カテゴリー「テント・シェルター」の記事

2009年11月 4日 (水)

プロモンテ VL23 は使えるテントか?②(改造編)

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(改造によってこのテントの潜在能力をが発揮されます)


(“プロモンテ VL23 は使えるテントか?①”からの続きです)

Vl33_1hp_2

前回の記事でご紹介したように、“プロモンテ VL23”はまずまずの軽量テントですが、細部には気になる点も幾つかあります。
今回はテントの細部をチューニングし、このテントのポテンシャルを最大限に発揮させる改造を行いました。

①ガイライン(張り綱)のスライダーをケブラー・ラインに合わせた細径用の物に変更して(↓左画像、㊨は細径用ランナー、㊧は標準付属のΦ3~4ミリ用、本来はデフォルトでこうなっていなくてはならないはずだ!)、さらにラインを冬用テントのようにスライダーがテント側にくるように倒立形式に結び直しました。(↓右画像、こうするとペグが使えない時、石などを支点にしたり、雪用の紐付き竹アンカーを使用するのに便利です)

Vl23run   Vl23_10

②一回り大きな VL33 と同じように、フライの短編下縁中央に薄いナイロンテープのペケ(画像↓㊧、テント・シート屋さんはロープを結ぶタブをこう呼ぶ)を縫い付けて ペグ等で外側に引けるように改造。(フライに張りを持たせ、風でバタつかず雨天時にも本体に密着しないようにして、雨漏りを防ぎ通気を良くするためです、また画像ではケブラーラインになっていますが、後に細いショックコードのい輪に交換しました)

Vl23_5  Vl23_7

③ペグダウン不能時に石等を支点にするため、フライの長辺両側中央にある短い張綱を、スライダー付きガイラインに交換。(入り口側には全室があるが、画像↓に見られるようにカタログの図と異なり後室は無い)

Vl23_9

④フライ下縁にある四隅のバックル用テープと、長辺の2個のペケの計6箇所の縫製が貧弱(一本の縫い目だけで縫製!)なため、補強縫いを行った。
薄い生地を使用しているのだから、より丁寧な縫製が必要で、せめてバータックくらいは必要な場所だろう。(他のメーカーでも同様な縫製のテントがあるが、強いテンションが掛かった時に縫い目が千切れることで本体が裂けるのを防ぐ効果??、くらいはあるのだろうが、少々手抜き過ぎだ!)

Vl23_8
(明るい赤色の縫い目が今回行った補強縫い、当初は上側の暗い赤色の糸一往復でテープが縫われていただけ!)

⑤フライをフレーム側面中央に連結する部分の構造の設計が煮詰められておらず、縫製も貧弱な印象です。
此処はテント本体に掛かる風圧をフレームからガイライン(張り綱)に受け渡す重要な部分で、この型のほとんどのテントではフライに小さなスリーブを設け、本体フレームに連結したガイラインをこのスリーブに通して外に出すという構造を採用しています。
“ VL23”では軽量化のためか、本体のフレーム部分ではなくフライシートにガイラインを固定し、その部分の裏側に紐を付けてそれでフレームに結びつける方法を用いていますが、重要な部分にしてはかなり貧弱な造りです。(又聞きですが、この部分が引き千切れた例を耳にしました)

Vl23_11_2
(デフォルト状態では薄いフライの共生地製の紐で蝶結びするだけ!)

改造の概要は、ガイライン取り付け部の裏側にテープの輪を縫いつけ、細いダイニーマロープの輪にオシャブリ(テント・シート屋さんはこのような棒状のボタンををこう呼ぶ、手元にちょうど良いものが無かったので、とりあえず①の画像にある楕円形の小径ロープ用スライダーを細く加工したもので代用してあります)を通す方法に変更するというものです。
この部分の改造は文章では表現しにくいので、画像をご覧頂きたいと思います。
また、このような構造にしなくても、ある程度丈夫な平紐を表のガイライン用テープの位置に重ねて、バータックで双方をしっかり縫い付けるだけでも十分強度が高くなるでしょう。
(デフオォルト状態では、裏の薄い紐が縦1本で縫われているため、表のテープとテープの間に縫い目が掛かり強度が不足する事態も予測される)

Vl23_12  Vl23_14
(㊧縫い目には溶剤系のシームシール剤を塗布、㊨裏側の状態と自作のオシャブリ)

フレームに固定した状態は下の画像をご覧ください。

Vl23_15  Vl23_16
(ループをフレ-ムに回しオシャブリを輪に通して固定する)

設営の際もループにオシャブリを通すだけなので手袋をしたままでも何とかなりそうですし、4箇所を一々蝶結びするより簡単で、時間も掛かりません。
また強度も確実に数倍アップしていると思います。(念のため、オリジナルの紐も取らずに残してあります)



★以上が今回行ったチューンナップの概要です。
最後のガイライン取り付け部は少々面倒ですが、それ以外は比較的簡単に改良が可能で、労を要せずこのテントの性能を格段に向上させてくれますから、このテントのユーザーには是非お試しいただきたい改造です。

また、ギアハンモックの取り付けも予定しており、最適な方法も思いつきましたので、また後日紹介したいと思います。

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2009年10月29日 (木)

プロモンテ VL23 は使えるテントか?①(検証編)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(厳しいですが、改造前のデフォルト状態ではこんな評価です)


「装備をシンプルかつ軽量に・・・」という観点から、TPOをわきまえるなら、タープやフロアレス・シェルターも悪い選択だとは思いませんが、荒天の稜線では些か辛そうですし、虫の多い季節には防虫対策にも気を使わなくてはなりません。

私自身、北アルプスの2000メートル前後の標高だから・・・、と油断していたら、一晩中“ヌカ蚊”の猛攻撃に遭った経験もありますので、油断は禁物です。(“ヌカ蚊”は荒いモスキートネットの目なら潜り抜けるほど小さく、毛髪の中にも入り込んで吸血し、小さい割には強い痒みと腫れを起こしますので、私はブヨ以上に嫌いです)
そんな吸血性の虫が多いと予想される時には、タープに拘るより、やはりモスキートネット付きでフロア一体型のテントかシェルターを持って行ったほうが圧倒的に快適に眠れますよね。

そして、最近はBDのライトシリーズに代表されるフロア一体型のシングルウォール・シェルターに注目が集まっています。
この種のシングルウォール・シェルターは私も使用していますが、通常のテントとさして変わらぬ居住性を持ち、しかも軽量・コンパクトという事でUL系ハイカーに特に人気が高いようです。

しかし、私の使用した感想としては、確かに軽いことは軽いのでTPOを考えて使用するなら非常に効果的なシェルターとなりますが、その反面前室を持たないこの種のシングルウォール・シェルターは(ソロだったら良いのでしょうが)、二人で使用するとなると靴やクッカーなど装備の置き場に困る事も多く、また強い雨風の時の居住性にも問題があるというのも事実です。
また、HEX3のようなモノポール・シェルターは、きちっと張れれば耐風性も強いですし、居住性も良く装備の置き場や調理場所にも困ることは無いのですが、実際には日本の山の多くのテント場はペグが打ち難い場所も多いため、設営に手間取るばかりでなく、そんな場所ではこの種シェルターの耐風能力を十分活かせるとは限りません。
特に積雪期には竹のアンカーでも埋めないと所定の強度は確保できないと思いますし、裾の部分の積雪対策にも苦労しそうです。

そんな訳で、日本の山のテント場では、アライテントモンベル製あるいはエスパースシリーズ等の同じような形のテントを多く目にしますが、これは日本の“山屋”が没個性的だからという訳ではなく、日本の山岳地帯の状態と、四季の気候の中で、経験的に安全性・汎用性・快適性を突き詰めていった結果、同じ結論に行き着いたと考えてあげてください。

単純思考の“山屋”の辞書には、『天気が荒れてきたら、すぐに小屋に逃げ込もう』なんて軟弱な言葉は無いですから、自己顕示や他人とカブるのが嫌だという理由だけで外国製のヘンテコなシェルターを使うような冒険はしたがらないんですね・・・。(笑)
まぁ、少なくても現段階では、多少重くても自立式のWウォールテントという平凡な形式が、日本の山の風土や山行形態に最大公約数としてマッチしているということなのでしょう。

そこで、「シングルウォール・シェルター並みに軽いWウォールテントがあれば・・・」などと考えていたら、丁度“プロモンテ(旧ダンロップ)”から従来のVLシリーズをさらに軽量にフルモデルチェンジしたWウォール・テントが発売されたのです。
とはいえ、私はこの種のテントとしては既にアライのトレックライズとエアライズ(いずれも旧タイプ)を使用していますので、興味はありましたが購入する気までは起きませんでした。

Vl33_1hpb

そんな折、たまたまこの新シリーズの VL-23 というテントを購入した知人が、「テントに気になる点があるので何とかできないか?」と相談してきたので、このテントの検証を兼ねて仕事を引き受けることにしました。
・・・と、いう訳で、今回はこのテントの特徴と、その改良について記してみたいと思います。

【テントの特徴】(概要はメーカーのサイトをご覧ください)

①本体とフライに20デニールの極薄ポリエステル生地を使用しているためとても軽量です。
ポリエステルはナイロンのような吸水性も無く、紫外線による劣化も起き難いので長期間耐久性を維持してくれそうです。
とはいえ、生地が薄いため設営にあたっては慎重な取り扱いを要求され、またガイライン取り付け部など、強風時の耐久性が気になる部分(後述)もあります。

また、本体実測重量は1480グラム(ガイライン含む、ペグ・収納袋除く)でした。
カタログデーターでは1400グラムとなっていますが、この数字はガイラインも除いた重さにしても「?」ですね。
重さの表記については各テントメーカーにより基準がまちまちで、正しい比較ができないのはこまります。
ザックに入れる状態(本体+収納袋+ガイライン)で、ペグを除いた実測重量での表示に統一(もしくは併記)してくれると比較がしやすいのですが・・・。

②組み立ては極めて簡単です。初めから中央のハブでX字型に連結されたフレーム(画像↓㊧)の末端を本体四隅の短いスリーブに挿入します。
フレームの中央がハブで固定されているのでこの状態でもしっかりと自立します。(画像↓㊨)

Vl23_2 Vl23_1_2 

次に、中央(画像↓㊧)と各フレーム3箇所ずつを幕体のクリップ(画像↓㊨)で順次フレームに連結させていけばテント本体が立ち上がります。

Vl23_2_2 Vl23_3 
  
【吊り下げ式はスリーブ式よりも強度が弱そうに感じますが、ブランド名変更以前のこのメーカー製の“ダンロップテント”(同様な吊り下げ式の超ロングセラーシリーズでした)は、私も冬山を含め、ずいぶんお世話になり、かなりの強風や荒天も経験しましたが、張り綱さえシッカリ固定してあれば特に吊り下げ式だということでの問題は感じませんでした。同じ伝統を受け継ぐこのテントについても強度に関する不安は杞憂だと思います(たぶん?)。】


そして、フライを被せ、フライ内側の4箇所の紐をフレームに縛り(この部分は貧弱な造りなので改造予定→後述)、末端のバックルを本体下部に連結すれば、あとはラインをペグダウンして完成です。
また、BDのシングルウォールシェルターのように生地エピックだったり、あるいはシルナイロンの場合は収納時に空気の抜けが極めて悪く畳むのに一苦労しますが、それに比較してこのようなWウォールテントの場合は撤収も非常に簡単です。

Vl23_11
(テント生地を袋縫いにした貧弱な紐でフレームに縛るだけ!しかも紐は縦1本の直線縫いで取り付けてある)

③前室はファスナーの位置がテンションラインとオフセットされるなど、造りや使い勝手は悪くないのですが、予想外に小さめです。軽量化のためなのでしょうが、此処はもう10cm大きく作ってくれたほうが使い勝手は数段向上するはずです。
しかし、小さいといっても2人分の靴とクッカー類を置くだけの広さは確保されています。(画像↓)
また、カタログには前室と同じ大きさの後室もあるような図が記載されていますが、あれは完全な誤表記で、後室は事実上ありません。メーカーには早急な訂正をお願いしたいと思います。

Vl23_4

④入り口のドアは有効開口部が小さく、中央にないので出入りの使い勝手はあまり良くありません。
また、ドアパネルを開放した状態でループ&オシャブリで留めておけるのですが、端から丁寧に巻いてからでないとドア端の部分が垂れ下がって非常に邪魔なので、何とか改良を望みたい所です。
また、モスキートネットが外側になっているドアは換気の面では使い勝手が良さそうです。
できれば、ドアの反対側の本体下部にもベンチレターあれば、さらに換気が良好になるでしょう。

⑤VL23では 、VL33・43と異なりフライのサイド側下縁中央に張り綱を取り付けられるように設計されていません。
短いスパンですが、短辺の中央もショックコード等で外側に引くようになっていれば、風でバタついたり、フライが本体に張り付いたりしないと思います。(ここも改良予定→後述)

⑥フレームはプレベンドはなくストレートなのですが、中央のハブで2本が繋がっているため収納には慣れが必要で(?)、やや嵩張ります。
また、フレーム径は中央部がΦ9.5mm末端がΦ9㎜とやや太めです。
軽量テントではΦ8.5mm以下を使っている物も多いのですが、このテントでは強度を出すため太めの素材を使いつつ、天井部と末端で太さの異なる珍しい構造にして強度と軽量化のバランスをとっているのでしょう。
しかし、このためか普通のテントでは標準付属となっているリペアチューブが付いていません。山岳用テントを標榜するなら標準装備が当然だと思うのですが・・・。

まあ、フレームが頑丈という事は、ガイライン(張り綱)さえシッカリ固定されていれば、それなりの耐風性は期待できるという事ですね。


Imgp3888 Imgp3892
(中央部は末端より0.5mm程直径が太くなっている)

⑦全体に細部の設計が煮詰まっていないようで、ファスナーが波打っていたり、縫製もアライテント製などと比べるとやや丁寧さ・繊細さに欠ける感があります。

⑧その他、フライ用の収納袋(画像↓中央)が別に付いているのも他のメーカーには無い(?)良いアイデアだと思います。
フライだけをすぐ取り出せるところに仕舞っておけば、雨や風の中で休憩する時にツエルトのように使用することもできて便利そうです。

Imgp3897
(本体の収納袋㊨に、フライ㊥を一括収納することも可能)

★上記を含め、私個人の主観で総合的に判断すると、このVL23は同種の競合テント、“エアライズ2(アライテント)”“エスパース・デュオ(カモシカ)”と比較して、(軽いということを除けば)いま一つ見劣りする気もします。

その一つの理由は、上記2種は短辺130cmなのに、VL23は120cmと少々狭いからということなのですが、これは靴をテント内に収容しなければならない積雪期には、幅130cmが2人用のミニマムと私が考えるからです。
もちろん、前室に靴を置ける時期においてはこのままでも十分我慢できる寸法である事は確かなので、3シーズンのみで考えるならこの大きさでも不満はありません。
(ちなみに、私自身も夏場は、もっと狭くしかも前室も無いBDのハイライトも使ってます)

テントを軽く作る最も簡単な方法は、寸法を小さく作ることなのでしょう。
しかし、用途に合わせた最低限の寸法を確保しながら今以上の軽量化を図るのは、軽量化競争の中で逓減を続けたテントの重量がボトムに達した現在、そう簡単な事ではないでしょうから、どこで重さと大きさの折り合いをつけるかはメーカーのポリシーに任せるほかないのかも知れません。

まあ、テントを収容人数に対する重さ(軽さ?)だけで短絡的に評価する登山者も少なくないのですから、このように1グラムでも軽く仕上げようというメーカーのマーケット戦略も理解できない訳ではありません。

しかし、もしこのテントの短辺が130cm(長辺もできたら210cm以上)あって、フライに後室があって、そして本体後部中央下にベンチレターを兼ねた小さな窓があって、そこから後室にアプローチできたなら・・・、多少重くなっても、2人用で“3シーズン+α”の軽量テントとしては文句無くベストバイ・テントになると思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょう?。
ただ、軽ければ良いってもんじゃないような気もするんですが・・・。

★とは言え、全体を見れば素性の悪いテントではないようですので、細部の気になる部分に自分で手を入れ、少々チューニングすればもっと良いテントになりそうです。

自分が好意をもった製品ゆえ、辛口の評価になりましたが、本音を言うと私自身かなり欲しくなってしまった製品ではあります。(笑)

で・・・、次回は、この VL-23 をより良い状態にする改造について記事にしてみたいと思います。

(以下「改造編」に続く)


【余談ですが・・・】 -テントの収容人数・考-

大昔の家型テントの収容人数の基準寸法(モジュール)は、一人当たり6尺×1尺5寸・180cm×45cm、つまり1畳に2人、でしたが日本人の体格が大きくなった今ではこんな単位は現実的ではありませんよね。

上記のテントのメーカーは日本古来の“尺”を単位とした独自のモジュール(メーカーでは、1モジュールを概ね2尺×6尺8寸と考えているらしい?)を基準とし、2人用なので幅は4尺(121.2cm≒120㎝)と決めたようです。
そして公式サイトでも、尺寸の方が人間の身体感覚に適合している、とも解説しています。
しかし、尺寸自体、成人男子の平均身長が160cmに満たなかった近世以前の身体を前提にして決められたものですから、高校生男子の平均身長が170センチにも達した現在、この理屈ががそのまま通用するかは疑わしいと思いませんか?。
なにせ、寸法を決める基準となる身体そのものが大きくなってしまったわけで、尺骨の長さに由来する、1尺=30.3cm 自体が根拠を失っているんですから・・・。

また、日本の住宅の伝統的モジュールである“畳”にしたって、江戸間の1間が6尺なのに対し、京間では6尺3寸ありますから、江戸間の1畳は柱割という理由もあって、2尺9寸×5尺8寸(880mm×1760mm)なのに対し、京間では柱割りでなく畳割で家を建てますから、1畳の寸法も、3尺1寸5分×6尺3寸(955mm×1910mm)となっており、同じ人の身体を基準にするといっても“住まう”ことに何を求めるかで1モジュールの大きさにもずいぶん違いが出てくるのです。(以前、京間に暮す人は狭い江戸間を見下して“田舎間”なんて呼んでたそうですよ)

この新しい VL23に、旧モデルの VL*1シリーズの冬用外張りが流用可能かは知りませんが、前モデルと同様、荷物の多い積雪期に使用する事も視野に入れて設計しているなら、この寸法の基準にいつまでも拘泥するのは如何なものかと思います。
「狭いならプラス1人用を選べ」というのでは軽量化になりませんからね。

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2009年8月22日 (土)

BD/ハイライトにも、ギア・ハンモックを

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前、BD/ファースト・ライトのギアハンモック(画像↓)製作についての記事を書きましたが、今回はBD/ハイライトのギアハンモックの作り方についてご紹介したいと思います。

Ghc


BD/のライトシリーズのようなインナーフレームテントにギアハンモックを付ける場合、強度弱い幕体のループを使用せず、フレームに荷重が掛かるような工夫をしたほうが良い事は以前にも述べたとおりです。
ファースト・ライトの場合は、構造の関係でどうしてもフレームに直接支点を設けなければなりませんでしたが、実際に製作して使ってみたところ自画自賛したいくらい便利で有効な改造であると実感しました。

そこで、その後に若干軽量だという理由だけで衝動買いしてしまった、同じBDのファースト・ライトにもギアハンモックを付ける事にしました。
(このテントは軽くコンパクトなのは良いのですが、底面は台形ですし天井は低く2人で快適に使うには少々狭く、余裕のある一人用テント、又はギリギリに重量を絞った2人用UL 山行テントと割り切ったほうが良いかもしれません・・・)

さて、どのような構造にしようかと内部から天井を眺めていたら・・・、我ながら良いアイデアが思いつきました。
このテントは2本のメインフレームと庇用のサブフレームの計3本のフレームを骨格としているため天井部にフレームで区切られた三角形のスペースが形作られており、このフレームの交点を利用する構造にすればフレームも無改造で、しかもシンプルかつ軽量にギアハンモックを設定できそうなのです。

そこで早速作成してみました。

構造は画像をご覧になれば一目瞭然だと思います。

Gh1
(本体は47cm・47cm・41cm の二等辺三角形、重さは10g )


フレームの3角形に合わせ平打ちの細紐で二等辺三角形の枠を作り、そこに軽いメッシュ地を縫いつけました。
頂点の部分のループにはショックコードの輪を結び、メインフレームの交点にヒバリ結びで固定し(画像↓㊧)、他の2点は細紐でメインとサブフレームの交点に結びつける(画像↓㊨)シンプルな構造としました。

Gh2  Gh3


外見は画像でご覧になれるように“ハイレグビキニ”のような妙な形となりましたが、ファースト・ライト用のギアハンモックより小さいものの、小物の整理には十分な大きさです。

この夏に初めて山でハイライトを使用(画像↓)しましたが、ギアハンモックがあると狭いテントの中で就寝時にメガネを引っ掛けたり小物やライトを置いたりかなり重宝しました。

0908_135

また、特に今回便利だと感じたのは、”山ラジオ”を感度の良い方向に向けてこのギアハンモックに置くと、とても聞きやすかったですし、またライトを下向きに置くとメッシュ越しに下向きに光が拡散し良い感じでした。(昇圧回路式LEDライトとラジオは15センチくらい離さないと音声にノイズが入ります)

Gh4


ただし、元々天井の低いテントですのであまり物を置いて垂れ下がらせると、2人で使用の場合ハンモック側に座った人には少々鬱陶しいかもしれません。

なお、メッシュ張りにせず紐を三角形の格子状に結んだものでも十分実用になると思います。
何れにしろ簡単な工作ですし、狭いテントの中で小物の置き場を確保し、テント生活を僅かながらでも快適にしてくれる小技として、自信を持ってお勧めしたいと思います。

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2009年7月16日 (木)

BD/ファースト・ライトにギア・ハンモックを

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


山岳地帯のシビアな環境で使うテントについて、私的にはダブル・ウオールの前室付きテントが総合的に優位に立っていると考えています。

しかし、軽量コンパクトという観点に着目すれば、BDのインナーフレーム式シングルウォール・シェルターなども、かなり魅力的な製品群であると思います。
中でもBDの“ファースト・ライト”は軽量で、2人が余裕を持って使用できるシェルターとしてはベストな製品の一つだといって良いでしょう。(“ハイライト”は2人だと居住性に少々の諦めと割りきりが要求されますからね・・・)

しかしながら、装備の多い山行形態や積雪季に2人で使用するとなると、“ファースト・ライト”でも些か床面積の狭さが気になるのも事実です。

そこで私は、眼鏡・サングラスやゴーグル、またヘッドライトなどを置いておくためのスペースを確保しようと“ファースト・ライト”の天井部に自作のギアハンモック(ギアラック)を取り付けて便利に使用しています。(画像↓)

Gha
(デフォルトのループより高い位置にしたので居住性にはさほど影響はない)

とはいえ、この種のインナーフレームテントは構造上ギアハンモックの取り付けが困難なものがほとんどです。
この“ファースト・ライト”も幕体内側の天井部に小さなループが4箇所付いていますが、ここを利用してギアハンモックを吊るすとなると荷重がフレームに分散されず、縫い目に過負荷がかかってしまいそうです。

Gh0
(最初から付いているループだと幕体の縫い目に負荷がかかる)

特にこの種の撥水性の高い極薄生地は末端が解れ易いので、ここに大きな荷重を掛けると、場合によっては縫い目が開いたり、シルネットの防水にも影響がでそうな気がして、小さなランタン程度しか吊るす気になりません。(おそらく純正でギアハンモックの設定が無いのもこの理由からなのでしょう)
また、この位置にネットを張ると、どうしてもヘッドスペースに圧迫感がでてしまいますので若干高い位置にしたほうが居住性を犠牲にしないで済みそうです。

そこで、強度のあるフレームに直接支点を作って、そこからギアハンモックを吊るす方法を考えてみました。
こうすれば、この支点を利用して、かなりの荷重に耐えるギアハンモックの装着が可能になるはずだからです。


★まず、フレームに4箇所の支点を作ります。

まずショックコードを外し、フレームを分解しますが、最上部の2本がプレベンドになっているので間違えないように注意しましょう。(面倒でも、分解しないと下記のビニールホースは通せません!)

Gh1
(シンプルで合理的なショックコード末端の処理、この結び目を解いて分解する)

頂点からそれぞれ約30センチのところにマークを付け、そこに短く輪切りにした内径7ミリの耐油ビニールホースを通します。
通し難いので水やアルコール等でフレームとホースを濡らすと作業がやや楽になります。(石鹸水や油脂類だと固定が不十分になりますので使用してはいけません)

次に、細いナイロン紐を2連のインクノットでフレームに通したビニールホースの上下に固定し、短いループを作っておきます。
詳細は画像↓を参照してください。

Ghlop



★続いてギアハンモックを縫います。

軽量のメッシュ地の周囲に、細い平打ちのナイロン紐を縫い付け、四隅に小さなループを作っておきます。
また、長辺にはメガネやライトを引っ掛けられるようにナイロン紐を二重に縫い付けておきました。
この四角のメッシュの角からショックコードのループを介してフレームの支点に連結するようにすれば完成です。

Ghmesh  Ghmeshw
(15グラムなら細引きとさほど変わらない重量だ)

画像では、ループへの連結は釣り用のスナップを使用していますが、これは現在プラスチックのフックに変更しております。
取り付けて使用している様子が下の画像ですが、直接フレームに加重がかかりますので、かなり(?)の重さを載せてもOKです。

Ghx  Ghb  Ghc


★また、ギアハンモック本体の縫製が面倒なら、細紐を4辺と対角線を一筆書きができる形に結んでおいて、それをフレームに作った支点にフックで引っ掛けるだけでも、ほぼ同様に使用できるギアラックができるはずです。

それも面倒なら、フレームのループに細引きを通すだけでも十分実用的なモノ掛けとなるでしょう。(画像↓)

Ghline  Gloop2
(フレームにループ㊨だけ付けておけば予備の細引きで実用的なモノ掛け㊧ができる)

BDのインナーフレーム・シェルターをお使いの方には、フレームの支点だけでもかなり有効な付加機能となりますので自信を持ってお勧めしたい工作だと思います。

●なお、これとは別にBDの“ハイライト”用の、ギアハンモックも作製しており、こちらは少々居住性が犠牲になりますが、フレームの改造無しに取り付けられる構造となっておりますので、またの機会に紹介したいと思います。


(ところで・・・)
このテントは畳む時、とてもに空気が抜けにくく、毎回イライラするのですが・・・、何か良い畳み方の裏技をご存知の方はご教授ください。

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2009年7月 8日 (水)

“HEX 3”の便利技「新・三角張り」とは?②

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



『“HEX 3”の便利技「新・三角張り」とは?①』からの続きです。

★準備ができたら、さっそく張ってみましょう!。


まず入り口のジッパーを閉めた“HEX 3”を地表に広げ、基準点の目印の輪(画像では緑色)を付けたループをペグダウンします。
ここで入り口の方向が大体決まりますので風向き等を考えて位置決めをしましょう。
(今になってから気付いたのですが、強風時の設営を想定するとドアパネルの反対側を基準点にしておいたほうが幕体を展開しやすいかもしれません。反省!)

また、砂埃で幕体内部が汚れそうなら中央にシートを敷いたりザックを置いておきます。

Peggr
(本体のループをペグダウン・「目印の輪をペグダウン」ではありません!!・画像では判りやすいように敢えてピンク色のペグを使っています)


次に、入り口の方向を微調節しながら、細引きの輪の目印(画像では黄色)を付けた2箇所のループを順次、適度なテンションを掛けながら引くと自然に正3角形に広がり3つの頂点の位置が自ずと決定されますから、この状態で残り2箇所にペグダウンします。
 

Trit
(この状態での幕体の形作る正3角形の一辺の長さは約280センチ)

慣れればマーク用の細引きの輪は必要ないかもしれませんが、“HEX 3”にはサブを含めるとペグループが計11箇所もあり、かなり紛らわしいので(しかも私は石でも固定できるように、サブのループにもプルージックの簡易アジャスター付ループを付加してあるのでなおのことです・・・)、目印があると素早い対応が可能ですし、日没後や悪天時での設営に大変便利です。



その状態で③で付けた幕体下裾のマークの位置を基準に後述の目安でペグを刺し(画像↓㊧)、そこに既にペグダウンされている目印(黄色)を付けたペグダウンループを掛け替えます。

もう1箇所も同様にすると幕体は弛んだ正3角形状(画像↓㊨)になります。

また、工程②の段階で最後のペグを打たず、位置決めができたらそのまま幕体のマークの位置にペグダウンすれば工程の簡略化も可能です。

【つまり、この例の場合目印(黄色)のループのある幕体のコーナーの位置が、基準点の目印(緑色)を付けたループの方向に約20cm移動するということです。

ペグを打つ位置は、アジャスターを最短にした場合でペグループの先端から20~23cm(ループの付け根から11~14cm)、アジャスターを10cmほど長くした場合では、伸ばしたペグループの先端から23~26cm(ループの付け根から5~7cm)、位を目安にすると良いでしょう。

また、アジャスターの長さが同一という条件なら、底面を正6角形した場合、はじめにペグダウンしたループから掛け替えるペグまでの距離が長くなればルーズに、短ければタイトな張りあがりになります。】


13cm   Trid  
(画像㊧、左のペグから約20センチ離れた右のペグにループを掛け替えると弛んだ正3角形㊨に・・・、なお画像の私のHEX3のマークは最短にしたループの先端から22センチ、ループの付け根から13センチの位置にあります)


次に中間にある目印の無い残り3箇所のメインペグダウンループを適度のテンションで外側に張りながらペグを打ちます。
これで、ほぼ正6角形の底面が出来上がるはずです。


ここで上手く正6角形にならないようでしたら、工程②・④でのテンションの掛け方を工夫したり、幕体のマークの位置とペグとの距離を変更してリトライしてみましょう。


後はドアのチャックを開けて中に入り、ポールを立ててテンションを掛ければ完成です。
その後必要なら、メイン・ペグループのアジャスターを調整し、続いてサブ・ペグループの必要箇所にペグを打てば完成です。

また、幕体と地面の間をもう少し離したい時は、アジャスターを均等に緩めてからポールを伸ばせばOKですが、さらに大きな間隙を作りたい時は全てのペグの位置を外側に移動しないと良い形には張れません。

Hex3

まぁ、力加減で多少の誤差は出ますが、“HEX 3”を初めて使う方でもこの張り方を使えば、一人でも問題になるような歪みを出さず、ペグの効く場所なら数分以内で張ることも可能でしょう。
簡単なアイデアですが、一人でより正確に“HEX 3”を張るにはベストに近い方法だと思います。

★まだ改善の余地はあると思いますので、“HEX 3”や“Shangri-La 3”のオーナーの方で、もし試してみてマークの位置等に訂正や新しい提案がありましたらコメントいただければ幸いです。

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2009年6月30日 (火)

“HEX 3”の便利技「新・三角張り」とは?①

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


ご要望におこたえし・・・
『“HEX 3( ≒ Shangri-La 3)”ネタをもう一つ!』

GOITEの“HEX 3( ≒ Shangri-La 3)”は軽量コンパクトながら快適な居住空間を持ち、しかも抜群の耐風性を誇る優れたシェルターです。(山岳用テントとして抜群に優れているという意味ではありませんが・・・)

また、“HEX 3”はオプションのフロアーやネスト(蚊帳付きフロアー)を併用することも可能ですが、これらのオプションは何れも重く、使用時の快適性は得られても、このシェルター本来の“軽量コンパクト”というメリットはかなりスポイルされてしまいます。
私も“HEX 3”が生産終了になるという話を聞き、「買うなら今しかない!」と慌ててフロアーのみ購入してしまいましたが、重たいし嵩張るし・・・で、実戦では使用していません。

Hexw1  Hexw2
(画像のようにフロアー㊨の重さは実測でも本体㊧とあまり変わらない・尚、本体重量は後付けループ等含む)

やはり、“HEX 3”はあくまでキャノピーのみ!フロアレスで使うというのが“UL 正統派?”としての正しい作法だと思います。

Golitesugoroku

さて、この“HEX 3”の設営についてですが、オプションのネストやフロアーを併用する場合はそれをテンプレートにして底面を正確な六角形に張れるのですが、単体の場合にはきちんと正六角形にペグダウンするのに少々の経験を要します。

実際の山岳地帯では、地形の凹凸や埋まった石などで打ちたい位置にペグが打てなかったりするのが普通ですから、必要に応じてアジャスターを伸ばしたり細引きと石を使用したりと臨機応変な対応が必要ですが、基本は底面をなるべく正確な正6角形にして、均等なテンションで張ることです。
形良く張れていれば風でのバタつきも少なくなりますし耐風性も高まるはずです。


まあ、ぶっちゃけた話をすれば二人以上の人数で作業するなら、目見当でアバウトに形を整えて広げてペグを打ち、張ってからアジャスターで調整すれば全く問題なく使用できるのですが・・・。
しかし、ヘソ曲がりな私としては、“HEX 3”を単体で、しかも一人だけでなるべく正確な六角形に張り上げる術は無いものかと考え、机上および実地での試行錯誤を繰り返した結果、最善と思われる(?)方法に辿り着いたのです。


原理は「1つの角を共有する相似の正三角形」の応用という単純なものです。
“HEX 3”の底面の形態は、概ね半径150cmの円に内接する、1辺150cmの正6角形です。
また、この正6角形の6つの頂点のうち1つおきの3点を結ぶ正3角形(半径150cmの円に内接する正3角形)の1辺の長さを計算すると、sin60°=√3/2ですから、300×√3/2≒259.8cm→≒260cmとなります。

まずこの半径150cmの円に内接する正3角形の頂点に“HEX 3”の底面の6つの頂点の内、1つおきの3点を固定すれば自ずと他の3点の位置も円周上に定位させられることになります。

また、“HEX 3”の6辺の内、連続する2辺を適度なテンションで張った時の両頂点間の実測長は279cm(≒280cm)でしたから、上記の半径150cmの円に内接する正3角形の一辺の長さ260cmとの差は19cm→約20cmとなります。
そこで、1つの角を共有する2つの相似の正三角形で、大なる正3角形の1辺の長さが280cm、小なる正3角形の1辺の長さが260cmだとすると、大なる正3角形の共有されていない2点を共有されている頂点方向に20cm移動すると小なる正3角形と合同になるのは当たり前ですよね。 ・・・と、こんな簡単な原理を使うだけです。
なお、HEX3のカタログスペックでは対角長120in(304.8cm)ですから、これで計算すると内接する正三角形の1辺は≒264cmとなりますが、実測したHEX3の底面の1辺が150cmだったので、この数字を使用しました。



久々に私の中学生レベルの数学能力をフルに使って見たものの・・・、結果はOKだったのですが、正直なところ実際に張ってみるまで実用可能かまったく判りませんでした。

これが前回の記事で『必殺三角張り』という名でご紹介した方法ですが、これだと名前がカッコ悪いので今後は『新・三角張り』と改名させていただきます。(笑)

この『新・三角張り』は、従来裏技とされていた『ポール・コンパス張り』(ポールに半径と一辺のペグ間隔の長さのマークを付けて作業する)や、『元祖・三角張り』(目分量でルーズな正三角形に3点をペグダウンし、ポールを立ててから残りをペグダウンする)と比べても、かなり簡単に、しかもピシッと張る事ができますので、単体使用がメインの“HEX 3”オーナーの方は憶えておいて損は無いと思います。


★では順を追ってこの方法を説明していきましょう。


まず、周囲にある6箇所のメイン・ペグダウンループの任意の1箇所を基準点としそこに目立つ色の細引きの輪(画像↓では緑色)を目印として結びます。(この細引きの輪は状況によりペグダウンにも使用します)

Gr



次に1個おきに(120度間隔)2箇所のメイン・ペグダウンループに、①と違った色(画像↓㊧では黄色)の細引きの輪を結んでおきます。

Ye  Yegr
(㊨2色に色分けした3つのの目印)

私はドアパネル右サイドのジッパーがある位置を基準点にしましたが、ここだとジッパーがありますので敢えて色分けしなくても識別は容易かもしれません。



そして、②のループから①の基準ループまでのスパンの幕体の裾の縁に②のペグダウンループの先端から20センチの位置に仮のマークを付けます。(画像では判り難いかも知れませんが、右のピンクのペグの近くの幕体の裾にある白い線がマークです)

13cm

私の場合は地表になるべく近く低く張りたいので、はじめからで全てのアジャスターを最短に近い位置まで戻しておきますから、この状態でループの先端から20センチ、ループの付け根の中心から11センチの所を仮マーク位置としました。

通常はこれで問題無いと思いますが、位置決めの過程でのテンションの強さによっても3センチ程度の差異は生じるでしょうし、地表とシェルターの間隔を広くとりたい場合などは条件が変わってきます。
地表との間隙を広くとるため、アジャスターを任意長に伸ばした状態で設営する場合は、その状態でループの先端から20センチの位置に仮マークし、トライアンドエラーで微調節してみてください。

まずチャコ等で仮マークをし、実際に張ってみてから各自でマークの位置を決定した後、ダーマトグラフやペイントマーカー等で消え難いマークを付け直すと良いでしょう。(目立つ色の糸で裾の部分に2~3針縫い目のマークをを付けるのが理想かな・・・)

“Shangri-La 3”の場合は張った事が無いので不明ですが、ほぼ同様な対応で大丈夫だと思います。(HEX 3 より若干小さいので、マーク位置とペグループの間隔を心持ち近づける必要はあるかもしれません、念のため底面の一辺の長さを実測して数値を計算してみてください)

以上で幕体自体の加工は終了です。
次回は実際の設営手順をご説明しましょう。

【以下、続く】

(おわび)
本日(6/30)、Niftyのシステム障害により、テストでアップした推敲前の記事が訂正も消去も操作不能となり、暫くの間公開されていました。
正式な記事に訂正して再掲載いたします。

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2009年6月25日 (木)

“HEX 3”宴会テント化計画②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


「“HEX 3”宴会テント化計画①」からの続きです。

さて、早速ポールジョイントを使ってポールを連結してみましょう。
使用するポールは、できればなるべく長く伸ばせるものを使いましょう。
今回は130センチまで伸ばせるものを2組使い支障無く張ることができましたが、最大伸長が125センチ未満のポールだと長さが不足すると思われます。

J6
(自作のジョイントを使うと素早く確実にポールが連結できる)

画像のようにグリップを向き合わせ、2本のストラップを締め付けてしっかり固定します。
テント頂点の幕体に当たるポール先端には保護のためラバーキャップを嵌めておきます。(建ち上げた後に先端の合わさった部分を細引きかストラップで簡単に縛っておくとなお良いでしょう)

後は普通?に“HEX 3”を建ち上げれば完成です。
2本のポールを揃えて上端を頂点に当て、伸ばしながら開いていき、接地するチップをペグのように地面に刺し、2本均等にテンションがかかるように長さを調整します。(この段階で自分の使用しているトレッキングポールにまだ伸ばせる余裕があるなら、その分を計算してスペクトララインを長めに調節し、オーバーラップ長を可能な限り大きくしておけば構造的強度はより高まります)

テンションを掛けるとポールがジョイント部分から内側に少々屈曲しますので、モノポールに比べてやや縦方向の荷重にに弱いようにも感じますが、通常の使用で少々風が強い位では特に問題は無いと思われるレベルです。

E1  He
(ポールの接地点を外縁ギリギリにすると㊨画像のようにポールが幕体に接します・気になるなら少し内側にポールを移動しても良いでしょう)

さて、中に入ってみると・・・、邪魔だった中央のポールが無くなったことで、著しく居住性がアップしたことに驚かされるはずです。

これで目出度く、最高の宴会用テントが出来上がりました。(鍋パーティーだってできますね!笑)

He2_2  He3 
(見よ、この開放感!!センターポールが在ると無しでは居住性が全く異なります)

また、センターのポールが無いと3人寝ることができますので、3人での山行の時はポールを3脚状に組むと更にしっかりした構造になると思います。

今回は、ポールの連結が確実で簡単にできるよう、私なりの設計でジョイントパーツを自作しましたが、他にもいろいろな連結方法がとれると思います。
“HEX 3”のオーナーはもちろん、その他のモノポールシェルターをご使用中の皆さんも、一度試してみてはいかがでしょうか?


【予告?】
当方、この“HEX 3”を純正フロアーを使わずに単体で正確な6角形に、しかも一人で張り上げる「技」、人呼んで「必殺三角張り」を一昨年に編み出しております。
これは、3箇所のペグループに目印を付け、幕体の2箇所にマークをするだけで簡単かつ正確に、“HEX 3”を建てられるユニークな?方法です。
いずれ記事で紹介いたしたいと考えていますので、(必殺というほどの技でもないですから・・・)期待せずにお待ちください。

    

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2009年6月18日 (木)

“HEX 3”宴会テント化計画①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


ゴーライトの“HEX 3(≒Shangri-La 3)”は4人程度の宴会テントとしては優秀なのですが、センターのポールが邪魔になり、鍋物を囲むことができない、というのが難点でしょう・・・、と言うのは半分冗談ですが、やはりフロアのド真ん中に柱があるというのは何かと不自由なものですよね。
また、床面積は大きくてもこのセンターのポールのおかげで就寝可能人数も2人に限定されてしまうというのも勿体無い気がします。

そこで、今回は邪魔なセンターポール無しに“HEX 3”を設営する方法について考察してみました。

He2
(今回は、画像のようにセンターポール無しに HEX 3 を設営するための試みです)

要は2~3本の長いポールを使ってティピーのように合掌式にすれば良いだけなのですが、実際にやるとなるとかなり長いポールを2本以上別に用意せねばならず、ポールを別に持つとなるとそれだけで幕体以上の重さになってしまいそうです。

また、以前の記事で、トレッキングポールを2本継いでセンターポールにするジョイントを紹介しましたが、これだと145センチまで伸びる長いトレッキングポールを2本使っても必要な長さにはまったく届きません。(長さ1メートル近くのジョイントを作れば可能なのですが、これも現実的ではないでしょう)
HEX 3 の寸法を考えると、合掌式ポールにした場合、最低でも230センチの長さは確保する必要がありそうなのです。

そこで、BDの“ポールリンクコンバーター”のような方法で2本のトレッキングポールをグリップ部分で継ぎ、長いポールを2本作らねばならないことになります。
しかし、ポールを中央に垂直に立てる構造だと、ポールに掛かるのはスラスト方向への荷重が殆どですから問題無いのですが、長いポールを合掌式に斜めに組んだ場合は自重も含めラジアル方向にもそれなりの力が掛かりますので、前述のポールリンクコンバーター程度の固定方法では強度が不十分だと思われます。
また、ポールリンクコンバーターをそのまま使ったのでは、オーバーラップ部が長過ぎて全長も短かくなり、今回の用途には不向きでしょう。

そこで、2本のポールを最短のオーバーラップで確実に継げるようなジョイントパーツを自作することにしました。
20ミリ幅のナイロンテープをミシンで縫製し、画像のように幾つか試作してみましたが、いずれもテープを十字にクロスさせ(画像↓㊨)グリップエンドを包み込む構造です。

本来2個のグリップは距離をあけて(オーバーラップを大きくとって)固定したほうがラジアル方向への強度が高まるのですが、概ね230センチという長さを確保するためには、ジョイントパーツは両方のグリップの間隔をギリギリまで近付けて長さを稼ぐ必要がありそうです。

M1_2  M2
(工業用ミシン㊧が無くても、家庭用ミシンでバータック縫いをすれば強度はOK)

当初は一体型で2タイプ(画像↓㊧の右2つ)試作してみましたが、最終的にはクロスさせたテープのパーツ2個をスペクトラ製の細いラインで連結させた構造が、軽く調節もきいて良さそうだとの結論に達しました。
(十字型のパーツは、スペクトララインで連結されない側の腕の長さを、他の3本より短く作るのがこの工作のキモです)

M3  J2
(㊧試作した3タイプ、左端が最終型、㊨画像のような状態で装着する)

なお、2本のポールを束ねる部分のストラップのバックルですが、このようなコンベックス面に乗るような場所では、通常のザックのストラップに使用されている折り返し式のバックルでは緩んでしまいますので、締め付け難くても画像のようなレバー式のプラスチックバックルを使うのがベターだと思われます。
このタイプのバックルで入手が容易なのは、“Nifcoの ST-20”か“YKKの コキ・20mm”だと思いますが、私の印象ではST-20のほうがやや丈夫そうな気がします。(ベルクロストラップでも可能だと思いますが耐久性が心配されますので今回はパスしました)

St20
(左2つが“Nifcoの ST-20”、右2つが“YKKの コキ・20mm”)

さて、2本のポールの連結は、2つの十字型テープをそれぞれのグリップエンドに被せ、荷重がかかる方向に力を加えると自然にスペクトララインが締め付けられてグリップエンドが固定される構造です。(画像↓)

Pja  Pjb
(先端を折り返して縫った十字型パーツに画像のようにスペクトララインを通す)

グリップエンドが固定されるのと同時に、ポールの重なり代も固定されますから、続いてグリップ側にあるバックルのついたストラップをポール側でクロスさせるように回してからグリップ側に1周回してバックルで固定します。(画像↓㊥・㊨)
こうするとしっかり2本のポールが固定されます。
文章では解り難いと思いますので画像をご参照ください。
(このポールジョイントを1個使って、通常のモノポール仕様で使うことも可能ですが、その場合は全長が170センチ程度で十分なので、スペクトララインを長めに調節してポールのオーバーラップ部分を長くしたほうが強度が上がります)

J1  J3  J4
(㊧荷重がかかるとスペクトララインが自動的に締め付けられる)

さて、このジョイントパーツを使って連結した長いポールをを2組用意できれば、後は宴会用?“HEX 3”を立ち上げるだけです。
はたして上手く張れるでしょうか????

(以下、続く!)

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2008年10月 9日 (木)

“山屋”なら“ツェルト”でいきましょう!②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(自立式のテントのほうが快適で設営も簡単ですが・・・)


Zelt3  

【“山屋”なら“ツェルト”でいきましょう!①】からの続きです。

石井スポーツの“ゴアライト ツェルト”はかなりの優れものなのですが、基本はあくまで緊急用のツェルトですから、軽量テントとして使用するとなると当然のように不足する機能も多々あります。

まず、トレッキングポールや流木をポール代わりに使用して簡単・確実に設営できるようなパーツを作ってみました。
ナイロンテープをクロスさせて縫い(画像↓㊧)、2ミリのダイニーマロープと組み合わせ、トレッキングポールのグリップや流木の末端に被せるだけでしっかり張り綱を固定できるようにしました(画像↓㊥)。
このパーツはツェルトだけでなく、シェルターやタープの設営にも便利ですから皆さんも作ってみてがいかがでしょうか?

さらに、テントのリッジに直接張り綱のテンションがかからない様なシステムとしました(画像↓㊨)。
また、張り綱は総てΦ2mmのダイニーマロープにして軽量化を図りました。(詳細は画像をご覧ください)

Misinn1  Zelt_2  Zelt

また、ツェルトは非常時に被れるように、結んだ紐を解くと底がフルオープンするようになっていますがこれではテントとして使用する場合問題がありますので、後半の部分の底をミシンで縫ってしまいました。

次にベンチレターにモスキートネットを取り付けることにました。
ネットの素材は激安バーゲンで購入したキャンプ用の蚊帳です。
画像のようにネットを円筒状に縫い、ベンチレターの巾着部分にミシンで縫い付けました。
ネット自体も細引きで巾着状に絞れるようにして、ネットが不要なときは完全に開放することも可能なようにしましてあります(画像↓)。

Zelt_1

実際に使用した結果ですが・・・、このツェルトのベンチレター自体が構造的に垂れ下がってしまうため元々換気効率が非常に悪いのに、さらにネットを取り付けたためネットを閉じてしまうと換気が頗る悪くなりました。
まだまだ工夫が必要のようですが、現在のところ本体の巾着部分1周にラケットのガットを通して円筒形状を維持させ、上部で吊って通気性を確保できるようにしようと考えています。

さて、ツェルトといえばはかなり古典的な山道具の典型かもしれませんが、工夫次第ではテントと同様に快適ですし、現代でも立派に通用する、快適な先鋭的ウルトラライトアイテムとして復活する可能性もゼロではないかもしれませんよ・・・?


※(わが国では緊急用の簡易テントをツェルトと呼び習わしていますが、ドイツ語で単に"Zelt"と言うと普通のテントという意味になってしまうそうで、この種の製品は正しくはツェルトザック(Zeltsack)と言わなければならないそうです・・・)


〈余談ですが・・・『熊さん対策』〉

最近、山野井さんの事件もあってか、登山における『熊』対策について話題となっていますが、この件についての私見を述べてみたいと思います。

結論から言うと、『熊』をあなどってはならないということです。

伝聞や過去の経験から、高を括っったり妙な自信を持っている方も多いようですが、私達の性格に個性があるのと同様『人も色々・熊も色々』だと考えたほうが良さそうです。『“熊”とはこういうものだ』とステロタイプ化するのは明らかに危険な誤りだと思うのです。

まずは“福岡大学ワンダーフォーゲル部の日高における事故”をクリックしてご一読ください。(その他、検索すればこの事故についての記述は多いと思いますし、古いですがサンケベツの惨劇の記録なども、合わせてご覧ください)
福岡大の事故は私が大学山岳部現役在籍中の事件で、当時大変ショックを受けたことを今でも鮮明に覚えています。
これらをご覧なれば私が冒頭に述べた結論にご納得いただけると思います。

「熊に鉈で立ち向かって命拾いした」話も実話なのでしょうが、熊と間合いを詰めた勝負をしても、まず勝ち目はありません。ヒグマだけでなく月の輪熊でもです。
以前お話しを伺った鉄砲撃ちの方の表現では熊の前足の攻撃は、「バットの先に漬物石を縛りつけて、それに手鉤を5本縛り付けて、それでフルスイングで殴られるような・・・」だそうです。

(まあ、鉄砲撃ちの方の多くは(?)話の相手が若造や素人だと見切ると突然ミュンヒハウゼン男爵と化し、脚色過多の武勇伝や、「お前だけに教えてやるが・・・」系の楽しい話をたくさん聞かせてくれます。しかし、これらの話はあまり参考にしないほうが身のためです。彼らは30-06ライフルやスラッグ弾専用銃などという民生用では我が国で最も強力な武器を携えているから強がりも言えるのでしょうが、私たちは丸腰なんですから・・・。)

また牙での噛付き攻撃の方も猛烈そうです。
関東の美渓ナルミズ沢の入渓路にある、宝川温泉・汪泉閣は人気の温泉宿です。
この温泉には月の輪熊が数頭飼われており、温泉客は檻を挟んで熊と至近距離で対面し、餌を投げ入れることができます。
そして、桃の収穫時期になると落果した出荷できない桃を熊に与えられるよう檻の脇に置いてあるのですが・・・、桃を投げ入れたとたん、彼らは桃に喰らい付き、あの硬い桃の種をまるで麩菓子のようにバリバリと何も無かった様に噛み砕いて丸ごと飲み込んでしまうのです。月の輪熊ですらこんな感じです、北海道のヒグマだったらたぶん人間の頭の骨など簡単に噛み砕いてしまうでしょうね。
よい温泉ですし、日帰り入浴もできますので山の帰りにでも寄って、熊と至近距離で向き合い餌をやるのも良い経験だと思います。(山の帰りに汗を流すには高額ですが・・・)
平湯の熊牧場(画像↓)なんかよりよっぽどリアルな熊体験ができますよ。オススメです!

Kumabokuzyou

さて、「熊に鉈一丁で勝てた」などというのは事実であっても、それは「熊は自分の胸元まで手が届かないから、いざとなったら抱きついてナガサで一突き・・・」、などという机上論と同じで、偶然生き残った方の幸運なレアケースだと思います。だって、熊に襲われた老人が夢中で突き出した手が熊の咽まで入り、呼吸ができなくなった熊が堪らず退散した、という実話があるからといって、何時でも都合よく手を伸ばした先に熊が口を空けて待っていてくれるとは限りませんよね。

これらの話は、熊スプレーなど無かった昔や、熊スプレーを携行しない圧倒的多数の山仕事の方の武勇伝であって、もし、熊と対峙して鉈を抜いて身構える時間と間合いが有るなら、熊スプレーを使用した方が熊の攻撃を中断させるのに圧倒的に有効だと思います。

また、熊スプレーの残留液に興味を示し舐める熊が居るという話ですが、これはスプレーの効果が無いということではありません。スプレーは熊の目と敏感な鼻の粘膜に強烈な痛みを与え攻撃を止めさせるのです。
熊スプレーの主成分は唐辛子のカプサシンですが・・・、人間だってウドンや蕎麦には唐辛子をかけて美味しく頂きますが、唐辛子を目に擦り込んだり鼻から吸い込むのが好きな馬鹿はいませんよね。

また、「向かい風だとスプレーの効果に・・・」という問題ですが、これは確かに噴射した人間の方にもかなりの影響があるかもしれません。いや、かなりあるでしょう。
私も一度有効期限切れの熊スプレーを捨てるため、河原の葦原で全量噴射してみたことがあります。
その経験では、名前こそスプレーと言っていますが、実際には霧ではなく“勢いの強い水鉄砲”と言った感じで5メートル以上飛び、いわゆる殺虫剤のスプレーのように霧状に拡散したり風で流れたりと言う感じではありませんでした。(もちろん風下に向けましたが、それでも『これは強烈に凄いな!』と熊に同情したくなった程ですから、携行や保管には工夫が必要です
向かい風だと人間もかなり辛い思いをするかもしれませんが、熊に殺られるよりはましだと思うしかないでしょう。

そこで、私は沢にノコギリは持って行っても、熊と戦えるような大型の刃物は持って行きません。
その代わり、熊との遭遇が予想される沢には、北米のグリズリー王国の住人に『ベアアタックの90パーセントを阻止できる・・・』と控えめ(?)にその効能を認められている“熊スプレー”をホルスターに入れて持参しています。(正直な話、多くの場合ザックの雨蓋の中にある場合が多く、一昨年葛根田川で熊に遇った時もかなり慌てました。反省!!)

もちろん、出会い頭の遭遇では何が起きるかわかりませんが、距離があったら敵意が無い事を示し(どうやってだ?)熊スプレーの安全ピンを外しながら、ゆっくり後退するしかないでしょう。
嘘だか本当だか知りませんが、熊は100メートルを7秒台で走るそうですから、攻撃する意思のある熊だったら走って逃げたって結果は明らかですよね。

いずれにしろ、突然向かってこられても勝ち目はありませんので、そうならない為に私はヤバそうなエリアでは熊鈴(沢だったらガチャ)で常時金属音を立て、時々奇声を発したりホイッスルを吹いたりして、相手(熊)にこちらの存在を認識させ、熊に遠ざかってもらうようにしています。

また、沢での野営の場合も、焚火などで煙や臭いを立てたり、ラジオを鳴らしたりして人間の存在を知ってもらうようにしています。
仮に野営地が特定の熊のテリトリーで、しかも熊の巡回路の近くであれば、如何に上手に気配を消したつもりでいても、彼らには遠くからでも人間の存在が判ってしまうそうです。
私のは、彼らが気が付くより早めにこちらから気が付かせてあげて、それで退散してくれるであろう大半の熊に近寄らないでもらおうと言う作戦ですね。

だけど・・・、逆にそれが自分のテリトリーへの侵入者を排除したいと感じる熊や、その食料に興味を持ってしまう性格の熊だったら・・・逆効果ですかね?。
まあ、テントの周りまで近づいて来たら・・・。熊スプレーを構えて大声を上げながら退散してくれるのを待ちつつ、震えながら成り行きを見守るしかないでしょう(涙)。

最後まで読ませてからでは申し訳ないのですが・・・。こんな雑文を読むより“ココ” (盛岡のOUTBACKさんのサイト)をご覧になった方が為にになりますので是非ご一読ください。

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2008年9月25日 (木)

“山屋”なら“ツェルト”でいきましょう!①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(自立式のテントのほうが快適で設営も簡単ですが・・・)


最近はわが国でも米国のウルトラライトブームの影響か、“シェルター”などとカテゴライズされるフロアレス・テントやタープ類、あるいは“ビビーサック”を使用し荷物を軽量化することが一部の先鋭的なバックパッカーの間にに流行しています。
ただしこのスタイルは、雨が多く、アブや蚊・ブヨ・ヌカ蚊なども多い我が国の風土やフィールドには、必ずしもマッチしていないなと感じるシチュェーションも多いのです。

私も開放感のあるこの種の野営は大好きなのですが・・・、以前は『沢なら絶対タープでしょう!』などと豪語していた私も、最近は沢に行く時でも普通の軽量テントを選んでしまうことが多くなりました。
これも、やはり上記のような理由と年齢が原因なのかもしれません。

とはいえ、テントでは嵩張るし重さもそれなりで、荷物の軽量化にはあまり貢献してくれません。
そこで、私が大昔に軽量化の目的で実践していた、非常用の“ツェルト”をテントとして積極的に使用する方法を、現代的なアレンジで再現したらどうなるのか?を試してみることにしました。

Zelt
(自作のモスキートネット等で改造済みのICIツェルト)

まずは、ベースとなるツェルト選びです。
海外通販を含め候補はいくつかありましたが、今回は高機能素材ゴアテックスを使用していると言う理由で、ICI石井の“ゴア・ライト X ツェルト(2~3人用)”を選びました。
ツェルトとしてはかなり無理な価格設定でしたが、ゴアテックスを使用するとコストの関係でこのような値段になってしまうのでしょう。

また、“ファイントラック”の2~3人用ツェルトだと半分以下の重さですし、モスキートネットも付いているので、どちらにしようかずいぶん悩みましたが、生地の素材と2人用テントとしての居住性(ファイントラック製は幅100cm、ICI製は幅130cmでしかも専用フレーム有・またファイントラック製は寄棟形状で、ICI製は切妻形状)を考えてICI石井のツェルトを選びました。(ソロでしたらファイントラックの1人用か2~3人を選べば理想的なウルトラライト・オールウェザーシェルターのシステムが組めるでしょう)

さて、気になる重量を他の実測可能な2人用軽量テントと比較してみますと・・・(ガイラインは軽量なダイニーマに交換済み、また収納袋込みで、ペグ一式は軽量なものと交換することを考慮し、一律100gとして加算したので実際には少々の増減のある機種もあり)

●モンベル・BDTモノフレームシェルター・ヘキサ(2人用)
   本体     1052g
      フレーム 229g 
      ペグ      100g
                         合計  1381g
  *自立しないが設営は比較的容易。
  *屋根の圧迫感はあるが床面積は結構広く、2人でも装備の置き場はある。
  *換気は非常に悪く、雨天・降雪時の内部での火気使用には要注意。

●石井スポーツ・ゴアライト X  テント (2~3人用・自立型)
     本体      965g
      フレーム 430g
      ペグ      100g
                         合計  1495g
  *2人用超軽量冬季用テントの中ではたぶん最高のテントだと思う。
  *幅が130cmあるので2人でも装備を置くスペースは確保されている。
  *生地が薄いため耐久性には不安が残る。

●BD ファーストライト(2人用・自立型)
   本体    971g
   フレーム 396g
   ペグ    100g
           合計 1467g 
  *まずまず良くできたテントで、換気も悪くない。
  *スリーブの無いインナーフレーム方式は、思ったより設営に手間取る。

★石井スポーツ・ゴアライト X ツエルト(2人用)
     本体      740g
     フレーム  117g
    ペグ        100g
                          合計   957g
  *あくまでツェルトなので居住性はそれなりでしかない。


その他、二人用の軽量テントのカタログデータでは、
BDの“ハイライト”がコンプリートで1420gとなっていますが、目止め用のSILNETなどを加えると実質1450gは超えると思われます。

・・・ですから、このツェルトだと、設営用ポールは行動時以外は不要のトレッキングポール(沢では流木)を使用するとして、二人で使えば一人当たり500g以下で収まる計算で、圧倒的な軽さです。
また、居住性は犠牲になりますが、さらに軽量化をしたければ、フレームを家に置いてくる事だって可能です。

Zelt4
(この夏、このツェルトで沢中3泊してみました。雨にも降られましたが結構快適でした)

こうして考えてみると、ツェルトを使えば屋根だけのタープやお洒落なフロアレスシェルターと比べても重量的にも全く遜色ないか、あるいはむしろ軽いくらいで、しかも殆んどの状況でそれらより快適な“部屋”をフィールドに得ることができるはずです。
さらにソロでしたら“ファイントラック”の1~2人用(240g・モスキーとネット付)を選び、軽いチタンペグやダイニーマロープを組み合わせれば僅か300グラム少々すみますから、特殊な軽量素材のタープとタイベックシートの組み合わせよりもメリットは大きいのではないでしょうか。
(欠点は、開放感が無い事と、新し物好きなULフリークの目には少しオーソドックス過ぎてカッコ悪く映ると言う事くらいかなぁ・・・?)

さて、実際に使ってみると、外見から受ける印象より内部は広く居住性は十分で、条件により多少結露はするものの、おおむね快適に就寝できました。

とは言うものの、私が選んだ“ゴア・ライト X ツェルト”は基本的にはあくまでツェルトですから、ドアにモスキートネットが無いのはもちろん、ベンチレターにも当然モスキートネットはありません。
また、設営するためのコードを連結する部分も貧弱です。

そこで、使用にあたりこのツェルトをもう少し快適なものにするため、少々改造することにしました。
手を加えた内容は後の記事で紹介したいと思います。


(余談ですが・・・)


私はできるのなら山の中の好きなところに寝て、好きなところで焚火をし、その傍らで酒を飲みたい・・・。バカみたいな事ですが、これが私の山登りの目的の一つです。

しかし、残念ながらわが国の登山道のある山では指定地以外の幕営は基本的にルール違反ですし、山中での焚火などマナー以前の問題で以ての外の行為という事になっています。
ローインパクトだの何だの説明は色々でしょうが、理由はどうあれ、取り敢えず「ダメなものはダメ!」そう言う事になっているのです!
だから私は、無雪期に登山コースとなっている場所では(喜んで、という訳でもないのですが・・・)このルールに無条件で従います。キャンプ指定地が無ければ、あまり好きではない営業小屋だって利用します。

その他にも我が国の登山界には、常識(?)とされているルールが幾つもあります。
中には明確な理由が不明なものもあるかもしれませんが、何れにしろこれらのルールは我々の山の先輩達が、近代アルピニズムの黎明期から我が国の風土や文化の中で登山という営為を数十年も積み重ねる過程で生まれ、また状況に応じて変遷を繰り返し現在の形となったものであることだけは確かなのです。
「ヨーロッパではこんな事は無い」、とか「北米では皆こうしている」、はてまた「マタギの世界では常識だ」などというへ理屈を持ち出すのも結構ですが、他ならぬ現代の我が国でただでさえオーバーユースな山を遊び場としている我々は、堅苦しくてもまずはそれらのルールを素直にリスペクトすべきではないかと考えています。

山登りという私的行為に、外から押し付けられる倫理などあるかどうか私には判りません。
しかし、私たちは時間(歴史)的にも空間(社会)的にも、総ての他者(生物)との相互依存関係の中で、生かしあい生かされあって存在しているのです。
ですから、私自身は山登りという遊びの中にあっても、すべての他者に対する自己の責任感と、「目的(意思)は手段(行為)を正当化しない」という前提に立った、自分なりの最低限の規範性は無くしたくないと考えているのです。

己の行為が環境にどのようなインパクトを与え、その回復にどのくらいの期間を要するのか、また、その行為の痕跡がどれほどの時間に渡って、それを見た他者にどのような影響をもたらし続けるのか・・・?、という想像力を働かせ、それがその場の自分にとって可能な範囲で影響を最小にするよう努力する・・・、堅苦しく考えなくても、私はそんな程度でもかまわないと思っています。
究極までローインパクトを志向すると、「自然に足を踏み込まないこと」という結論以外に思惟が到達する場所はないのですから・・・。
でも、それでは私達は自らを遊び場から追い出さなくてはなりませんよね。

そんな訳ですから、私が好きなところに寝て、好きなところで焚火をするという目的をかなえようと望むなら、私は「私自身の欲望」を道が無く、安全で痕跡の残らないな焚き火ができて、他の登山者の居ない場所に連れて行くしかないのです。

このような理由で、私は、夏季の登山に沢登りを選択することが多くなりますが・・・。
しかし、「沢なら何してもいいのか?」と訊ねられると、やはり私自身の中でも何をしても良いとは考えていません。例えば私は、黒部・上の廊下だったら、大東新道までだったらビバークも焚き火もOKだと思いますが、薬師沢小屋より上流はビバークも焚き火も絶対に自粛すべきだと思っています。

多分に自家撞着を含んだ独善的な考えですから、異論も多くあるとは思いますが、私には「これが、私が私に課した、私なりのルールだから・・・」としか返答できません・・・。
単なる自分勝手な「思い込み」・・・、それ以上でもそれ以下でもないかもしれませんが、私はそんな気持ちだけは大切にしたいと考えています。

スミマセン! なにか柄にも無いことを述べているうちに、論旨がぐちゃぐちゃになってしまいした・・・。

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2008年9月18日 (木)

“SILNET”でテントの縫い目処理

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(簡単な作業ですが、上手く仕上げるのは結構手間がかかります)


最近のテントは生地自体の防水コーティングもずいぶん良くなってきましたし、縫い目部分にもシームテープが貼ってあって縫い目からの浸水もほぼ皆無となりました。
大昔のビニロンテントが、重いし防水液臭いし、しかも雨になるとテントの内側に触れたところから雨漏りが始まり大変だった事を考えれば、まさに隔世の感がします。

現在でも、テントやフライ用防水布といえば依然ウレタンコート地が主流ではありますが、“GOLITE”や“INTEGRALDESIGNS”また“ブラックダイヤモンド”などの最新の軽量テントでは“シルライト”や“エピック”など、素材自体に強い撥水性を持たせた生地をコーティング無しで使用するケースも増えてきました。
しかし、これらの生地は、防水コーティングが要らない程度に耐水圧が強いのですが、その強い撥水性が災いして、縫い目にシームテープが接着できないという問題も持っているのです。

そのため、昔のテントでやっていたように、縫い目用防水剤による浸水対策をしないと縫い目からの雨漏りは避けられません。
かと言って、“シルナイロン”や“エピック”は生地の撥水製が高いため、従来の“Kコート”や“シームグリップ”“シームシール”などの溶剤タイプのものは使用できないのです。

Silneta
(従来型の縫い目防水剤)

そこで、これらの生地にはMcNETT社の”SILNET”というシリコン系の目止め剤を使用するのが普通ですが、この”SILNET”は粘度が高く塗布する作業は、勝手に縫い目に流れ込んでくれる従来の目止め剤より少々面倒です。

Silnetb
(”SILNET”とシリンダー)

また、SILNETによる目止め作業には、刷毛で塗る方法と、注射器状のシリンダーを使う方法があるのですが、あまりボッテリ厚塗りしてしまうと剥がれ易くなりますので、私はシリンダーを使ってなるべく縫い目のところだけに必要最小限のグルーを塗る方法を採っています。

BDのテントには画像のようなシリンダーが付属していますが、これが無くても市販の使い捨て注射器(必要ならの先端部分に熱を加え細く変形させたもの)でも同様に使用が可能です。

Silnettohu
(画像はBDのファーストライトの目止めをしているところです)

この方法は、シリンダーへSILNETを上手く充填しさえできれば、後は丁寧に単純作業を続けるだけなのですが、この充填作業は少々工夫をしないと意外と手間取ります。

そこで、今回は私の考えた能率的な充填法をご紹介したいと思います。(シリンダーのノズル径が小さい場合、直接SILNETを吸い上げるのは困難です)

使うものは①SILNET ②シリンダー(BDのテントに付属) ③爪楊枝 ④釣糸(できれば5号位) ⑤ティッシュペーパー・新聞紙(床が汚れないように)


【シリンダーへSILNETを充填する手順】

①シリンダーのノズルの穴が適当な大きさになるように先端をカッターでカットする。穴は小さい方が細かい部分に塗布しやすいのですが、小さすぎると能率が悪いので適度な大きさで作業しましょう。(作業途中で小さいと感じたらその時点でカットしてもよい)

②ピストンを抜いて取り外す。

③ノズルの穴に爪楊枝を差して栓をする。

④シリンダーを上向きにしてSILNETを注入する。(上部の内壁に付着させず、なるべく気泡が入らないように!)

Silnet2

⑤ピストンのゴムパッキンとシリンダーの内壁の間に釣り糸が挟まるようにして(細い糸なら2本)ピストンを挿入。

Silnetito
(このように↑目一杯充填するなら細い針でも可能です)

⑥釣り糸が挟まったゴムパッキンの部分に隙間ができるので、そこから空気を逃がしながらピストンをSILNETの液面まで押し下げる。
内壁にSILNETが付着していると空気が逃げにくくなるので要注意!

⑦釣り糸を引き抜き、ノズルの爪楊枝を外して上を向け、気泡を抜いてから作業開始。気泡が残っていると、作業中ピストンを止めてもSILNETがノズルから出続け、綺麗な仕上がりになりません。
また、SILNETの乾燥(固化)には2日程を要しますので、できるだけ広い室内にテントを張って作業したほうが良いでしょう。

Silnet1
(この状態で上を向け、気泡をノズルに集めて抜きましょう)

以上、簡単な工夫ですが、SILNETによる面倒極まりない目止め作業が幾分か楽になりますので、シルライトやエピック製のテントやタープの目止めをお考えの方は是非お試しください。


(おまけ・・・)

今回目止め作業をしたBDのファーストライトは、超軽量テントとしてはまずまずの性能を持った好いテントだと思います。
雨天時の出入りや換気の面を総合すると、夏季には後発のハイライトの性能には及ばないと思いますが、積雪期の使用や入り口の位置、またフロアーの形状(ハイライトは台形で若干狭いので・・・)を私的に熟慮した結果、重量が70g重くてもこのファーストライトが第一候補にあがりました。
欲を言えば純正オプションのように大袈裟でない、超軽量な靴置き場程度の前室があれば最高なのですが・・・。

また、このBDのライト・シリーズはカタログデーターのコンプリート重量で、ファーストライトが1.49kg・ハイライトが1.42kg・ワンショットが1.28kgと非常に軽量です。

考えてみると、タープでのビバークでは必ずGORETEXなどの透湿防水素材製のシュラフカバー等を持たなければならないのですが、カバー単体でも2レイヤーの軽いもので230g、通常では400g以上はあります。ビビーだったら更に倍重くなってしまうでしょう。

しかし、軽量テント使用ですと必ずしもシュラフカバーは必要無くなりますので、2人での山行ではタープ(本体&ペグ・張綱)とシュラフカバーを併用するより、むしろ軽量テントのほうが軽く快適な寝床を確保できるはずです。
また、ソロでもBDのワンショットなどを使用すれば、設営の簡単さ・設営に要する時間や快適性を考えると、いかにタープに重さでのメリットがあるとはいえ、総合的な優劣の差は逆転するかもしれません。特に荒天の稜線や吸血昆虫の多い場所ではなおの事でしょう。

また、我が国では“バックパッキング”と言っても、殆どの場合は山の稜線を歩き、そして往々にして風が強く設営条件の悪い稜線で幕営する、いわゆるテン泊縦走登山とオーバーラップする行為に他なりません。
このような条件のコースをタープ1枚で乗り切る醍醐味は、私たちに自然と一体化する代え難い悦びを与えてくれますが、それは時として命懸けの苦行と同義になることもまた覚悟しておかねばならないでしょう。

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2008年8月14日 (木)

MSRテントのベトベトは直るか??

便利度 :★☆☆☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★☆☆☆☆
危険度 :★★★★★
(残念ながら、MSRテントの素材に関してはせいぜいこんな評価ですね)


MSRの製品は、ストーブを含めユニークかつ高機能なものが多く、テントもまたデザインや設計の素晴らしいものがほとんどです。

しかし、縫製を含め製品自体の品質は高いのですが、特定の時期・特定のロットに限ったこととは言え素材(生地)の品質は率直に言って二流品以下と断言できます。
残念ながら「装備を永く愛用したい方は従来素材を使用したMSRのテントを避けたほうが賢明だ・・・」というのが私の現在の見解です。

その理由は、使用頻度が極めて低くても、畳んだまま保管してあるだけで、幕体の防水のためにコーティングしてあるウレタンが加水分解で劣化しベタベタになってしまい、おまけに悪臭まで漂わせるようになる場合があるからです。
特に特定のロットの生地を使用したものはこの傾向が顕著で、明らかに欠陥品なのですが、それ以外でもMSRのウレタンコートのシルナイロン系素材でも価格相応の品質とはいえないような気がします。
これを避けるためには、濡れたまま仕舞いっ放しにしないのは当然として、大きなサイズのストレージバッグでザックリ畳んで保管したり、使用しなくても頻繁にテントを広げ室内乾燥する必要があるのらしいのですが・・・、事実上こんな手間をかけるのは無理、という方も多いのではないでしょうか。

実際に、私所有しているMSRテントも、一張りは完全にベタベタで使用不能ですし、もう一つも生地を触ったあと手にベタベタ感が残るような状態なのです。

現在私は数種類の国産テントも所持していますが、同じウレタンコート地でも国産の一流メーカー製テントでこのような酷い状態になったものは一つもありません。
(以前安物の"Eureka"のテントなどが同様の状態になり捨てたことがありますが・・・)

つまり、「あなたのメンテナンスが悪いからだ」と言われたとしても、「否!、MSRテントは使用している素材の品質が悪いからだ!」という以外の返事しか私にはできないと言うことです。

(私見ですが・・・、結局、わが国で四季通じて使えるテントを1つ選べと問われたらたら、やはり自立型のダブルウォールで・・・、具体例を挙げればアライテントの“エアライズ”シリーズだと思います。地味で決して独創的とはいえない製品ですが、1つ買うとしたら私はこれを選びます。)


とはいえ、私のベタベタ該当製品は海外購入品なので、儲けさせていない日本の代理店に強引に交換を要求することもできないので、自分でこの状態の改善を試みてみました。

通常はベビーパウダーやシッカロールなどという名で市販されている家庭用品の主原料でもある“タルク”(滑石の微粉末)をテントの裏面にまぶして、ベトベトを抑える方法が一般的なようです。

しかし、ウェブで検索してみたら、最近問題になった石綿の発癌性と同じく滑石にも同様の危険があるとの報告もありました。
狭いテントの中で、四方を発癌物質の疑いがある壁に囲まれるのはかなり無頓着な私でも少々気になります。
そこで、何か安全な代替物が無いかと探していたら、化粧品などにも使われる“酸化亜鉛”の粉末に行き当たりました。

Msrbb1

作業は画像を見ていただかなくてもお解かりだと思いますが、戸外にテントを広げパフ状のもので生地のウレタンコート面に粉を塗り広げていくだけです。(↓画像)

Msrbb2

かなり大変な作業でしたので、途中から綿の手ぬぐいを二重にして酸化亜鉛を包んでゴムで留めタンポ状にし、ポンポン叩きながらの作業に切り替えましたが、それでも結構大変でした。

その甲斐あって、取あえずベタつきは抑えられましたので、まずまずは大成功!とテントを収納袋に収めたのですが・・・・・

半月ほど経って様子を見てみたのですが・・・、「わーっ!こりゃダメだ~!!!」って感じですね。
もう処置無し、「おい MSR !何が生涯保障だ、金返せ」と怒鳴りたくなりました。

結論は、現時点では何をしてもベトベトは直らないということです!

という訳で、この症状が出るのは特定のロットの生地で、中国製になった最近のMSRテントではこんな事は起こらないという話ですが、私は今後テントの素材がウレタンコートの無いシルライトかエピックに変わらない限り、当分MSRのテンとは買わないでしょう。

そして、私のアドバイスとしては・・・、海外購入または個人輸入モノやネットオークション等、責任の所在が曖昧でクレーム対応ハッキリしない、従来モデルのMSR製品は、安価でも手を出さず、高くても正規代理店経由の製品を購入するほうが安全だと思います。
ちなみに、現在の正規代理店は迅速とはいえないもののユーザーには真摯な対応をしてくれるようです。

どなたかこの“ベトベト問題”への対処法をご存知でしたら教えてください!

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2007年10月29日 (月)

“タイベックシート”まだありますよ

【お知らせ】

過日の記事「“タイベック(Tyvek)”シートを使う」で、“大量に買ったのでまだ余ってます”と書きましたら、早速3人の方から引き合いがあり、お譲りする事ができました。
"AK4**"さん"RPV**"さん"ヤスロウ"さん、ありがとうございました。
ご使用してのレポーや率直な感想などを投稿していただければ幸いです。

その時、3メートル四方のを6枚カットしましたので、カットされたのがまだ3枚とロールで十数メートル(?)はありそうです。

と、いうわけで、下記(ご注意!)をご納得いただければ、3メートル×3メートルで送料込み2,500円でお分けいたします。
上記ブログの記事を参考にして、試しに使ってみたいと考えている物好きな方はこの記事のコメント欄に書き込んでみてください。(書き込んでも管理者が許可するまではブログに反映されませんのでのでご安心ください)

3人以上ご希望の方がいらっしゃった場合は、4人目からは新たにカットしなければならないので2週間ほどお時間を頂くことになりますのでご容赦ください。
実際に広げてみないと判りませんが、カット済みの3枚を入れて5~6枚程の残だと思いますので、先着順で対応させていただきます。(追加仕入れの予定はありません)
また、代金は品物が届いてから、新生銀行の口座にお振込みいただければ結構です。

Tyvek1

(ご注意!)
単純計算すると3m×3mで、1枚に付き原価より400円少々上乗せされていますが、結構手間の掛かるカットと、発送の手間賃だと思ってください。(当方は金儲けをしようと思っていません!)

品物が3メートルの長いロールである為、自宅では取り扱えず、休日を利用し知人の作業場にルーフキャリーに乗せて運び、広げてカットしなければならないと言う事情があります。
普段土足で歩く床での作業ですので、シートに足跡や多少の汚れがあるかもしれません。

長さは幅3メートル長さは3メートル+αで余裕を持ってカットしますが、素人の鋏切りですから多少曲がっているかもしれません。

また、全国統一料金の“EXPACK500”に辛うじて入りますので、これを使用したいと思います、そのため小さく折り畳まざるを得ず、シートにシワが多数つきます。

それから、ご承知だとは思いますがあくまで“建材”ですから過度な期待はしないでください。

3メートル四方ですと休憩やビバーク用の個人用のシートでしたら3~4枚取れますし、2人用テントのフットプリントなら3張り分は取れますから、結構使いでがありますよ。

(頒布終了しました)
自分の分が無くなりそうですので、12月7日でこの企画を終わらせていただきます。
お買い上げの方、どうもありがとうございました!

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2007年10月26日 (金)

“フロアレス・シェルター”の限界は?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(HEX3の寒い時期の使用に関しての評価)



近年、北米を中心に一本のポールで立てるティピー型のモノポールシェルターあるいはフロアレスシェルターなどと呼ばれるテントが一定の評価を得ているようです。
ブームの火付け役はデイナデザインの“ヌックタック”あたりでしょうが、BDの“メガミッド”“メガライト”やGOLITEの“HEX 3”さらに、シェラデザインの“ORIGAMI”、マウンテンハードウェアーの“ KIVA LITE”、モンベルの“モノポールシェルター”などがこのタイプです。

Golitesugoroku

また、これらのタイプのテント(シェルター)には専用のフロアやモスキートネットのインナーがセットあるいはオプションとして設定されているものや、はじめからフロアレス専用と割り切っているものまで、外見は似ていてもその性格にはずいぶん幅があります。
しかし、私個人としてはせっかくの軽量なシェルターに重いインナーテントやフロアーを組み合わせるのだったら、最初から軽いテントを選べば良いわけですから、これらのフロアレスシェルターはあくまで単体で割り切った使い方をするのが筋だと考えています。
私の友人で“ヌックタック”を衝動買いしたのは良いが、重さとボリュームに閉口し、山ではまったく使用しなかったという例もありますから・・・。

さて、「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言う喩えは適切ではないかもしれませんが、アメリカで流行ると直ぐ猿真似をしたがるのが日本人(=私)ですから・・・、実は私もかなり早い時期に海外のウェブサイトで非常に評判の高かったGOLITEの“HEX 3”を衝動的に購入してしまったのです。
本体800グラム、タイベックのシートとペグを入れても1300グラム以下で納まりますから、2人用テントとしては異例に広い(上から吊って設営すれば楽々3人)にも係わらず、通常の2人用テントと比較しても最軽量の部類に入るでしょう。

しかし、実際に使用して感じたのは、北米大陸と我が国の気候や地形といった自然条件の違いや、アメリカ人と我々日本人のモノの考え方や感性の相違から、必ずしも海外の好評価がそのまま我が国の自然や登山形態に慣れ親しんだ登山者にも受け入れられるとは言い難いのでは・・・、という現実です。

私個人的には、沢ではタープだけでビバークすることもありますから夏を中心に使うのでしたらこのHEX3というフロアレスシェルターには非常に好感を持っている  (決してこの製品を買って損をしたとは思っていません)のですが、通常の登山者で普段フロアーと一体になったテントを使用していた方にとっては、悪条件になればなるほど、かなりの違和感を感じるであろう事は想像に難くありません。

そんなフロアレスシェルターですが、今回寒い時期に使用するとどんな感じなのか、体を張って(?)テストしてきました。
場所は、北アルプスの主稜線鞍部、標高2500m.超の某小屋テント場、時期は小屋閉め直前の十月中旬です。
当初、ICIのゴアライトXかアライテントのトレックライズを使用する予定でしたが、テストということで急遽HEX3に変更しました。
例年だと根雪の降り出す直前で、朝の気温が零度前後、テント内に置いた水筒の水までは凍らないが、霜柱が立ち、外の水溜りには薄氷が張ると言った気温、風はコンスタントに風速5メートル以上と、この時期としては晴天とはいえ結構厳しい環境でした。
シュラフは羽毛を380グラム使ったカモシカスポーツの“ヨセミテ”(強く推薦、しかし現在発売中止?)で、私は春・秋には、このお気に入りのジッパー無しの軽量シュラフを多用しています。

さて、テストの結果ですが・・・。
結論から言うと、熟睡はできました。しかし夏場は有難いと思っていた地面とシェルターの隙間から吹き込む風の寒いこと寒いこと!
調理でストーブを使用中は良いのですが、火の気が無くなると風の吹き込みで急激に温度が下がり、食後の酒盛りも隙間風が寒くてまったく盛り上がりませんでした。
『この時期に、このタイプのテントを使用する時は、1ランク上の防寒着も必要になる』と言うのが私のアドバイスです(率直に言えば、寒い時期は快適でないということですね!)。

Golitefrost
(早朝にはシェルター表面が霜で覆われていました・寒いはずです!)

また、今回のように一晩中風が強いと、あのパリパリ感のあるシルライトの幕体が常にバサバサと風に煽られて結構うるさいので、寝つきの悪い人はそれなりの覚悟が必要かもしれません。

最近は北米のバックパッカーの真似をして、尾根歩きでもビビイサックでのビバークをする方もいらっしゃるようですが、やはり四季の変化があり雨の多い我が国で、一般の登山用として、自立式で前室のあるダブルウォール・テントが圧倒的なシェアを占めているというのは、それなりの必然性があるからなのかもしれませんね。

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2007年10月19日 (金)

MPシェルター用ポールジョイントを作る

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



ティピー型のシェルターは、モノポール(MP)シェルターとも言われるように一本のポールで設営します。
私の使用している GOLITEのHEX 3 というMPシェルターも、専用の長さ調節機能のあるショックコード付きポール(下の画像・右)が付属していました。
しかし、このポールは結構な重量がありますし、せっかくトレッキングポールを持って行くのだったら、これをMPシェルター用のポールとして利用すれば重いポールを別に持って行くムダを省けて一挙両得になります。

Golitesugoroku Polegl

しかし、一部の例外を除いてはトレッキングポールは目一杯に伸ばしても125~130センチにしかならず、MPシェルターに必要な160センチ以上の長さにはなりません。
かつてのデイナデザインのMPシェルターには下段側を2本連結するパイプが付属していましたし、このHEX3にも付属するはずだったのですが訳有りバーゲンのためか?それが付属していませんでした。

そこで、2本のポールを繋ぎ合わせる為のジョイント・パーツを作ることにしました。
これを使用すれば、トレッキングポールの最下段を取り外し、2組の中段・上段(または中段・下段)をこのジョイントを介して上下に繋ぐ事で1.8メートル以上の長さを得る事ができます。

異なる構造で3種類試作してみましたが、何れも下部が曲がって使用不能の古いLEKIのスキー・ポール素材にして加工しました。


Ⓐは下段のジョイントパーツ2個を、適当な長さに切った下段パイプの両端に嵌合しカシメて固定したもので(画像左)、重さは45グラムありますが、通常のポール調節のように回すとしっかり固定されて長い一本の丈夫なポールとなります(画像右)。

Polea Poleaex

Ⓑは同じく最下段のポールのテーパーがかかっていない部分をカットし、その中央に中段のパイプをリング状に切断したものをアルミ板のスペーサーを挟んでブラインドリベットで固定したものです(画像左)、。
こちらはⒶのジョイントのように固定されず嵌っているだけですが、常に上下方向に力の加わっているMP用のポールとしては十分な機能を持っている上、重さも僅か25グラムと軽量なのが特徴です(画像右)。

Poleb Polebex Polewgrip

Ⓒ また、工作とまではいえませんが、最上段のパイプを適当に切っただけでも、中段・下段を2組連結して下の画像のように長いポールを組む事ができます。

Polewtip

使用した感想は、かなりの強風でもびくともしない強度があり、純正のポールと比べてもまったく遜色ありません。
さらに純正のポールはテントのテンションを調節する際、立ち上がらなければならないのに対し、このジョイント使った場合は座ったままポールを伸縮させてテンションの調節が可能で、とても便利です。
工作は簡単ですので、この種のシェルターをお持ちの方には是非お勧めしたい自作道具だと思います。

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2007年9月21日 (金)

“タイベック(Tyvek)”シートを使う

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


最近のテントは軽量化が進み、本体のみならずフロアーの部分も以前のテントに比べてずいぶん薄い生地を使うようになってきました。
しかし軽いのは良いのですが、軽いという事は同時に弱いということを意味します。特に尖った石などが多く、キャンプサイトを選り好みのできない山岳地帯で軽量テントを設営する場合、強度のない薄いフロアーが傷んでしまう事も覚悟しなければなりません。
多くの軽量テントにオプションとして“フットプリント”と呼ばれるアンダーシートが設定されているのは主にこれを避ける為です。

しかし純正のオプションということで、ただのシートとしてはかなり高めの価格設定がされているのが普通です。
そこで北米のクライマーやバックパッカーの間では高価な純正品を使用せず、主に建材として使われる丈夫な透湿防水シートをテントのフロアーの形に切って使用することが数年前から流行しています。

Tyvek1

因みに、私はテントも消耗品と考えていますので、せっかく軽量テントを使用するのに敢えて重量を増やす意味はない、と考えて通常は“フットプリント”の類は使用していません。
とは言え、この素材にとても興味を持った私は、沢でのタープ使用時のグランドシートや、GOLITEのHEXⅢというフロアレスシェルター用の軽量シートの材料として、この透湿防水シートを入手してみることにしました。

早速建材店に情報収集に出向いてみると、建築用のハウスラップと呼ばれる透湿防水シートは何種類も販売されていました。
私の欲しかった、北米で定評のあるデュポン社のタイベック(Tyvek)シートは国産品の4割高と高価だったのでビックリしましたが、現物を見較べてみると、安価な国産品は不織布の片面にコーティングしたような素材で見劣りしたため、やはりタイベックに的を絞ったのです。・・・しかし、問題は寸法と価格でした。
建材店に在庫のあるのタイベックシートの標準品は1メートル幅で、基本販売単位は100メートルのロール、価格は一本1万3千円弱の物しかなかったのです。
1メートルでは何に使うにもチョッと幅が足りず、そして高価格とあって、その場での購入は一旦中止としました。

その後、色々調べてみたのですが、建材用の1㎡あたり60gのモノの他に垂れ幕や看板用の1㎡あたり40gの薄いものも在り、これでしたら150cm幅の物もあるそうなのですがやはり小口の販売は無く、しかもこれでは薄すぎて強度が心配です。
そこで、再度建材店に出向いて調べてもらった所、『元売に注文すれば3メートル幅で40メートルロールも取り寄せ可能、しかし価格が2万2千円(計算すると1メートル幅の標準品と比べて平米単価が1,5倍!同じ商品なのに!)になる』との事・・・。暫し熟慮の後「ええいっ!乗りかかった舟だ!」と購入決定!(建材屋さん、素人の私に親切に対応していただいてありがとうございました!)

Tyvek2

こうして、私は突然に使い切れないほどの在庫を抱えるタイベック長者になってしまったのです。
早速、フロアレスシェルターのグランドシートとして使用してみましたが、結論から言うと、軽いし平米単価でみればそこそこリーズナブルで非常に満足できる素材でした。
また、日帰りの山行でも2メートル四方のシートを休憩用として持って行っていますが、少々嵩張るもののこの大きさで重さは僅か240グラムと、まったく負担を感じません。

Msr_ml
(これは2メートル四方のシートを半分に折った状態)

現時点で気になる事としては・・・

①初めは厚い和紙のようでゴワゴワしていて、安っぽい感じ(何回か使ううちに少しずつ柔軟になります) 
②白い色はまさしく紙のようで頼りない印象(実際は両手でも引き裂けないくらい強いし、白はテントの中が明るく感じる) 
③いかにも建築材料といった自己主張なのか、表面に商品名がデカデカとプリントしてあり山道具としては多少の違和感あり 
④セルフインフレータブルマットを敷いた下の部分に多少結露が見られた(透湿性の為なのか?はてまたは防水性が良すぎるのか?或はたまたまなのか?)
⑤表面が滑る。特に新しい時はブルーシートと同等以上に滑ります

・・・と、問題点も無くは無いのですが、登山用として考えてもかなり機能性の高い素材であると感じました。
今後、タープやビビーサックなどを造ってみたいと、創作意欲をかき立てられずにはおられない素材です。

(参考)  メーカーの商品解説
デュポン®タイベック®はポリエチレン100%の不織布。「風や水分を通さず、水蒸気を通す」という性質があり、住宅の結露防止に高い効果を発揮します。そして壁体内の結露を防ぎ、構造材の寿命を大きくのばします。
ポリエチレン100%で出来ていますので、燃やしても有害ガスを発生せず、水と二酸化炭素に分解します。
アスファルトフェルトの約7分の1の軽さと約5倍の引裂強度を持ち、柔軟性にも優れ、縦、横、斜めと、どの方向にもカッターナイフで簡単に切ることができます。また、ガンタッカーなどの施工も楽に行えます。
アスファルトフェルトのおよそ1.4倍の防水性で、外部からの水の浸入を防ぎます。また、風を遮断する優れた防風性で、室内の冷暖房効率を高めます。
デュポン®タイベック®の透湿性は、アスファルトフェルトの約50倍以上。壁体内に浸入した室内の水蒸気を外側の通気層に通過させて結露を防止。断熱材を常に乾燥した状態に保ちます。
酸、アルカリなどの耐薬品性にも優れています。また、カビにくく、腐食することもありません。

(追伸)
edy555さん、こんな解説でご理解いただけましたでしょうか?

さて、知人に分けたりしましたが、まだ20メートル以上(?)余っています。
試しに使ってみたいと考えている物好きな方が複数いらっしゃる様でしたら“実費”程度でお分けしたいとも考えています。
この素材に興味のある方は先ずはコメント欄に書き込んでみてください。(書き込んでも管理者が許可するまではブログに反映されませんのでのでご安心ください)
ただし、お分けすることになった場合でも、公私多忙につき、統一サイズ(例えば、3メートル四方など・・・)に統一し、また迅速には対応できませんのでその点はご容赦ください。

【おことわり】在庫切れのため、タイベックシートの頒布は終了いたしました。

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2007年9月15日 (土)

個性派シェルター/MSR・ミッシングリンク

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

最近の軽量グッズブームで人気の出てきたシングルウォール・テント(シェルター)は、ここ数年各メーカーから個性的なモデルが次々とリリースされています。
しかし、軽さというメリットの反面、使い勝手から考えると従来のダブルウォール・テントには及ばない点も多いようです。

GOLITEのHEXⅢなどのティピー型のフロアレステントは軽量ですし耐風性は十分なので私も使っていますが、虫の多い時期や場所によっては快適とは言えませんし、ゴアテックスあるいはエピックやシルライトを幕体素材としたドーム型のシングルウォール・テントなどもフライで覆われた前室が無いので、靴や食器などの置き場所に困ります。
かと言ってオプションのフライや前室を使ったのではわざわざ軽量テントを選んだ意味が薄くなってしまいます。

Msr_ml

そこで私がアブやブヨの多い時期の沢用のテントとして選んだのがMSRのミッシングリンクというでシンプルな構造のシングルウォール・シェルターです。
本来沢では単純な四角いタープを地形を利用して張る方が開放感があって楽しいのですが、夜になっても活動を止めない薮蚊やヌカ蚊、あるいは山ビルなどの多い場所ですと必ずしも快適とはいえません。
そこで、軽量で通気性が良く、底が付いていて、しかも前室(あるいは大きな庇)のあるテントを探していて辿り着いたのがこのMSRのミッシングリンクという他に類似例を見ないユニークなシェルターだったのです。

あまりにも突飛な形状なのでほとんど使用しているのを見ませんが、大人2人と十分な荷物スペースがありながら、本体は1.3キロと非常に軽量でとても気に入っています。(シルナイロンのような生地にウレタンコートした素材にシームテープで縫い目の防水がしてありますから、通常のシルナイロンやエピックのテントのように数時間もかけてシール剤で縫い目の防水をする面倒が無いのも好いですね)

このテントは通常2本のトレッキングポールを支柱にして設営しますが、最大長が137.5センチ以上伸びるポールが必要(通常のポールは125センチ程度しか伸ばせません)なので、お持ちでない方はポールまで購入する必要があるかもしれません。
しかし、沢登りでは倒木・流木はいくらでも手に入りますので支柱をどうするかで困る事はないでしょうし、場所によっては上から細引きで吊り下げる事も可能です。(画像は現地調達の支柱を使って設営した状態です)

自信を持ってお薦めできるシェルターです。

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