カテゴリー「山スキー・バックカントリー 2」の記事

2009年11月11日 (水)

e-Trex のクリックスティックに一工夫

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


GPSに頼ってはいけないとはいえ、視界の悪い時のスキーツアーなどでは、頻繁にGPSを確認したほうが安心です。迷ってから登り返しは辛いですからね。
と、言うわけで、私は山スキーの時は “e-Trex VISTA”をザックのショルダー部に取り付けたケース(画像↓)に入れて何時でも取り出しやすいようにしています。

しかし、手袋をしたままケースからGPSを取り出す動作や、滑降の衝撃でGPSがケース内で動いた場合など、ケースの内面と接触して不用意にクリクスティックが動いてしまうようです。

Gpsc0_2

このために地図画面が勝手にスクロールしていたり、画面が切り替わったりしていることがあるのですが、そんな時はチョット確認したかっただけなのに、わざわざ手袋を脱いでGPSを復帰操作しなければならなかったりと、結構イライラします。

そこで私は“e-Trex シリーズ”使用開始直後から、クリクスティックが誤操作されないような工夫をしています。(数年前に、私のホームページでも紹介済みの古いアイデアですがですが、そこそこ有効な小ワザなので今回あらためて記事にしてみました)

Cs1

方法は至極簡単、ホームセンターなどで売っている粘着式のクッションをクリクスティックの近くに貼り付けるだけです。

Cs4
(画像↑は、私がGPSに使っているものと同種ですが大きさは異なります)

この種のクッション材は各種ありますので、各自で大きさや高さ、そして貼り付ける位置を工夫してください。

Cs2  Cs3 
(私はこんな感じに貼り付けました)

簡単なことですが、これでクリクスティックの誤動作はずいぶん少なくなるようです。
e-Trex シリーズをご使用中の方は是非お試しください。



【余談ですが・・・】  “一流品”とは?


この記事の最初の画像をご覧ください。テープの色が不自然ではありませんか?
信じられないかもしれませんが、これは、超一流品と言われていた“D社”のザックに起こった現実なのです。
ご覧のように、グレーだったストラップがピンク色に変色してしまいました。
確か購入から2年以内に変色が始まり、現在はこんな調子です。
超一流(?)だったはずのこの会社も、コストの関係からメキシコやベトナムに生産地を移してからの製品は、設計は良くても一流品とは言いがたいシロモノとなりましたが、ふざけた事に価格は以前の一流品のままでした。(ちなみにこのザックはベトナム製ですし、別のメキシコ製のD 社のザックは直ぐにウレタンコートがベトベトになりました)
しかし、国内での代理店もコロコロ変わりましたし、現在はメーカー自体が消滅していますので、クレームのつけようもありません。

また、以前使用していた「ザック界のロールスロイス」を自称していた“G社”のザックも、本体の生地がブルーからマダラ模様のピンクに変色し、(裏のポリウレタンコートもベロベロに剥げました)恥ずかしくて使い物にならなくなりましたので捨ててしまいました。
このG社に関しては、ラインナップや設計を見る限り、私自身としてはまったく一流メーカーとは思っていないので、クレームを入れる気にもなりませんね。ふざけるなっ!て感じです。

そして、これまた超一流メーカーと言われる“P社”も、ザックに関しては問題ありだと思います。
背面長の目安も公表していなかったり、次々とモデルチェンジを繰り返し、はっきり言ってタウンユースの御洒落アイテムみたいな感じの商品がメインで、山道具として一流品とは言い難いものがほとんどです。
実は・・・、私もかつてこのP社の山用のザックを間違って買ってしまいましたが、結局使い勝手は最低に近いものでした。
そして、あの、高価な購入価格の何パーセントかは、この会社の偽善的姿勢に則って、エセ環境保護団体の手に渡り、馬鹿げたパフォーマンスに使われたかと思うと、アホらしくて二度と買う気は起こりませんね。

しかし・・・、山道具についても“一流品”、“二流品”って分類するのが好きな方も多いようですが・・・、何をもってそう分類したら良いんでしょうね?私には良く判りません。
値段かな?ブランドイメージかな?(笑)

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2009年8月 9日 (日)

GPSケース用にプチ改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


ハンドヘルドGPSは既に山での標準装備になりつつあります。

通常の尾根歩きでしたらザックの雨蓋に入れておいてログをとり、必要になったときに取り出して確認すればよいのですが、スキーツアーや沢の源頭部など頻繁に現在位置を確認しなければならない場合は、ザックのショルダーベルトなどに適当な大きさのポーチを固定してすぐに取り出せるようにしておく必要があります。(密藪を漕ぐ時はザックに仕舞ったほうが無難ですが・・・)

Gpsc0
(この位置にGPSを取り付けると測位に支障も無くまた取り出して確認しやすい)

しかし、適当な大きさのポーチを見つけても、それがそのままショルダーベルトにしっかりと取り付けられるような仕組みにはなっていない場合がほとんどです。
また、小型のナス環等を使って固定してもブラブラして安定せずしっくり来ませんし、あまり激しく揺れると電源部の接触不良で勝手に電源が落ちてしまう事も考えられます。
私は幸いなことにまだ経験していないのですが、この現象はGPSをハンドルに固定しているサイクリストの間では“瞬断”と呼ばれていて良く起きる現象だそうです。
山では、電源が落ちたのに気付かず長時間トラックが取れていないと、イザという場合にトラックバックができず困ったことになりそうですから要注意です。


そこで、自分でテープとプラスチックバックルを使って固定用のベルトを取り付けたり、画像のようなスナップ式のプラスチックパーツ(後述)を使って取り付けられるような小改造を行うと取り付け取り外しも簡単ですし、使用中も安定していてとても便利です。

Gpsc1  Gpsc2  Gpsc3
(VISTA用に改造したのケースの例・画像㊨のような両側がスナップになったパーツは無加工で取り付けられ便利)


ご自身のザックのショルダーベルトの形状に合わせて、各自で工夫してみるのも面白いですし、ミシンが無くても手縫いで対応できる大きさなので思ったより簡単に改造できると思います。
このようにしっかり固定されるようにしておくと、スキーツアーの滑降時などブラブラ動かずに快適ですから山スキーヤーには特にお勧めしたいと思います。

60c1  60c2
(MAP60用ケースの例・画像にある片側タイプのスナップパーツはコンパクトだが縫製加工が必要になる)

【参考】
ご紹介したスナップタイプのパーツはアメリカの“DURAFLEX”社製のもので、片側タイプの物は“SLIK CLIP”、両側タイプの物は“SIAMESE SLIK CLIP” という商品名です。

実はこのパーツ、私も以前購入した数個のストックはありますが、現在は入手方を知りません。
どなたか小口で小売をしてくれるお店をご存知の方はコメントをいただければ幸いです。
(通販で輸入してもらおうとしたら、100個単位だと言われました!)

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2009年6月12日 (金)

BDのプローブ・ポールを短くカット!

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆
(メーカーの製造物責任と保障の対象外となります!)


ブラックダイヤモンドのスキーポールは、高品質なわりにリーズナブルな価格ですから愛用者も多いと思います。

また、同社のカーボンシャフトを使用したツアー用アジャスタブルポールには、下段に11ミリのカーボンシャフトを使う“カーボンファイバーポール”と14ミリのシャフトを使う“フリックロック・プローブポール”の二種類があります。
私は両方とも使用していますが、振った感じは前者のほうが微妙にバランスが良いような気がするものの、後者は10グラム程重いとはいえ下段を2本繋ぐと簡易プローブ(ゾンデ)になるという付加機能を持っています。
これは、いざと言う場合に役立つのはもちろん、別にプローブを持たなくて済みますからザックを軽くできるというメリットもあるわけです。
また、前者よりかなり丈夫そうなので初心者やハードなツアーで使うにも最適だと思われます。

Pole0

さて、過日山道具屋を覗いていたら、シーズンオフ目前のバーゲンで、このBD“フリックロック・プローブポール”が安価で売り出されていたのです。
ちょうど“連れ合い”用スキーポールを調達しようと考えていたので、早速購入・・・と思ったのですが・・・、何とバーゲンにはLサイズ(115~140センチ)しかなかったのです。(カタログ落ち前の在庫一掃だから安くなっていたのかな?)
これは私の使用しているサイズですが、連れ合いにはさすがに長過ぎます。
買うか買わないかしばし熟慮しましたが、自分で短く改造する手間を考慮しても十分損をしない価格だと判断し購入することにしました。

Pole1  Pole2a  Pole2b
(末端のプラパーツを取り外しネジでジョイントするとプローブになる)


さて、改造です!

①まず、下段のカーボンシャフトを10センチカットします。

上部より10センチのところにマークをして、マークの位置より下側にメンディングテープを2重くらいに巻いておきます。これは、カーボン物を鋸で加工する時、切断面の繊維がササクレ状に剥がれてしまうのを防ぐ為です。

Polrcut1  Polecut2
(できれば㊧のような細目の金工用糸鋸を使いたい)

切断は目の細かい金工用の糸鋸を使いましょう。普通の金鋸だと上記のササクレ?状態になって苦労するかも知れません。
心配なら、カットラインの外側にカッターの刃を押し付けながらコロコロして、罫書き線を入れておいてからその線に沿ってカットしましょう。(このBDのカーボンシャフトは幸いにササクレ難いようですので直接細目の糸鋸刃を使って問題は起きませんでした)

Vブロック等で固定し回転させながら全周をカットし、断面はヤスリで仕上げ、軽く面取りをしておきます。

②次に、ジョイント・パーツを取り外します。

私は、カットしたシャフトを旋盤のチャックに咥え、ギリギリまで切削してからカッターで付着していた残材を取り除きましたが結構面倒でしたので、むしろ金鋸の歯で縦に切れ込みを入れ、マイナスドライバーで切れ込みをコジってしまった方が良さそうです。(ナット・スプリッターが使えるかもしれません)

Polel  Polesol

それでも接着剤のカスは取り除けませんので、アセトンに浸けて膨潤させてからブラスブラシできれいに付着物を取り除きました。
私はこのまま組み立ててしまいましたが、接着を確実にするためカーボンシャフトとの嵌合部にローレットをかけるか荒めのヤスリで表面を荒らしておくことをお勧めします。

Polejoin
(取り外した♂♀のジョイントパーツ)

③再組み立てします。

シャフトの内側とジョイント・パーツの外周にエポキシ系接着剤を適量まんべんなく塗布し、両者を嵌め合わせて、逆さにして接着剤が完全に硬化するまで1日程そのままにしておきましょう。

Polefin
(伸ばせるのは既存のストップマークではなく130センチマークまで!!!)

これで完成です。105~130センチの範囲で調節可能な“フリックロック・プローブポール/改”が出来上がりました。(オリジナルは115~140センチ)
この長さは女性はもちろん、日本の標準的な男性にも丁度好い調節範囲の長さではないかと思います。
(私が使用中のLサイズのポールも同じ長さにカットすることにしました!)

手間は掛かりましたが、適当な長さのポールがバーゲン価格で入手できた事になりますので、まずまず満足・・・と言ったところでしょうか。
問題は、山スキーシーズンまでに足の状態がどれだけ回復しているかという事だけです。(笑)

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2009年5月 7日 (木)

KAJITAXのヒールレバーを削る!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


山スキー用のプラスチック製のランドーネブーツやテレマークブーツは、滑降と歩行という相反する動作に対応するため、足首のヒンジの部分に前傾角度を固定したり開放したりする機構が必要となります。
しかし、その構造を収めるため、どうしても踵上部から足首にかけて大きく後ろ側にオーバーハングしているランドーネブーツがほとんどです。(画像↓)

Le1  Le2

一方ワンタッチアイゼンの多くはのヒールレバーは、基本的に登山靴のシンプルな踵のシルエットを前提に作られているものが大半でしたので、ランドーネブーツと相性がイマイチのアイゼンも存在したのです。
最近になって一部の欧米のアイゼンのヒールレバーは、山スキーやテレマークブーツでの使用を考慮してか(?)、ショートタイプにしたり構造を変えたりして、ブーツの足首固定・開放切り替え部分の突起と干渉しない形状のものが多くなってきたのはよい変化だと思います。

Lenp  Len2
(BD/ネーベプロのショートタイプのヒールレバー)

さて、私が他社のアイゼンのレバーを敢えて換装して使ったり、自作の改造スノーシューのパーツとして使っているのが“KAJITAX”製のヒールレバー(画像↓)ですが、この製品は完成度の高さと国産ならではの入手のし易さでは最高のものだと思います。

Leti
(ウクライナ製のチタンアイゼンも貧弱だったレバーをKAJITAXの改造レバーに交換した)

Less 
(MSRスノーシュー/改・ワンタッチ仕様もKAJITAXのレバーを使用)

しかし、このヒールレバーも、登山靴のヒールのラインにはしっくりとフィットするのですが、ランドーネブーツに使用するとなるとブーツの出っ張りとレバーの一部がぶつかって、完全にレバーが倒れた感じがせず、ブーツの種類によっては少々不安に感じる事もありました。

そこで、画像のようにレバーの突起の部分を削り落として、ブーツとの干渉が起き難くしてみたのです。

Lel  Lel2
(ペンで指示した部分の突起を削った)

結果は、まずまず良好で、無加工の時より若干深い角度までレバーを倒すことができ、何かに引っ掛った拍子に外れてしまう危険性も少なくなったと思います。(画像↓)

Less2

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2009年4月14日 (火)

“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策④

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


「“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策③」からの続きです。

前回までの記事で“TLT/Comfort”の一部のベースプレートに、通常の使用で突然破損する恐れのある製品が存在する事はご理解いただけたと思います。(画像↓)

177aadc24a823f5386121cca9124d7081

最終回の今回は、この問題が発生した過程と対策についてまとめてみましょう。

●はじめに、この問題の遠因について記しておきます。
その遠因とは、“旧・TLT”の発展型として“TLT/Comfort”がラインナップに加わった時点で、ブーツソールとスキー板のトップシートまでの設計上の間隔が、“旧・TLT”よりも数ミリ大きくなった、つまりいわゆる「下駄を履かせた」状態になったことにあるようです。(この間“Tri-step”というモデルも短期間存在しましたが、構造な欠陥があり即廃番になりましたので敢えて取り上げません)

この設計変更の理由は、カービングスキーの操作性向上のためと言う一面もあるのでしょうが、主としては、”TLT/Comfort”が“旧・TLT”では無理やり取り付けていた感もあるスキーブレーキを、無加工で取り付けられるように設計を見直したからだと思われます。

そのため、“旧・TLT”のベースプレートが現行の“Speed”や“Race”と同じ型の、スキーのトップシートと密着する薄手のソリッドプラスチック製であったのに対し、“TLT/Comfort”になった時点でリフトアップされたヒールピースに対応して、トーピースも数ミリ分高くする必要が生じ、その結果(厚くなったベースプレートをソリッドで作ると重くなりますから・・・)スキーのトップシートとの間に空洞のあるベースプレートにせざるを得なくなったということです。(Vertical-FT はトップカバーの下にシンプルなソリッドのベースプレートを使用していますが、カバーの無いVertical-ST やComfort-TLT にも、見栄えは悪くてもFTと同じベースプレートを使いたいと思っているのは私だけでしょうか・・・?)

そして、今回問題となった破損の恐れの有るベースプレートについては、その空洞部分の補強が何故か十分でなく、素材の強度に応じた構造になっていなかったわけです。



●さて、今回は問題のある“TLT/Comfort”から破損の危険性を取り除く具体的な方法の一例をご紹介します。


【最終確認】

ご使用中の“TLT/Comfort”が不幸にして破損の可能性が高いロットのものと判断された場合ですが、まずは片方のト-ピースを外して見ましょう。

PZ3のドライバーを使って慎重に一気にビスを緩めます。ビスをエポキシ接着剤で固めている場合はハンダ鏝でビスの頭を熱すると緩め易くなります。

前端のビスにワッシャーがはまっていたら(画像↓)確実に該当品ですから、両方ともトーピースを取り外しましょう。

Wa2_2

③でワッシャーの無かった場合は外したベースプレートの裏を確認しましょう。補強が縦のリブのみでしたら該当品です、両方ともトーピースを取り外しましょう。

Bp_ura4_2
(この状態だったら対象品です)

縦横十字のリブで補強が入っていたら問題は無いので、再びビンディングを取り付けなおしセンター合わせをして完了です。

補強が縦のリブのみでしたら・・・、残念ながら該当品です。以下の方法で補強をすると安心です。


【補強方法の一例】

ベースプレートの裏側にラップを被せ、エポキシパテを十分混合し適当な大きさと形状にしてロックレバーに押される裏側の部分にやや盛り上がり気味に押し付けて配置する。(ラップを使うのは、後で取り外して整形できるようにパテとベースプレートの間に離型のためのクリアランスを確保するためです。固まる前のパテの硬化剤などがベースプレートの素材に影響しないかは未知数ですが、見栄えと僅かな重さを気にしなければ 直接パテを盛っても良いかもしれません。)

Pute  Ponb
(エポキシパテ㊧を混合しベースプレートの裏に配置する㊨)

Gf
(↑私は補強のためグラスファイバーの短繊維をパテに練込みきましたが普通はその必要も無いでしょう)


パテを置いたベースプレートをラップを敷いた平滑で丈夫な金属板や厚目のガラス板などに当て、Cクランプ等でプレスしておく。(ベースプレートは少し反っているのでこうしておかないとスキーに取り付けたときの状態にならない)

Cl  Clup
(ビス穴の部分にカイモノを当ててCクランプでプレスしておく)

パテの硬化を待って取り外すとプレート裏側の凹凸形状ぴったりの補強ブロックができる。

できたら最小限の大きさにカッターやヤスリなどで形良く成型しまでしょう。(画像↓)
このままだと5グラム程度ですが、もう少し小さく削れば3グラム位までの軽量化は可能だと思います。

Imgp3389

このブロックをベースプレートの裏に戻しますが、その時に両者の凹凸のディテールを埋めるためシリコン系接着剤を裏の溝の部分に少しだけ塗っておくのも良いでしょう。


スキーにトーピースを再取り付けすれば完成ですが、その際には以前の当ブログの記事を参照してセンタリングを確実に行ってください。
なお、ワッシャーを取り外したのとベースプレートが撓まなくなった分、ロックレバーを起こす動作は固くなります。




【破損した場合の応急対策について】

不幸にして登行中に突然ベースプレートが破損して取れてしまったら・・・。
考えられる対策は2つでしょう。

外れてしまったプレートを探してガムテープ作戦で取り敢えず板に固定し、ロックレバーを起こし押さえて固定する。

プレートが飛んで行って見つからなければ、ザックの中を探して同じような厚さのものを見つけるか、木の枝を同じ厚さに輪切りにするなどして、ガムテープで固定しロックレバーが下がらないようにする。

いずれにしろ以上のような方法で山頂までたどり着けば、滑降時にはロックレバーは(特別な場合を除き)プレートの破損とは関係ありませんので降りはそれなりに楽しめるはずです。


さあ、これで安心して山スキーツアーに行けるようになりました。めでたしめでたし!!


●さて、「自分のは“TLT/Comfort”でなく“Vertical”だから安心だ!」と思った方には申し訳ないのですが・・・、実は06-07と07-08の“Vertical”にもヒールピースの樹脂部分に問題があるのです。(08-09からVerticalのクライミングサポート支持部にC断面スプリングピンが追加されたのにお気づきの方も多いと思います)

欠点ばかり論ってもなんですが・・・、ご希望があればこの点についても、問題点の指摘と対策を公開しようと思っています。

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2009年4月 6日 (月)

“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策③

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

「“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策②」からの続きです。

一連の記事で、“Dynafit-TLT/Comfort”ベースプレートに問題があり、破損の危険性のあるものが存在し、その臨時対策としてトーピース本体とベースプレートの間にワッシャーを追加するという手段を採ったものがあることは先に述べたとおりです。
しかし、前回の記事についても、私の一ユーザーとしての限定的な認識と推量の範囲で述べたものであり、すべての年式の状態やマイナーチェンジの時期などを詳細に把握している訳ではありません。

“Dynafit-TLT”ユーザーの方で追加・訂正すべき情報をお持ちの方がいましたら是非コメントいただきたいと思います。

●さて、今回はまず問題のあるベースプレートにワッシャーを追加した対策の有無を外見で判断する方法をご紹介します。

比較するために、私の所有する“Dynafit-TLT/Comfort”の3パターン「①最終型のVerticalと同じベースプレートのもの」「②欠陥ベースプレートのもの」「③欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したもの」を比較のために1枚の板にビスで取り付けてみました。(画像↓)

3item

まずは、②の未対策欠陥ベースプレートの画像です。(画像↓)

Pu_nw

次に、③の欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したものです。(画像↓)

Up_ww

お判りでしょうか?では、両者を横からの画像で見てみましょう。(画像↓)

Up_nw2  Up_ww2

上の左側の画像は「②の欠陥ベースプレートのみのもの」、右側は「③の欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したもの」です
(しかし、この対応ではトーピース金属シャーシー部分の先端が上側に反ってしまうことになるので、やはり正しい対応とは言い難い)


②のものを見るとトーピースの金属シャーシー部前端とベースプレートの面が同じ高さで一致しています。
一方、③のものはベースプレートの面からワッシャーの分だけ金属部分が浮き上がっているのが画像でも判ると思います。
このように、お使いの“TLT/Comfort”をご覧になって金属と樹脂製のベースプレートの面が揃っていなかったら、ワッシャーで対応したものだと判断して構わないでしょう。

また、ここで使用するワッシャーは一般の規格より穴の直径に対し外径が小さいもの(画像↓)を使用しないとベースプレートの凹部の幅に収まらないので、当時の代理店ないし指示を受けた販売店サイドで適当なものの手持ちが無い場合、外径の大きいワッシャーの両側をカットして場当たり対応をしたケースもあるため個体差もありますが、樹脂の面から金属部が概ね1mm程浮いて段差があったらワッシャーがあると考えられます。

Wa3

●ではこの僅か1ミリが実用上でどのような影響を及ぼすのでしょうか?
ブーツ無しで①②③のビンディングのトーピースを閉じた状態が次の画像です。

Nv  Nnw2  Nww3

画像が不鮮明ですみませんが、いずれもほぼ同じ力でレバーを起こした状態です。
㊧の「①最新のもの」と、㊥の「②未対策品」はレバーのギザギザとベースプレートの凸部が「カチカチッ」と接触しながら引き代を残しでレバーが止まりますが、㊨の「③ワッシャーを追加して対策したもの」はレバーがベースプレートに接触することなく最後まで起こし切ることができ、その状態でもベースプレートの突起とレバー下部の間には間隔が残ります。

下の画像はワッシャーを追加した対策品ですが、ベースプレートの凸部とレバー下部の間に間隔があるのが判るでしょうか?右側の写真のようにレバーを起こし切っても二つ折りの葉書が十分挟まるくらいの間隙があります。

Nww2  Nww4


●また、下の画像は上述の①②③のパターンの製品にブーツをセットした状態です。(ブーツ無しの状態よりレバーが若干押し下げられた状態で固定されます)

Bv  Bnw  Bww

画像の㊧㊥㊨が、それぞれ①②③のパターンに対応しています。
ブーツをセットしてレバーを起こしてみましたが、㊧の正常品を基準にすると、㊥の未対策品は正常品と同程度の力で最初のギザギザに乗りました。(それ以上起こすと破損につながるのでこの実験ではあまり強い力をかけませんでした)
それに対し㊨のワッシャーで対策したものでは、正常品より弱い力で同程度までレバーを起こすことができ、その後もより少ない抵抗で最後までレバーを起こし切れました。

つまり、未対策品では、この状態から更に強い力でレバーを起こそうとすると、カム様の作用でレバーが補強の無いベースプレート上面を押し下げ撓めてしまうわけです。
しかも全体が均等に撓めばよいのに、縦の補強リブ下部がスキーの表面で固定されているため、ここを支点としてレバーで押される部分との境(画像↓㊧のドライバーで指した凹角部分)に鋭角に折れ曲げようとする応力が加わってしまうのです。

Bp_ura4  Bp_ura3
(㊧レバーに押される部分の裏に補強が無い、㊨は正常品)

そして、この状態の繰り返しと、歩行モードでブーツから伝わるレバーを下に押そうとする強い力が、形状と素材に問題のあるベースプレートの応力集中部分に素材疲労を進行させるのでしょう。
(特にDynafit全般で、05年製造あたりから外見的にも樹脂部品の品質が低下しているような感じで、以前の“Tour Lite-TECH”や“初代 Comfort”と比較すると素人でも品質の差を感じます・・・生産国を変えたか、環境を考慮してリサイクル素材にでもしたのでしょうか?)

“山滑兎”さんの破損状態(画像↓)を見ても、このリブとの接線と取り付けビス部で板に固定されている部分との両境界で、応力の集中する部分から破壊が始まっているのが見て取れます。

177aadc24a823f5386121cca9124d7081_2

以上から導き出される結論は、問題のあるプレートも外形寸法上は正常な現行品と全く同様でTLTビンディングの基本設計に準じたものであり、そのプレートが1~2シーズンで破損するということは、明らかに所要の強度を得るための内部構造(補強)の不備と、素材の選択ミスだと言う以外にありません

●さて、以上の上記の要領でチェックして、自分のLTT/Comfortが不幸にして問題ありとなった場合ですが・・・。
代理店にクレームをつけるのも一つの方法ですが・・・、弱小代理店(失礼!)に無理を言うのも自作マニアの「“漢”が廃る・・・(オトコガスタル)」と、いうことで、とりあえずユーザーが採れる対処策について考えてみましょう。

(余談ですが・・・、樹脂のプレートぐらい安い物なんだから、メーカーも欠陥品と認めて全品リコールをかけ、パーツ交換に応じれば良いじゃないか・・・とお思いかもしれませんし、本来それが正しい対応なのでしょう・・・、しかし、いろいろ大人の事情?、があって・・・そのためこの程度の欠陥では、実際に破損事故が起こった場合のみ、クレームごとの個別対応にせざるを得ないのでしょうね・・・。“TLT/Tri-step”の時はDYNAFIT本社も全品リコールを公示したようなので、特に不誠実なメーカーというわけではないと思いますが・・・

(以下、次回に続く・・・)

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2009年3月28日 (土)

“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策②

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


「“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策①」からの続きです。

さて、“Dynafit-TLT/Comfort” の一部には構造・材質が複合した欠陥があり、場合によっては事故につながりかねない破損にいたる恐れがあることは前回の記事でお知らせしたとおりです。

177aadc24a823f5386121cca9124d7081_2
(この破損状態の画像は“山滑兎”さんより拝借しました)

今回は欠陥の可能性のある“TLT/Comfort”の判別法について、私の知りうる範囲で記載しようと思います。

なお、私はメーカーおよび代理店と利害関係や特別なコネクションの一切無い、一般ユーザーであるため、記載内容については正確でない可能性もあることをご承知ください
なお、どうしても気になる方は、スキーからトーピースを一旦取り外しベースプレートの裏を目視確認するか、直接メーカーあるいは現日本代理店(事情の詳細を知らないかも知れませんが・・・)に問い合わせてください。
なお、“Vertical”“Race”“Speed”“旧TLT(Tour Lite TECh)”は多分問題は無いと思います。

【対象品判定法】 (年式は購入年を目安にしてください)

㈱アクタスディストリビューション が代理店の“Comfort”08-09の商品(ベースプレートがVerticalと同じタイプになっている)は今のところ問題無し。

Com_n
(③とのベースプレートの違いに注意)

上記代理店に替わった初年の07-08の“Comfort”については不明だが、旧品が混在していた場合は対象品となるかもしれません。(外見は③と同じなので、要・取り外し確認)
また、①のクトー取り付け部に金属補強が入ったもの以外の旧型プレートでは、純正のクトーを使用すると破損の可能性大なので、“Voile”等の直付けクトーを使用したほうが安全だと思います。

Bp_ura1_2
(㊨のように表面の凸部の裏に補強リブが無いものは×!)

06-07で、カスタムプロデュース㈱が代理店だった最後のシーズンのものは最も危険性大!

Com_o
(この形状でメッキのトップカバーだったら、たぶん×!)

~06の製品はまったく不明です。多分大丈夫だと思いますが、気になるなら一度取り外して裏側に補強リブがあるかどうか確認しておくと安心です。

(伝聞ですので、責任は持てませんが、画像↓のようにベースプレートが濃い灰色で表面がややマット調?だったらたぶん。樹脂が銀色がかっていて表面がツルツルだったらの可能性があるようです)

Bp2
(画像、奥手が、手前が×の可能性があるもの・・・?)


~05(?)で画像のようなグラフィックのヒールピースのものは樹脂の材質も良いので多分大丈夫だと思います。(ベースプレート裏の形状が異なる?とも聞きますが、所有しているスキーのビンを取り外すのも大変なので未確認です)

Old_com
(ヒールピースがこの柄だったら多分大丈夫)

上記②④のケースで前端のビス(トーピースの金属と樹脂製のベースの間)にワッシャーが挟んであったら(判断法は後述)当座はOKだと思われますが、その場合はベースプレートの強度不足が在るという証拠ですし、根本的に問題が解決したわけではないので後述の補強をしておいた方が安全だと考えられます。
また、ワッシャーが確認できなかった場合も、一応取り外して裏側に補強リブがあるかどうか確認しておくと安心です。

Wa1
(人差し指で触っているのが追加された対策用ワッシャー)

上記③の場合も、⑥と同様に考えて構いませんが、このシーズンのものは対策対象品でありながらワッシャーを挟むという臨時措置がとられる以前の、もっとも危険な製品も出回っていますので、念のため自分でワッシャを追加するか、後述の補強をしておいた方が安全と考えられます。

●さて、次回は今までの記事で購入年などから、問題がありそうなロットの製品だと疑いのある場合、その個体がワッシャーを挟むという臨時の対策をして有るか無いかを、外見から見分ける方法をお知らせしたいと思います。
また、ワッシャーの有無で、ロックレバーとベースプレートの動作関係がどのようになっているかも併せてご紹介しようと思います。

(以下、次回に続く・・・)

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2009年3月26日 (木)

【緊急】“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策①

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


お気に入りの“Dynafit-TLT” ビインディングですが、以前の“COMFORT”の一部(06-07シーズン?)にトーピースの樹脂製ベースプレートに結構重大な構造上の問題(欠陥)があることを知りました。

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(破損したトーピース -“山滑兎”さんより拝借-)

実はメーカー側もこの欠陥に気づいていたようで、海外のディーラーに対し該当モデルのトーピース本体と樹脂製のベースプレートの間に適当なワッシャーを1枚介してビス留めするようにとの通達を出していたのです。
当然、当時の代理店C社も在庫分に対しメーカー指示どうりの対応をし、販売を継続していました。

Wa2  Wa3
(ディーラー対応で㊨のようなワッシャーを㊧の部分に追加)

その結果、ワッシャーの厚みの分(約1ミリ)だけベースプレート上面とロックレバーのクリアランスが大きくなる事になるのですが、当時は私もこの対応の意味についての理由がわからず、たいした意味も無いのかと思って気にもしていませんでした。

しかし、3年後の今になってこのワッシャー1枚分、僅か1ミリのクリアランスをなぜ確保しなければならなかったのかがやっと判ったのです。

まずは、“山滑兎”さんのブログの記事ご覧ください。
シンプルで故障の少ないといわれる“Dynafit-TLT” ビインディングにも一部にこんな欠陥があったんですね。
このようにレバーのロックが効かなくなると歩行モードでは頻繁に誤解放が起こって、場面によっては命に係わる事故に直結しかねないでしょう。

●私なりに、この故障の原因と製品の欠陥を推量すると次のようになります

樹脂製のベースプレート前部、ロックレバーのセレーション(ギザギザ)が固定される突起の裏側にあるべき補強リブが無い。(画像は該当の欠陥プレートと、最終モデルのComfortと現行のVerticalに使用されるプレート、補強リブの有る無しは一目瞭然!)

Bp_ura1
(㊧は対策済みの新型、㊨が破損の危険がある旧型、なお金属プレートはクトー用で本件とは無関係)

補強が無いため、ロックされる度にプレートが撓み、また歩行時のレバーに掛かる力が繰り返しベースに加わり、長期の使用で応力が集中する部分に素材疲労が蓄積。

Bp_ura3  Bp_ura4
(ドライバーで指示した部分に注目、㊧の新型には縦横に補強があるが㊨には縦リブのみで肝心のレバーで押される部分の下にはリブが無い)

樹脂素材の選択の誤り(柔軟性に乏しく脆性高い)と相乗し、ロックレバーが強い力でベースプレートを押したのをきっかけに疲労の蓄積した素材が一気に破壊される。

Bp1  Bp2
(材質も後の以前のものに比べて、手前の問題品は柔軟性が無くなった)

対策としてワッシャーを1枚追加するとの指示は、たぶん若干のクリアランスを稼ぎ、ロックレバーを最大限起こしても過度な圧力がベースプレートにかからず、またベースプレートの変形をなるべく少なくするようにとの場当たり的で姑息な対応だった。(しかし、故意ではないとは思うが、前ディーラーの説明ではロックの作動状態の改善というのみで、プレート破損には一切触れていなかった)

●過去の一部とはいえ、寿命の長い“Dynafit-TLT/Comfort” ビインディングに以上のような欠陥があった事は、このビンディングをブログの読者に推薦してきた私も非常に心苦しいものがあります。
しかも、前代理店C社はなおざりな対応をしたまま、ちゃっかり手を引いており、現代理店のアクタスさんも、まだこの製品についてのノウハウの蓄積も少なく、あまり苛めてもかわいそうな気がします。(笑)

そこでこの問題の対処法について、一ユーザーとしてできる対応についてお知らせしようとと思います。

まずは、皆さんのお使いの“Dynafit-TLT/Comfort”が該当製品かどうかの見極めから話を進めたいと思います。

(以下、次回へ続く・・・)

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