカットできるようになっていました。
しかし、新型では構造上それができませんので、両方向に刃の向きを変えられる構造にして対応してあります。(↑画像、中央)

続く・・・(私の稚拙な文章表現では理解が難しいかもしれませんので、次回はデモ画像を掲載する予定です)

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2008年1月31日 (木)

ファン付きゴーグルをプチ改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

私は眼鏡を使用しているので、登山やスキーでも不自由を感じる場面が多いのですが、特に山スキーで吹雪かれゴーグルを併用する時など、眼鏡の曇りには閉口させられます。

そんな悩みを解消する為に数年前からSWANS(山本工学)の“DREAD-TBR”というファン付きのゴーグルを使っているのですが、これが結構なスグレモノで極端に条件が悪かったり、転倒して頭から新雪に突っ込んだりしない限りは、常にそこそこクリアな視界を維持してくれます。
眼鏡使用者でゴーグルの曇りに悩まされている方は、騙されたと思って使ってみてください。必ずお気に入りの道具となることを保障します。
また、小さな単四電池を電源としていますが、予想外に電池の寿命は長く、数日の行動にも十分対応可能です。

Fan
(条件により赤系とグレー系のレンズカラーを用意しておけば万全!)

さて、今では私にとって手放せない道具となっているこのファン付きゴーグルですが、唯一の弱点は電池ケースの蓋の部分が簡単にはめ込むだけの構造となっているため、転倒した場合などには蓋が開いてしまって電池が飛び出してしまうという事でした。

Fan1_2 Fan2_2 
(中央上部の電動ファンをストラップ部の単四電池で駆動する構造)

そこで私は、細いベルクロテープを使用して電池ケースの蓋を固定するようにしたのです。(↓画像)
こうしてからは一度もこのトラブルは無くなりました。

Fan3

私もそうだったように「なにもゴーグルにまで電池を使わなくても・・・」とお思いの方も多いと思いますし、まだまだマイナーなファン付きのゴーグルですが、眼鏡使用者でなくても予想以上に効果的な道具ですので自信を持ってお薦めします!

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2008年1月25日 (金)

今度は“BDとLIFELINKの”合体だ!

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


山スキーや山ボードに、ピッケルを持っていくかどうかで山行の度に頭を悩ませるのは私だけではないはずです。
私も迷った時にはピッケルを持参するように心がけてはいますが、持って行っても結局使わないことも多く、また持って来なかった時に限ってしょっぱい場面に遭遇する事があるような気がします。(まさにマーフィーの法則といった感じですね・・・)

しかし、そんな時にセルフアレストポールがあれば、このような悩みは半ば解決したも同然でしょう。
現在セルフアレストポールは、BDの“ウィペット”LIFELINKの“クロー”そしてグリベルの“コンドル”と3つの選択肢がありますが、敢えて私はこのBDとLIFELINKの2種類のスキーポールを合体させることを試みました。

Imgp1564

(↑合体が完成した状態)

さて・・・・、話せば長いのですが、20数年以上昔、私が山スキーに熱中していた頃、“LAMER”というアメリカのガレージメーカー(失礼!)が非常にユニークな山スキー用品をいくつも開発していました。
その中で私のお気に入りだったのが“クロー・ポール”と名付けられたスキーポールだったのです。
当時は唯一だったセルフアレストグリップ、半球形のクローバスケット、そしてグリップを外して2本を連結するとアバランチプローブになるという、荒削りながら現在の多機能ポールの先駆とも言うべきユニーク且つ前衛的な製品でした。
私も愛用していて、何度かこのセルフアレストグリップのおかげで命拾い?したのを思い出します。

その後折れたり曲がったりでこのポールは引退しましたが・・・それから二十年・・・、過日、北米の某山道具屋で日本の山道具屋ではあまり目にしないライフリンクの“クロー・グリップ”をあらためて手に取りびっくりしました。なんと細部以外あの懐かしいLAMERのクローポールのグリップと瓜二つだったのです。(たぶんLLがLAMERから意匠権か何かを譲ってもらったのでしょう?)
懐かしさもあって、グリップ付きの上段ポールだけで確か30数ドルと結構高価でしたが即大量?購入しました。
しかし、このグリップはスキーポール専用で山スキーには良いのですが、山ボードで使用する時には、3段式のポールのようには短く収納することはできないという問題もあったのです。

Imgp1566


そこで・・・お決まりの改造です・・・
山スキーでお気に入りのBDのAJプローブ・ポールの上段にこのセルフアレストグリップを移植することにしました。こうする事でセルフアレスト機能を持ちプローブにもなるという、ライフリンクのオリジナルと同様の機能に加え、後述のBDのトレッキングポールの中下段と組み合わせて、短く収納できるという新たな機能を持たせることができると考えたからです。

ライフリンクの上段ポールは楕円形をしていますのでグリップの穴も楕円です。先ずこの楕円のパイプを引っこ抜かなくてはなりませんが、これが結構大変でした。
次に、グリップの楕円穴をBDの上段の直径16ミリに合わせて拡大します。大径の木工ドリルで荒削りをしてからサンドペーパーを巻いたシャフトをドリルに付けて仕上げました。
上段ポールの末端には自作のアルミ製のエンドプラグを嵌合してカシめ、グリップとビス固定できるようにしました。
仕上がりは画像の通りですが、実際の使用感としては雪面にツメを効かせた時BDのウィペットよりも安定感があってかなり良好です。

また先にも述べましたが、今回改造したBDのAJプローブ・ポールの上段は、BDのトレッキングポール“トレイル”の中段・下段と組合せることも可能ですので、山ボードの時にコンパクトにザックに装着できる3段伸縮のスノーシューポールとしても使えることも、この改造の大きなメリットです。(従来の上段ポールの外径が18ミリの3段式BDエクスペディションポールの中下段は、このプローブポールの上段とは組み合わせできません!)

Imgp1567 Imgp1568
(左・BDのトレイル、右・プローブポール“改”とトレイルの中下段の組み合わせ)

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2008年1月17日 (木)

VOILEのクトーは好いですよ!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


山スキーの必需品とまでは言えないかもしれませんが、気力・体力とも中高年の私にとってクトー(スキーアイゼン)は欠かせないツアー用具となっています。

さて、クトーの取り付け方は概ね次の3タイプに分けられます。
①ディアミールやジルベに代表されるような靴と一緒に上下するタイプ
②DYNAFITやBURTONのスプリットボードのように前端を可動式ヒンジで板に固定するタイプ
③以前のPETZLや大昔のEMERYのように完全に板に固定するタイプ

それぞれに長短があるのですが、私のようなスピードより安全性を重視する山スキーヤーには、歩く時の抵抗になっても③の完全に固定されるクトーがベストだと考えられます。
また、クライミングサポート(ヒールリフター)使用時に有効なのはこのタイプしかありません。このメリットは非常に大です!

とは言え、このタイプは意外と種類が少なく、古いPETZLのクトーを使いまわすか、松本市内の山スキーの老舗“ブンリン”取り扱い?のPETZLのコピー商品を使うかしかありませんでした。
しかも、今流行のファットスキーに対応できるクトーとなると皆無と言ってよく、使いたくても使えないと言うのが現状だったのです。

しかし、昨シーズンアメリカの“VOILE”から“スキー・クランポン(日本のカタログではユニバーサル・テレ・クランポン)”という率直な商品名で、かなり良さそうな製品が発売されたので早速購入して使用してみました。
結果は予想以上に素晴らしいものでしたので、自信を持ってご紹介します。

Vkuto3 Vkuto1
(注!右画像のTLTバーティカルはVOILEクトーを母指球位置で使用するため全長の短いコンフォートのベースに換装してあります)

【良いところ】

*大きさも2種類(↓画像、青・92mmと赤・112mm。赤)あるのでかなりのおデブちゃんスキーにも対応します。(私のVOLKL/GOTAMAにも余裕で対応しました)
Vkutosm

*クライミングサポート(ヒールリフター)使用時にも完璧に効く!。

*タグの台紙が厚紙の取り付けゲージになっていて位置決めも簡単。
Vkutogage
(注意!!付属のビスは長めなので薄めの板に取り付ける場合はカットを要する)

*クラスト面でも良く効く。

*キックターンの時に安定感がある。

*脱着が簡単で、スキーを履いたままでも何とか可能。


【気になるところ】

*下駄のあるテレマーク・ビンディングやDYNAFITには問題なく使えるが、ディアミールについてはフリーライドだとギリギリ使えるものの、エクスプローラーではバーに干渉してしまいます。
(ジルベやナクソーについては不明/情報求む!)


*このタイプの宿命として、注意して歩行しないと引っ掛ける恐れがある。

*自分で取り付けできない人は、販売店に取り付け料を払って依頼する必要あり。

ベース部分だけパーツ販売が無い。あれば、1つのクトーを複数のスキーで使い回せるのにそれが無かった!(昨シーズン)
これは代理店に強く要望したいですね!(海外ではベースだけでも売っています)
Vkuto2
(クトーの右、スキーに固定されているのがベース部分)

しか~し!!!残念ながら要望したくても、代理店の“某Mスポーツ”がVOILEの取り扱いを止めるそうなので、何処が代理店契約を結ぶまではベース部分はおろか、本体すら入手難となるかもしれません。

Vkuto6
(見つけたら大人買いしときましょう!)

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2007年12月19日 (水)

スプリットシールを自作する!②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


「スプリットシールを自作する!①」からの続きです!

さて、部品が揃ったら組み立ててみましょう。

Skinparts2_2
(2本のシールが独立して左右にスライドできる構造)

シール本体とステンレスパーツを、3本づつのカシメで固定します。
打ち棒を使って適度な力で打ってください。打ち棒を使わず金槌で直接打つと心棒の潰れ代がとれず、かえって強度が低下する場合があります。
カシメはできるなら通常の両面カシメではなく、片面カシメを使用しましょう。両面カシメだと滑走面との間の隙間が大きくなります。
また、カシメの材質は錆びやすい鉄(メッキ)より、できればステンレスか真鍮製が良いでしょう。私は、ステンレスの片面カシメが入手できなかったので真鍮製を使用しました。(どなたかステンレスの片面カシメを小口で小売してくれる所を知っていたら教えてください!)

Sukinkasime1 Skinkasime2
(片面カシメと両面カシメ)

シールの長さは、とりあえず自分が一番よく使用するであろうスキーに貼ってみて、テールベンドの始まる点(=接雪点)より少なくても2センチ位は短くカットします。
エンドフリー・スキン(貼り流し)の場合、コンベックス(凸)面に末端が乗っていると登行中に必ず剥がれます!(↓画像)

Skinskitail
(テールベンドにシールの末端があるとこんな感じに剥がれて・・・・)

少しでも長い方がシールの効きが良くなるような気がしますが、まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」の喩えどうりですから、テール部の長いツインチップ形状の板であっても貼り流しの場合は必ずテールの接雪点より前にシールの末端が来るように調整してください。
つまりこのスプリットシールを複数のスキーで使い回す場合は、接雪面の一番短い板のテールべンドの始まるギリギリの位置でカットしておけば良いわけです。

また、常識ですがカットした角の部分はなるべく大きなR で角を円く整形し剥がれにくくしておきます。
あと、貼り流しの場合、剥がす時にテール部分を直接持ってしまうと接着力の低下を招きますので、末端にはPPかPEの樹脂シートを張っておくと良いでしょう。

Skin2 Skinw
(完成したスプリットシールのトップ部分)

さて、実際にスキーに貼ってみたところ、35mm幅にカットしたBDのグライドライトスキンはサイド方向にもフレキシブルで、ストレス無くサイドカーブに沿って貼り付けることができました。まずは大成功です!

Skinski1 Skinski2 Skinski3 Skinski4

私の場合、元になったシールがバーゲン品だったこともあり、オリジナルのTwin-skinを買う場合の三分の一の値段で作ることができました。
また、使わなくなったカット済みのシールでもセンターが60~70mm以上あれば、このスプリットシールにリサイクルして復活させることも可能でしょう。

また、作ってみて気付いたのがそのコンパクトさと軽さです。
今までのファットスキー用シールの難点だったのがそのボリュームです。(保温のためにジャケットの内ポケットに入れておくなどという細板テレマークの時代の常識は、既に神話の領域のようです)
下の画像は、同サイズのスキーに使用するフルサイズのシール(BDアセンション)と手作りのスプリットシールの比較をしたものです。
この点でもスプリットシールの圧倒的な優位性が際立ちます。

Skinbol Skinw2 Skinw1
(シール登行時には片足で400gもの重りを付けていたんですね!)

まあ、完全なアイデアのパクりですが、スプリットシールがパテントの関係で他メーカーからは発売されないであろう現状では、オリジナルを買う以外にはこのように個人で作るしか入手できないのですから勘弁してもらいましょう!

まだ、実際に使用していないので使用感は未知数ですが、追ってレポートさせていただきたいと思います。

以下、続く・・・と思います。

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2007年12月17日 (月)

DAINAFITはどう変ったか

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


我が国ではキワモノ的な目で見られがちなDYNAFITのビンディングですが、実際には欧米を中心に20年以上の永い歴史を持ち、その間基本設計を全く変えていないほどの完成されたシステムと言っても過言ではない名品なのです。
また、あの頼りなげな外観とは裏腹に、実はヨーロッパでは一番故障の少ないツアー用ビンディングとの評価も受けているほど信頼性の高い道具でもあるのです。

Dyna1

そんなDYNAFITのビンディングですが、少しづつ進化し一応近代的なビンディングとしての完成を見たのが“TLT-コンフォート”という機種でしょう。
ブーツサイズに対応する調節幅も(十分ではないとは言え・・・)拡大し、(快適とは言えないが・・・)設計段階から考慮されたスキーブレーキが使用できるようになったのも、このコンフォートからです。

それから3シーズン程で、バーティカルというニューモデルが昨年からラインナップに加わりましたが、一体この両者で何処が変わったのか考察してみたいと思います。

大きな変更点はまずヒールピースの外観が大きく変ったということでしょう。見える部分は全てプラスチックになり、外観も直線的でスマートなものとなりました。

Dtvheel
(左・TLTコンフォート、右・TLTバーティカル)

しかし、推測ですがバーティカルの樹脂パーツはコンフォートとは別の工場で作られているのでしょう。
はっきり言って材質や加工精度はむしろ低下しているように感じます。
また、上面のヒールリフターを兼ねたパーツは横からの力を受けた時に、稀ですが折損の事例もあるようなので、本当に良いモデルチェンジであったのかの判断はもう1~2シーズン待たないと正確な結論は出ないでしょう。

現時点での判断ですが、良くなったところとしては、コンフオートで評判の悪かったトーピースのクトー(スキーアイゼン)取り付け部に金属の補強が入ったということと、トーピースのレバーが大きくなったということが挙げられます。
このレバーの変更は僅かなものですが、実際に新旧を使い比べてみると使い勝手はずいぶん良くなっているとが実感できます。

Dkuto2_2 Dtvtoe_2
(左画像・トーのベースに加わった金属パーツ、と右画像・レバーの大きの違いに注意)

その他は大きな違いは無いようですが、気がついたことがありましたら続けてレポートしていきたいと思います。

(追伸)
山でDYNAFITを使用している方を見るのはまだ稀です。
使用に際して少々癖のある製品であることは確かですが、個人的にもこの個性的なビンディング愛用者の仲間が増えるとに期待しています。
興味のある方は遠慮なく質問してください。取り付け調整を含め可能な限りの助言をしたいと思います。

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2007年12月15日 (土)

続・MSRライトニングの改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★★
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.2の製作】

さて、Prototype No.1 のベースはそのまま利用して、さらなる軽量化を目指して改良した2号機を作ることにしました。

1号機では、ヒールレバーで踵を固定していましたが、結局最後はストラップをバックル留めしなければならないので、次はレバー無しでストラップ1本で靴を固定する為にはどのような構造にすればよいのか考えてみました。
一回のストラップ操作で固定できて、シンプルな構造というコンセプトで考えたら、やはりオーソドックスなワイヤー式に落ち着きました。
画像をご覧いただければ、特に説明は要らないと思います。

No2_plate Plate4

工作は簡単です、1号機のヒールレバーが付いていた所にΦ2mmのワイヤーをリング状に固定するだけです。
ブーツの後端に当たる部分には保護用のウレタンチューブを通し、踵の下の部分でワイヤーをスリーブで圧着固定しブレードホースでカバーしてあります。

Msrwire1 Msrwire2
(スリーブは画像のようなハンドスゥェージャーで圧着する)

また、現在は試作段階ということでアイゼンバンドを使用して締めるようにしてありますが、将来的にはラチェット式に改造する事も考えられます。

No2_bootsura No2_bootyoko

1号機より見栄えは悪いのですが、構造がシンプルで軽く、故障する場所の少ない機能的な改造だと思います。
今回は調節式のため多少重量が増加しましたが、メンズモデルのビンディングアッセンブリーはオリジナルが264グラム、改造モデルはストラップを入れても275グラムで仕上がりましたから僅か11グラムの増加で済みました。
比較したのは06-07モデルの3ストラップビンディングですから、07-08モデルの4ストラップのものと比べればオリジナルより確実に軽くなっていると思います。

もし、調節式でなく、自分の使うブーツ専用の固定サイズで造ればさらに軽量なスノーシューとなるでしょう。

No2_finish No2_boots1 No2_boots2

実際にこのデバイスを“ライトニング22”(ライトニング・アセントのヒールリフター無しバージョン)に換装して、実際に雪山でテストしてみたのが下の画像です。
使用は実質2日間程で十分とはいえませんが、MSRのビンディングがやや苦手とするハードブーツをしっかりと固定でき、特にトラブルらしいトラブルもありませんでしたので、まずまずは大成功と言う所でしょう。

Imgp1608 Imgp1609

また、現在新しいヒールストラップの構想もまとまりましたし、さらにトーベイルも使用しないワイヤー固定式のアイデアも固まりつつあるので、暇があったら再度改造にチャレンジしてみたいと思います。

以下、続く・・・かも?

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2007年12月13日 (木)

DYNAFITのクトーを改良する

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


DYNAFIT・TLTビンディング用のクトーも昨シーズンからずいぶん改良され、かなり実用的になりました。
クトー自体もずいぶん丈夫な構造になり、ビンディング側の金属製の補強も加わり破損の心配は限りなく小さくなったようです。
また、82ミリと92ミリ幅の2種類がありセミファットスキーまでクトーの装着が可能となりました。(下部画像のK2のMt.Bakerまでは使用可能でした)

Dkuto1 Dkuto2
(左画像は新旧のクトー、右画像は裏と表から見たクトー取り付け部の補強金具)

しかし、残念ながら購入してそのまま箱出しの状態で能力を十分出し切れるかというと、残念ながらそうではないのです。
このクトーはスキーのデッキ面に載ったかたちで装着されますが、構造上クトー上面とソールの間にはかなりの間隙があって、実際にソールでクトーを踏んでもこの間檄分クトーに遊びができ、クトーの爪が雪面に刺さる長さが短くなってしまうのです。
また、このクトーを流用するテレマークビンディング等では、さらに有効に爪の長さを活かし切れなくなるようです。

Dkutogap
(ソールとスキーの間の間隔の分だけクトーが雪面から逃げる)

そこで私は実際にクトー上面とソールの間隔を測って、ちょうど良い高さになるよう低温に強いPP(ポリプロピレン)ブロックを角柱状に削り出してビス留しました。(→最上部左の画像も参照)
これで、クトーとソールの遊びを殺し、爪の長さを完全に有効に生かすことができます。
まあ、この状態でもクライミングサポート(ヒールリフター)使用時には極めて効きが悪くなりますが、それでもオリジナル状態より少しはマシでしょうか?
(どうしてもクライミングサポート使用時に効くクトーをお探しでしたら後日紹介予定のVOILEのスキークランポンを使用する以外ありません)

Dkuto3 Dkuto5 Dkuto4
(PPブロックがあるとクトーがしっかりと踏み込めるのが理解できると思います)

また、私は削り出しのパーツを製作しましたが、既製品で“プラ足”や“ゴム足”と呼ばれて秋葉原の部品屋などで売られている電子機器の筐体の底部などに使われる円錐台形の部品を使うと手軽に同様な改良が可能だと思います。

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2007年12月 9日 (日)

スプリットシールを自作する!①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


皆さん、スキーのシール(クライミングスキン)は高価すぎると思いませんか?
確かにシールの選択やメンテナンスは、山スキーを楽しいものにするか、地獄の苦しみに変えるかを左右するほどの重要な道具であることは確かですが、スキーを替えるごとに“プラス弐萬円也”の出費は悩みの種以外の何者でもありませんよね。

昔の山スキーや細板時代のテレマークでしたら、使い回しや貸し借りのできるストレートなシールでまだ良かったのですが、最近のカービングスキーはサイドカーブに沿ってカットしないとまったく使い物になりませんし、さらにファットスキーになると高価な幅広スキンを“その板専用”にカットしなくてはならないのですから経済的にも労力的にも非常に非効率的です。
我が家などは、現在までに購入したシールの金額を合計してみると目まいがするほどの金額になりそうです。

Skins
(!!)

そんな折、“Nova sport”というメーカーから“TWIN SKIN”という画期的なスキーシールが発売されました。
まさに、コロンブスの卵式の発明で、シールを真ん中から細く2分割して、それぞれの端をエッジに沿わせて貼り付けるという構造になっています。
また、エンドフリーなので板の長ささえ概ね同じなら幅の違う板にも、または板を買い換えても1つのシールを使い回せるという画期的な製品なのです。
心配なのがスキーの中心線にシールが無い部分ができるということですが、使用者のインプレッションを信じると「まったく問題ない!」とのことです。

持っている板には全部専用シールがあるのに、早くも物欲発火!・・・しかし値段を見ていきなり消火!

えーい! だったら作っちゃえ。
・・・で、スプリットシールを作ってみました。
材料はシーズンオフの大バーゲンで買ったBDグライドライトの80mmスキンです。

Skinbox

構造は見ての通りですが、トップの金具のところは0.5mm厚のステンレス薄板を使用し、ティップループの部分でスライドできるようにして、スキーの幅の違いに対応できるようにしました。

Skinparts1

ティップループの自作も考えましたが、BDのティップループを持っていたのでそれを使用することにしました。
サイズも数種類あり、パーツとして購入しても千数百円と良心的な価格設定です。

Skinroop1 Skinroop2
(↑サイズもS~XLまで各種あるので好みで選べる/BDの他右端の“G3”製も入手可能)

また、シールのカットは長尺の金尺をしっかり固定して、大型のカッターで一気に切断します。やり直しはできませんので、くれぐれも慎重に!
(話は違いますが、私の友人はスキーに合わせてシールをカットする時、誤って毛並みが前後逆になるようにカットしてしまいました。その時は自殺を考える〈?本人談?〉ほど落ち込んだそうです。)

Skincut Skinparts2

シールの幅は、元のシールが80mm幅でしたので真ん中で切って40mm×2が簡単なのですが、スキーのサイドカーブに沿って張るときに横方向の柔軟性を確保するには細い方が良いとも考えられます。
調べたら、ご本家の、“Nova sport”の太い板用のアイテムでもセンター部で35mmだったので真似をして私も35mmとしてみました。(入手できるなら最初から70mm幅のシールにすれば無駄が無いですね)


部品が揃ったら後は組み立てですが、シールとトップ金具の固定は3本ずつの片面カシメを打てば完成です。

以下、続く・・・!

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2007年12月 7日 (金)

D.I .Y. サーモインナーを焼く ③

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆


さて、最後にご紹介するのは私も以前おこなっていた、誰でも家庭にあるものでインナーブーツを成型する方法です。

使用するのは、大きな鍋と金網とポリ袋の3点です。(↓画像は実際に私が使用したものでなく例示です、できたら四角い蒸し器のようなものも良いでしょう。私は鍋でなく半切りの一斗缶を使いました)

Nabe

ポリ袋は“ジップロック・特大”(商品名)が良かったのですが、現在は“大”までしか輸入されなくなったので、これだと大きなサイズのインナーには使用できないかもしてません。(アメリカのスーパーマーケットには山のように売っていましたが・・・)

Imgp1563

普通のポリ袋はPE(ポリエチレン)で耐熱性が低いので、できたらPP(ポリプロピレン)またはOPPと品質表示されたものを選んだほうが賢明でしょう。PP・OPPは一般的に素材に張りがありインナーとの密着度は低いような気がしますが、実用上では問題無いと思います。

Imgp1562

袋が小さすぎて、斜めにしかインナーブーツが入らない場合もあるかもしれませんが、足首まで何とか入っていればOKです。ポリ袋の余分なところをゴム輪で止めておきましょう。
実際には耐熱温度が80度ほどといわれているPEの袋でも、底に着けなければとりあえず問題無く使用できる事を経験しています。たぶん耐熱温度とは軟らかくなる温度のことで溶解してしまう温度のことではないのでしょう?・・・しかし、保証の限りではありません!)

作業は単純。大きな鍋にお湯を沸かし、耐熱性のあるポリ袋に入れたサーモインナーを手で垂直に沈め、沸騰した状態で待つこと数分~10分。この時インナーが直接鍋の底に触れないよう、金網を鍋の底に沈めておくのも良いでしょう。
インナーを鍋に沈める時、最初は良いのですが長時間押えているとかなり熱くなりますので軍手の上にゴム手袋重ねるなどして火傷をしないようにしましょう。

加熱の目安は、インナーを触ってみて、やや膨らんだようなグニャグニャ感が出てきたらOKです。

Innerfoot

後は、前回の「D.I .Y. サーモインナーを焼く ②」記の方法と同様にトーキャップやパッチで下準備をした足を入れて成型すれば作業は完了です。
この方法では足首より下の部分しか成型されないことになりますが、通常はこれで何の不都合も生じないはずですし、かえってインナーの上部が開いたまま成型される恐れが無いというメリットもあります。

やってみると意外と簡単ですから、皆さんもチャレンジしてみてはいかがですか。

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2007年12月 5日 (水)

DYNAFIT/ヒールリリーサーの製作

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

DYNAFIT ビンディングの最大の弱点の一つが、滑降モードから歩行モードへの切り替えの時に、一度スキーを脱がなくてはならないと言う事でしょう。
(この弱点さえ愛おしく思えるようにならないと、真のDYNAFITファンとは言えないのです・・・!)

実は私もディアミールから乗り換えた当初、ずいぶん違和感がありました。
しかし「惚れてしまえばアバタも笑窪」で諦めていましたが・・・それでも、これを何とかしたいと思うのが工作マニアの真骨頂!
で・・・“ヒールリリーサー”なる道具を考案し試作してみましたのでご紹介します。

当初にスネイルカム方式で創ってみたのが下の画像です。
スリットを片方のピンに入れて梃子の原理でレバーを倒すと、カムの作用でピンが開いて踵が開放される構造です。
素材は硬度の高い7075-T6アルミの3ミリ厚ですが所詮アルミはアルミ、ステンレス鋼のピンと擦れるので、長期間の使用では滑り面が磨耗しそうです。
とはいえ、十分実用にはなりました。

Hrc1 Hrc3 Hrc4 Hrc2
(中央の2枚の画像のようにレバーを倒すとピンが開く)

1号機を使用してみた結果、もう少し簡単な構造でも実用可能なものができそうだったので創ったのが下の画像のウェッジ方式のヒールリリーサーです。
大きい方が試作型で、より小さなのが実用機です。(画像で細引きでつながっているのは歯ブラシを短く切ったもので、トーピースなどに雪が付着した場合ヒールリリーサーの角とこのブラシで取り除く為で、ヒールの開放とは無関係です)
また、一方の面が凸凹に加工してあるのは、このほうがビンディングのピンと噛合って梃子の作用を補強できると考えたからです。

Hrw1 Hrc6
(上から差し込みこじって、くさびの様にピンを開く)

実は、この実用機も昨年2回ほどのツアーでしか使っていないのですが、ディアミールのようには行かないものの、一旦靴を脱ぐよりはずいぶん楽に感じました。
簡単な工作ですからDYNAFIT愛用の方は試してみたらいかがでしょうか。

Hrc5

今シーズンはチタン製のこのタイプで、横方向から見た時に「くの字型」に曲がった操作のしやすいモノを創ろうと思っています。(7075-T6アルミは曲げようとすると折損するのです)

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DYNAFIT の冬、到来!

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


私は技術的には万年中級者の壁を越えられず、毎年悪戦苦闘のスノーシーズンを過ごしてはいますが、それでも山スキーも山ボードも大好きです。
しかし、いかに好きとは言え、年齢と供に増加する体重と、低下する体力には如何とも抗し難く、以前のような積極的な山行からは遠ざかる一方というのが悲しい現実です。

そのハンデを少しでもカバーしようと、道具の軽量化を心がけてはいるのですが、ことスキーに関しては年々ファット化が進み、山道具の軽量化の流れに反して、逆に年々重くなっているというのも困ったものですよね。

そんな中、せめてビンディングだけでも軽いモノを・・・
と考えていて出た結論が“DYNAFIT”のTLTビンディングの選択だったのです。

Dyna1 Dyna3
(左の画像・上が“TLTコンフォート”、その下と右画像が新型の“TLTバーティカル”、ただし左画像の“TLTコンフォート”は改良型のトーベースに換装してあります)

使い始めて既に4シーズンが過ぎ、所有数も既に我が家で合計十台、しかも全て自分で取り付けを行っています。
取り付けや調整のノウハウの蓄積もありますし、製品自体の良いところ悪いところも見えてきましたので、シーズン中はこの DYNAFIT ビンディングの話題についても可能な限り書いてみる事にします。
興味があっても、あのなんとも奇妙奇天烈(?)な形状から使用を躊躇っている方も多いと思いますので、ご質問があれば率直なお話をさせていただきたいと思います。

Dynabd
(我が家にはDYNAFITのビンディングがいっぱいです・・・)

何せ少々癖のあるビンディングですから、万人向けというわけには行かないとは思いますが、外観から想像するほどの取っ付き難さは有りませんので、もう少し普及しても良いのではないかと思います。

Dyna2 Toe1 Toe2
(トーピースの2つの突起が専用ブーツの爪先の穴に噛合うだけで固定されると言う、一見??な構造)

また、今シーズンから輸入代理店が“カスタムプロデュース”から“アクタス・ディストリビューション”に変更になりました。
まだ未知数の代理店ですが、適切な対応とDYNAFITの普及に力を入れていただける事に期待して応援していきたいと思いますので、皆さんにもご協力いただければ幸いです。
また、この代理店さんは“スノーレオパードなブログ”というサイトでも情報発信をしていますので、よろしければこちらにも行ってみてください。

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2007年11月28日 (水)

MSRライトニングの改造④

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★★
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.1の製作】続き・・・

今度はヒールレバーの改造です。
KOHLAのヒールレバーはサイドのワイヤー部分のアジャストスクリューで長さを調節するようになっていますが、土踏まずのアーチ部分をヒンジにするとなると長さが足りなくなります。
そこで、ステンレスの長いビスを頭のところで90度曲げて、ロングサイズのビスを作らなくてはなりません。
ビス頭の近くでネジ山に傷をつけずに曲げるのは簡単なようで結構難しく、急遽専用の治具を製作して加工しました。何種類か作ってみて具合の良いのを選びました。

90bis

トーベイルはKAJITAXアイゼンのパーツを使用しましたが、このトーベイルはこのメーカーのアイゼンに合わせた左右非対称のカーブになっています。そのままでも良いのですが私は左右対称な形に曲げ加工しました。

さて、パーツが揃ったら組立に入ります。
クランポンとチタンのフロントプレートの接続には、前2本はトーベイル取付金具と共締めとなり、使用時に力も加わる場所なのでΦ5mmのステンレスブラインドリベットを使用してガッチリ固定します。
後側の2本は当初ブラインドリベットを使用しましたが末端が裏側に出っ張り、ハイパロンデッキを傷める恐れがありますので、アルミのリベットの使用に変更しました。
リアプレートの後端にはヒールレバー取付金具をΦ4mmのアルミリベットで取り付けておきます。

次に前後のプレートを靴に合わせてみて長さを決め、ビス留めしますが、この時に使用するナットは必ず“ゆるみ止めナット”を使用しましょう。
ゆるみ止め用には“ナイロンナット”が一般的ですが、画像(↓)のようなスプリング式の方が出っ張りが少なく、またゆるみ止め効果も高いのでお薦めします。

Nut

組上がった状態が下の画像です。

Pltomote Pltura
(以下一連の画像は仮組み状態を撮影したものです、後2本もまだブラインドリベットを使用した状態です)

靴を装着してみましょう。大成功です!

Pltboot

最後に、ピン&リングでスノーシューに組み付けました。

Shoe1 Shoe2

好い感じ!しっかり固定されています。
しかも、我ながらカッコイイです。便利そうです!

これでまずは完成ですが、今回の試作機は長さ調節用のビスが上面に出っ張っている為、ランドーネブーツ(山スキー兼用靴)や冬用登山靴などワンタッチアイゼンが使用でき、かつソールに独立した踵と土踏まずのアーチがあるブーツでしか使用できないという問題もあります。
したがって、通常のスキー靴を使用し、登行にはスノーシューを使用するエキストリーム系スキーヤーは、前作の“デナリ・改”のほうが向いているでしょう。

しかし・・・まてよ・・・どうせレバーを操作してからストラップを締めるんだったら・・・
一本のストラップだけで固定できれば、重いバックルを省略できて、この超軽量スノーシューのメリットをスポイルしないで済むのでは・・・・

と、言う訳で・・・【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.2の製作】へ、続く!

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2007年11月27日 (火)

MSR・ライトニングの改造③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★★
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.1の製作】続き・・・

さて、メインのプレートですが、前半は1.2mm厚、後半は0.8ミリ厚のチタンを使用しました。
少々薄く感じますが、靴底に沿って柔軟性を持たせたかったのと手持ちの端材の都合で今回のプロトタイプではこの厚みの板を使ってみることにしました。

画像のように切断と穴あけを行いますが、後半プレートの長さ調節用の連続穴は1センチ間隔ですが、前半プレートには1.5センチ間隔で2箇所固定用の穴を開けていますので、何れかの穴を使うかで5ミリづつ長さを変更できるように設計しました。

Mainparts

続いてトーベイルとヒールパーツを取り付ける部分(↑画像の左上と右下)を作ります。
材料は2ミリ厚のチタン板で、切断後、手製のベンダーを使って「コの字」に曲げました。
トーベイル取付金具は、トーベイル穴と本体取り付け穴をオフセットさせ(画像↑の左上のパーツ)、前後を反対に取り付けることで、靴の大きさによる拇指球位置の差に大まかにではありますが、対応できるようにしてあります。
また、ベイル末端は外れ止め用に潰してありますので、差込穴はルース穴(長円)又は画像のようなUFOシルエットのような形に加工する必要があります。
普通長円穴は45度傾けて加工するのですが(↓左)、トーベイル取付金具は前記のように向きを前後逆に取り付けることも可能なように前後に並行方向(↓右)に穴を長円加工しました。

Ufo1_2 Ufo2

これでメインパーツの加工はほぼ終わりましたが、まだヒール部分の製作という厄介なワークが残っています。

以下、続く・・・

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2007年11月22日 (木)

MSR・ライトニングの改造②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★★
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.1の製作】続き・・・

さて、先ずはシューから、クランポン付きビンディングアッセンブリーを取り外します。これはPIN&RINGでとまっているので簡単に分解できます。

次に、クランポンとウレタン製のビンディングを分解しますが、これはリベットの裏側から太目のドリルで揉んでカシメた部分を削ってからポンチなどで叩き出せば簡単です。デナリのリベットは鉄製でしたが、ライトニングのはアルミ製になりましたから分解はより簡単になりました。

Bunkai1

続いて、クランポン部分で後半にある魚尾状の部分は邪魔なので切り取ってしまいます。
薄いですが熱処理されたクロモリ鋼らしく結構硬度がありますので、切断砥石を着けたグラインダーで切り取り、切断面は体裁良く仕上げておきます。(此処まで来るともう後戻りはできません・・・)
また、画像のように男性用(画像、↓右)と女性用のモデル(↓左)では幅と全長が異なりますが、前半の4つの穴の位置は共通です。

Bunnkai2

さて、次はメインのプレートを加工します。
材質はチタンを使用しました。チタンは加工が難しいのですが、軽量で強く、また雪の付着も少ないのでこの種の工作には理想的な素材です。

以下、続く・・・

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2007年11月16日 (金)

MSR・ライトニングの改造①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★★
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


Shoe1
(完成するとこうなります)

BCボーダーを中心に始まったスノーシューのブームですが、現在では登山やスノーハイクまでその裾野を広げているようです。
私は、ただの雪道の登行やスノーハイクが目的であるならアトラスのスノーシューを使用します。アトラスのスノーシューはどんなに乱暴に扱っても絶対に壊れない、という安心感ではこの右に出るものはいないと思っているからです。(特にテールエンドがTIG溶接されている旧モデルは最高です!画像↓)

Atlas

しかし、このアトラスのシューもクラスト斜面やトラバースなどでは少々頼りなく感じる場面もしばしばありました。

そこで私は並行してMSRの“デナリ”シリーズを使用しているのですが、これは外観は少々無粋ですが、悪条件の斜面では抜群の安定感を誇っています。
また、私は数年前からBCボードにも山スキー用のハードブーツ(ランドーネブーツ)を使用するようになりましたので、面倒なシューの脱着を簡単にするため、アイゼンのパーツを利用したワンタッチシステムに改造して使っていました。

しかし、その後デナリと同じMSRから超軽量の“ライトニング”シリーズのスノーシューが発売されたのです。
見た目は華奢で壊れやすそうに思えて敬遠していたのですが、使用者より予想に反して結構丈夫だとの話を聞くに及んで・・・・やはり購入!。(私は“最軽量”という言葉にも弱いのです)

そして、お決まりの改造を決行!

【“MSR/ライトニング・アッセント-改”Prototype No.1の製作】

こうして、哀れ“ライトニング・アッセント”は、一度も雪面に足跡を印すことの無いまま手術台に昇ることとなったのです。

しかし、早くも問題発生。
以前の改造犠牲者である“デナリ”はプラスチックのデッキを使用していたため、一枚のチタンプレートをベースにして、そこにトーベイルとヒールレバーを付ければ良かったのですが、ライトニングの場合、デッキは柔軟なハイパロン素材を使用しているため、踵をフレームのサイドメンバー一箇所で支持する構造となっていたのです。(画像、↓左)
これではデナリのような一枚のプレート構造では問題が発生しそうです。(画像、↓中・右)

New1 Old1 Old2

そこで、本来踵の下に位置すべきヒールレバーのヒンジをデッキと干渉しない土踏まずのアーチ部分に持って来る構造としなければなりませんが、本来は斜め下方にテンションをかけるワンタッチアイゼンのレバーを、より浅い角度でテンションをかけることになり、少々工夫が必要となりそうです。
ヒンジが土踏まずの位置だと前回の“デナリ・アッセント-改”に使用したKAJITAXアイゼンのヒールレバー(画像、↓右)のような長さ調節にレバー側支点の位置の移動を伴う構造では、長い寸法のワイヤーを自作して組み込んだにしてもヒールレバーの回転半径分のクリアランスの関係で作動に問題が生じそうです。
そこで、長さ調節に支点の移動を伴わずがワイヤー側にアジャストスクリューのあるイタリアの“KOHLA社”のアイゼンのレバー(幸い使用予定の無い手持ちがたくさんありました画像↓)を使用することとしました。なおKOHLA社は現在アイゼンを作っていないみたいです??・・・

Lever2p Kohla4
(左画像の右がKAJITAXのレバー、左がKOHLAのレバー、右画像はKOHLAのアイゼン)

・・・と、問題が解決したところで、意を決してあの“美しき生け贄”をバラし始めることにしました。

以下、続く・・・

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2007年11月 9日 (金)

D.I .Y. サーモインナーを焼く ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆


足の準備が整ったら、いよいよサーモインナーを加熱して軟らかくする作業に取り掛かります。

今回はやや専門的な道具を使用する方法、次回は誰でも家庭にあるもので成型を行う方法と、2回に分けてご紹介します。

私は、専用のインナーオーブンの代りに職場のラボにある正確な温度管理の出来る定温乾燥機(試験管やビーカーを殺菌乾燥させる機械、画像↓)を借りて使っています。
これと同様にインナーブーツ全体を偏り無く100℃位の定温で温められる物であれば大型の厨房用オーブンなどでも可能かもしれません。(サーモインナーには自宅の洗濯乾燥機で成型ができると英文マニュァルに記載されているものも過去にはありましたが、通常のサーモインナーは日本の洗濯乾燥機では温度が低すぎて成型は困難だと思います)

Inneroven1 Inneroven2

ブーツのマニュァルには、成型専用のインナーオーブンを使う時の温度と加熱時間が記載されていますので(ガルモントの場合は120℃で15分)その指示に従って定温乾燥機のサーモスタットとタイマーをセットして加熱します。
マニュァルに記載のない場合は、メーカーか代理店に問い合わせればよいのですが、そこまで神経質にならなくても、大体100~120℃で10~15分とアバウトに考えても大きな失敗はしないと思います。

〈注意点としては〉

・必ずインソールを取り外しインナーブーツ単体で加熱する
・加熱し過ぎや部分的な過熱には注意(調理用オーブンは使用しないほうが無難)
・初めは片足ずつ成型したほうが安全確実
・ヒートライザー(熱風式)専用で、インナーオーブン不可と指示のあるインナーは次回記事「DIYサーモインナーを焼く③/専用の道具を使わずサーモインナーを成型する・・」の方法で対応してください
注意するのは上記くらいで、あとは特に気を使う作業ではありません。

Innerovenboots Innerfoot

この加熱作業をしながら、トーキャップとパッドを貼った足に、パッドがずれない様に普段使用する靴下より心持ち薄めの靴下を履いておきます。
次に、所定の加熱が完了したインナーに素早くインソールを入れ、シェルにセットします。(インソールを足にテープ固定して、その上からやや薄手のソックスを履いても良い)
そして、注意深く自分の足をブーツに入れ、インナーのベロの部分が正しく中央に位置しているかを確認して、バックルを通常の強さで留めて作業完了です。

また、このインナー全体を加熱する方法だと上部まで軟らかくなりますので、最上段のバックルを強く締めるとインナーの縁が外側に開いてしまう恐れがあります。これを防ぐには、不要のパンストを適当な長さに切った物をインナー全体に被せたり、ソックスを輪切りにしたものをインナーの上部に被せたりすると良いでしょう。

後は、インナーが冷えるまで20分位そのまま履き続けておけばよいのです。
もう少し丁寧な方法もあるのですが、以上の方法で必要にして十分だと思います。

さて、次回は特別な道具を使わずにサーモインナーを成型する方法をご紹介します。
続く!

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2007年11月 2日 (金)

D.I .Y. サーモインナーを焼く ①

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆


スキー靴やランドーネブーツのインナーを自分の足にいかにフィットさせるかは永遠の課題と言っても過言ではないでしょう。
私の現役だった時代から、足型に合わせてインナーを成型する方法として“ガムパット”“ワックスフロー”“パウダーフィット”“エアーインナー”“フォーミング”等々、数多くのアイデアが試されてきました。
現在では一部の高級スキーブーツでフォーミングが採用されている以外は、足型に合わせて成型できるタイプのインナーブーツの主流は、サーモフォーム(下の画像)を採用する物で占められているようす。

Inner

このサーモインナーは、通常ショップで専用のオーブンやヒーターで加熱し、軟らかくなった状態で足を入れ、冷えて硬くなるまで待つことによって足型に合わせるという物です。
しかし、繁忙期のショップでは知識・経験とも豊富な店員に当たるとは限りませんし、この手の時間の掛かる作業はどうしても敬遠され丁寧に対応してもらえないことも少なくありません。

そこで私は、サーモインナーを自分で焼く(成型する)ことにしています。
今回はその方法をご紹介しますが、ショップで焼いたサーモインナーがイマイチ合っていない、あるいは爪先がきつい、当たる所がある、などという方はじっくり時間を掛けて、自分の手でサーモインナーを再成型し直して見るというのも良いのではないでしょうか。
サーモインナーは少なくても3回以上は焼き直しが可能なようですし、使用して緩くなったインナーも焼き直すと少し膨らんで厚みが回復しますから、フィット感も蘇るかも知れませんよ。

Innereq_2
(成型に使用する、テーピングテープ・ネオプレーンのパッチ・トーキャップ)

さて実際の作業ですが、初めに素足になってスキー靴の当たるところをマークしてください。そして場所に厚手のフエルトかネオプレーンの端切れを、丸か楕円に適当な大きさに切ってテーピングテープで固定します。
次にトーキャップ(無ければ不要な厚手のソックスの爪先部分を切り取って自作のこと)を爪先に被せます。トーキャップは不要の場合もありますが、小さめのシェルの時やツアースキー用のランドーネブーツで爪先部分に余裕があったほうが好い場合には使用することをお薦めします。

Innerfoot 
(下準備はこんな感じです)

さて、これで準備は完了。次回はサーモインナーの加熱法についてです。
続く!

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2007年8月31日 (金)

D.I .Y. スキー靴の“シェル出し”③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆(ブーツがダメになっても保障しません!)

Alltool_1

(道具一式、中央下の小円盤は小型ネオジウム磁石)

さて、いよいよ実際のシェル出し作業を始めます。

①まず、シェル表面のマークの所に先ほど使った強力磁石を置き、もう一個の磁石をシェルの裏側からくっつけて裏側にもマークをしておきます。

②そして、そのマークの部分をヒートガンで加熱します。(ショップではネストールという専用の赤外線ヒーターを使っているところもありますが、作業能率の良いヒートガンを使用しているショップが大半だと思います)
加熱はアバウトでもできないことはありませんが、もし放射温度計があるなら表面温度を計測しながら作業すれば確実です。
温度は、我々アマチュアや初めての方は90℃位で止めておいたほうが無難です。(本当は100℃以上まで上げたほうが確実に塑性変形させられるのですが無理は禁物です・・・)
ボトムとカフの二重になったシェルの部分を出したい場合は両側から加熱してください。

Bootuheat Termo_1

③次に、素早く自作のピンチクリアーのボール部分(この部分は事前に暖めておく)を熱で軟らかくなったシェルの裏側のマークの位置に当て、ネジを締め込み変形させます。

Bootspress

変形の度合いについては、通常は目で見てごく僅かの凹みが判る程度で十分なのですが、ピンチクリアーを外し暫らくするとかなり戻りますので、心もち大きめに変形させるような気持ちでネジを締めてください。(極端な変形はシェルに無理が出ますし、する意味もありません・・・)
あとは、冷えるまで待っピンチクリアーを取り外し、インナーを入れて履いてみるだけですが、可能なら冷えてから1日位はピンチクリアーをそのままにしておいた方が良いかもしれません。

初めての時は、捨てても惜しくない古いスキー靴で一度予備実験をしてから本番に臨むことをお薦めします。
シェルの素材には大きく分けて、一般的なポリウレタン系と高価格モデルを中心に使用されているナイロン系(ぺバックス)があります。
一般的にはポリウレタン系のほうがシェル出しは簡単なように感じますが、ポリウレタンでも品質の違いで熱塑性変形の容易な物とそうでない物がありますので、作業は臨機応変に進める必要があるでしょう。 (→補足情報)

また、プロショップに頼んだか、自分で行ったかを問わず、少しでもシェル加工を行ったブーツは、保障期間内であってもメーカーの保障を受けられないことを承知しておいてください。

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2007年8月 4日 (土)

D.I .Y. スキー靴の“シェル出し”②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆(ブーツがダメになっても保障しません!)


道具が揃ったら、まずシェルを出す位置を正確に割り出さねばなりません。

(使用するのは)
①小さなネオジウム等の強力磁石2個(ピップエレキバンでも場所により使用可能かもしれません?)
ダーマトグラフ(色鉛筆等でも可)
③テーピングテープ

Innermark

できれば1回ブーツを使用し、足の当たる部分を確認してからインナーのみを履いてみます。
そして、当たる場所をインナーブーツにダーマトでマーキングし、そこに強力磁石をテーピングテープで貼り付けます。
その状態でインナーをシェルに入れ、シェルの表面から別の強力磁石を近づけるとインナーに貼った磁石の位置にピタリと張り付きます。
シエルのその位置にダーマトグラフでマーキングします。(→下の写真)

これで、正確にあなたの足の当たる部分がシェルのどの位置に対応しているのが割り出されたことになります。ちなみに、この磁石を使う方法は私のオリジナルアイデアだと思っています!

ただし、内踝や舟状骨の場合は足が内転することを考慮して、その位置から5~10ミリ程下の位置を加工したほうが良いと思います。

Bootsmark
(マークの位置がずいぶん上のように感じるが、これが舟状骨の正しい位置)

さて、これで準備は整いました、次回は実際のシェル出し作業について解説します。

ブーツのシェル出しは本来、足の骨格と運動を熟知しスキー技術に長けたプロが、シンデレラフィットシステム等の専用の道具を使用して行う技術とされています。
しかし実際には、フィットするまで何度でも嫌な顔一つせず誠実に対応してくれる方もいる一方、長々と薀蓄を語る割には値段不相応なかなり中途半端な仕事しかしてくれないプロもいるのです。
競技用のブーツならいざ知らず、スキーツアー用のランドーネブーツの当たり解消程度でしたら、正確なシェル出しの位置さえ判れば、足の当たる状態を一番知っている自分自身で作業を行ったたほうが、納得のできる仕上がりが期待できると思いませんか?
私はこれまで10足以上のブーツを加工してきましたが、失敗した事例は皆無です。

続く!

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2007年7月27日 (金)

“塩化アルミニウム”によるフットトリートメント

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


山スキー用のランドーネブーツ(スキー兼用靴)も、最近は熱成型で自分の足にフィットさせるサーモインナーを採用するものが主流になってきました。
確かにサーモインナーは足にフィットしますし、通常のインナーブーツよりもかなり軽量ですし保温性も十分で、理想的なインナーブーツといっても過言ではないでしょう。
しかし、唯一の欠点は通気性に乏しく、かなり足が蒸れてしまうという事です。
まあ、これはプラブーツ全般に言えることなのでしょうが、厳冬期であってもの運動量の多いツアーの時など、普段から足に汗をかきやすい私の場合は1日行動しただけで、靴下がかなり湿ってしまいます。

Al1

靴下が濡れると不快であるばかりでなく靴擦れにもなりやすいし、条件によっては凍傷の最大の原因ともなります。
特に雪洞泊などの場合には、着干し以外に濡れ物が乾く事はありませんから、インナーブーツをシュラフに入れて寝ても十分な乾燥は期待できません。
可能ならば足だけでも汗をかかなければ・・・と思ったことはありませんか?

そこでご紹介したいのが“塩化アルミニウム”を使用した足の制汗法です。
用意するものは、試薬として売られている結晶状の“塩化アルミニウム”と“消毒用アルコール(エタノール)”、そしてスプレー式のプラスチック容器です。
作り方は100gのエタノールに20gの“塩化アルミニウム”結晶を溶解させるだけです。
水溶液でも良いのですが、エタノールのほうが処置後の乾燥が早いので私はこちらを使用しています。
塩化アルミニウムはエタノールにも比較的容易に溶け、上記の重量比で大体十数パーセントの“塩化アルミニウム”溶液ができたことになります。これを、百円ショップなどで売っているスプレー容器に入れておくと使い勝手が良いでしょう。

Al2

使用法は、靴下を履く前に足全体に薄くこの溶液をスプレーし、乾くまで数分そのまま放置し、乾いたら靴下を履くだけです。この時足が完全に乾いている状態でスプレーすると制汗効果が高まるようです。
効果については、複数日有効だとは言えませんが、1日でしたらかなり足の汗を抑えることが出来ます。
私も数年前始めて試したときにその効果に驚き、以来愛用しています。
実際に医療でも使われている薬品で、副作用もほとんど無いそうなのでご紹介しますが、あくまでも自己責任の範囲でお試しいただきたいと思います。

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2007年7月22日 (日)

D.I .Y. スキー靴の“シェル出し”①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆(ブーツがダメになっても保障しません!)


Alltool

最近の山スキー用のランドーネブーツ(スキー兼用靴)の性能も向上してきましたが、いくら素晴らしいブーツでも自分の足にフィットしていなければその性能を発揮できないばかりか、靴が当たって靴擦れでも出来ようものなら忌々しい高価な拷問具として私たちを苦しめることになります。
しかも、ランドーネブーツは登山靴に比べて選択肢が少なく、特に私のようにDYNAFITのビンディングを使っている場合は選べる靴はごく少数に限定されてしまいます。
かといって自分の足を履きたい靴に合わせるわけにもいきませんから、あとはブーツの方を自分の足に合わせる方法を採らざるを得ないのです。

最近主流のサーモインナー仕様のブーツは手間隙かけて上手く焼くことが出来ればかなり足にフィットさせることが出来るのですが、購入時のショップのサービスで焼いてもらう時にはそれ程丁寧にやってもらえないというのが実情ではないでしょうか。(自宅でサーモインナーを焼く方法については後日紹介予定)
特に私の足の場合“舟状骨”と“第5指中足骨”の付け根が出ていて、そこが当ってしまう場合が多くパッドを貼ったりする改造では上手く改善できず、以前は専門のプロショップに持ち込んでシェル出しをしてもらっていたました。
その手のプロショップでは、毎回店長とやらの薀蓄を延々と聞かされた挙句、かなりの金額をぼったくられ、最後はさすがプロ!と言いたくなるような上手な口車に乗せられて高価なインソールまで一緒に買わされるハメになるのがオチでした。
そこで、自分でシェル出しをしようと考え、実行してみました。

(使用する道具)

①自作ピンチクリアー  (懐の深いCクランプと、旋盤で削り出したリング&ボールを組み合わせたもの)
Pinchi

②ヒートガン       (熱量の大きいヘアドライヤーでもできるかも?)
Hgun

③放射温度計       (非接触で表面温度を計測できる)
Termo

次回はシェルを出す位置の割り出し方を解説したいと思います。
続く!

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2007年7月16日 (月)

MSRスノーシューの改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


これは以前の作品で、私のウェブサイト(現在脳死状態!)でも紹介したので詳細は省きますが、MSRのデナリ・アッセントというスノーシューをハードブーツや山スキー用のランドーネブーツで使用できるように改造したものです。

Ss1 Ss2

ベースプレートはチタンの1.5mm.厚を使い、KAJITAXのトーベイルとヒールレバーを改造して取り付けてあります。クランポン部との接合にステンレスのブラインドリベットを使用したりして軽量化を図りましたのでさほどの重量増加は有りませんでした。

Ss3 Ss4

シューに足を乗せてレバーを起こすだけで装着できますのでかなり便利になりますよ。
特にスキー靴に通常のビンディングを組み合わせと使用しているエクストリーム系の山スキーヤーや、ハードブーツ使用のBCボーダーには最高の改造だと思います。

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2007年7月15日 (日)

BC用軽量ピッケルに改造しちゃおう

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


バックカントリーツアーやスノーハイクの時に、ストック以外にピッケルを持って来れば良かったと思うことが時々ありませんか?
私も山スキーの時にはなるべくピッケルを持参するようにしており、一昨年からブラックダイヤモンド社のレイブン・ウルトラという50cmのピッケルをBC用に使っていてかなり気に入ってはいるのですが、それとは別に簡単なルート用にメチャクチャ軽いピッケルが欲しくなりました。(写真はBDのレイブンウルトラとCASSINのオールアルミピッケル)

Cassin1

そんな時、山道具の大バーゲンに行ってみたらCASSINのオールアルミ・ピッケルが激安で売っているのを見つけたのです。長さが75か80cmと長めのものばかりでしたから、たぶん長すぎて売れ残ってバーゲン品となったのでしょう。
その時ヒラメイタのです。この長いピッケルを、最近の軽量ピッケルのようにシュピッツェ部分を竹槍カットして50cmにしたら・・・そう考えて私はその大特価のイタリー製のピッケルを2本も購入することになりました。

工作は簡単です。通常この手の竹槍ピッケルは45度にカットされているものが多いようですが、私はそれではあまりにも竹槍っぽくなってしまうような気がして、取り敢えず40度で長さ50センチにカットしてみました。
このままでも緊急用としては必要にして十分なのでしょうが、切りっぱなしでも能が無いので末端にナイロン樹脂を削り出した脱着可能なエンドプラグを付けました。
Cassin2

ほんとに軽くて、スノーバーやスノースコップの柄を持つ感覚でピッケルを携行できそうです。
皆さんもバーゲンでアルミの軽量ピッケルを見つけたら、ぜひこの工作にチャレンジしてみてください。

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ダイニーマロープ With バッグ

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆(ミシンが必要です)
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★★★☆

私は、バックカントリーツアーや岩場の通過が予想される山行にはルートの予想難易度に係わらずロープの携行を強く推奨しています。
と言っても、軽い細引きでは強度不足で肝心なときに役に立ちませんし、さりとて本格的なクライミングロープでは重過ぎてザックに入れるのを躊躇しますよね。

Dnb1 Dnb2

そこで私はバックカントリーツアーを中心に、ダイニーマのΦ6mm・20mロープを自作の収納袋に入れて携行しています。
また、このような非常用のロープはループ状やコイル状にして持っていたのではイザという場合に素早く展開できません。そこで携行に便利で素早くスムーズにロープを繰り出せる良い方法を模索し、水難救助用のスローロープを参考にして山用のロープバッグを作成してみました。

ロープはYAMAHAのダイニーマロープのΦ6mmです。このロープは同じ呼び径Φ6mmのWingのダイニーマロープよりも若干細めで、引っ張り強度も1500kgと十分ながら非常にコンパクトにまとまります。

ロープバッグは420ナイロン布をメインに、一部通気性を考慮してナイロンメッシュを配しました。入り口はスタッフバックのように巾着状に絞れるようにし、底面にはグロメット付きの穴を明けロープの末端を通してあります。

バッグの中にロープを端から順次収納していくとバッグの中でロープは無秩序に押し込まれているように見えますが、こうして収納しておくと末端を引っ張り出すだけで絡んだりキンクしたりする事無く全長をスムーズに伸ばす事ができます。
軽いのでザックのショルダーストラップに下げておけば、任意の長さで繰り出せますので、沢登りの“お助けひも”としても活用できます。
これは結構便利ですよ!

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