カテゴリー「山スキー・バックカントリー 2」の記事

2017年7月 6日 (木)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


さて、前々回前回に引き続き“ネーベ・改”第3弾の御紹介です。
概要は以前の記事をご覧ください。

今回はだれでも入手できる材料とご家庭にある工具でできる改造です。
しかも、これまでの物より強度も遙かに高いはずです。

とはいえ、使う材料は市販されているとはいえやや特殊な部類ですから、小さなホームセンターには無いかもしれませんので、その場合は通販をご利用ください。

必要なのは、ステンレスのスリムヘッドビス(超低頭ネジ)φ5㎜×12㎜とステンレスナット3種φ5㎜の二種類、4個づつだけです。

Bdnbb_6
(φ5㎜×12㎜のスリムヘッド・ビス)

スリムヘッドビスφ5㎜×12㎜は3種のナットを使うと偶然にも長さがジャストサイズですから加工の必要はありません。
なお、ステンレスナットの「3種」という規格は通常のナットより薄いので改造後もあまり出っ張らず見栄えも良好です。
また、ワッシャーは製品に使っていた物を再利用しますので新たには必要ありません。

Bdnbb_4  Bdnbb_5
(ステンレスナット3種は通常より薄く3㎜程度の厚さ)

改造の難しい点は、元々カシメてある中空リベットを取り外す事だけです。
過去の記事を参考にして、慎重に作業をしてください。

後は、ストラップを裏返しにしてアイゼン本体の外側へ付け替えるだけです。
書き忘れていましたが、ストラップを裏返しにするのはワッシャーの納まるくぼみがある方を外側にするためです。(BDのロゴマークは裏側で見えなくなります!)
ビスは8㎜のレンチと♯2ドライバーでビスを締め込み、ビスの頭に短いプラスビットを当ててビスの反対側の末端の周囲をハンマーで叩いてネジ山を少し潰して外れ止めにしておきます。
プラスビットを当てるのは衝撃から薄いネジの頭とネジ溝を保護するためですが、真直ぐに置けるならネジの頭を直接アンビルに当てても構いません。

これはかなり強力なナットの脱落防止策で、ナットが外れることはまずありません。
原状復帰の予定があるなら、適度な状態まで締めた後ナットとビスの接点3カ所程度に先端があまり尖でないポンチを強めに打って弛み止めにしても良いでしょう。

Bdnc_1
(ビスの頭にドライバービットを当てて、ハンマーでビスの先端の周囲を叩く)

最後にネジを少し緩め、適度な抵抗でストラップが回転する位置まで戻します。
末端の潰しが適当なら回らなくなる位置まで戻して丁度良いと思います。
もし必用なら、念の為アロンアルファで回り止めをしておいても良いでしょう。

以上で完成です。

Bdnc_2  Bdnc_4
(完成した状態は結構好い感じだ)

偶然、12㎜長のナットがジャストサイズなので、ネジのカットも不要で作業はとても簡単ですから、必要な方には是非お薦めしたい改造です。

まぁ、私としては2番目に改造したブラインドリベットを使った改造が外見的にもスッキリしていて一番良かったと思っていますが、再々々改造も面倒なので暫くこのまま使ってみようと思っています。

また、現在BDの“コンタクト・ストラップ”を持っていて、ボリュームの大きなボードブーツで履こうと考えている方も、同じ方法で(本体に板厚の差がありますから、できたらビスは0.5㎜位削ったほうが良いかも知れません)改造できますからお試ししてはいかがでしょうか?




【余談ですが・・・】

今年の残雪期、久々にアイゼンを履いたまま薮漕ぎをして酷い目に遭いました。
苦労するのは分かってはいたものの・・・、夏道まで20m位だと高をくくり面倒なのでアイゼンを脱がず這松に突っ込んだのですが・・・。
アイゼンは枝に嵌って抜けなくなるは、ザックに着けた板は引っ掛かるは・・・で、蜘蛛の巣に捕まった蝶々みたいになってしまいました。
おまけにオーバーパンツは松脂でベタベタです。
まさに、後悔先にたたずでした。
皆さん!薮漕ぎをする時は面倒でもアイゼンを外しましょうね!(笑)

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2017年6月22日 (木)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


『軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ①』は、一般的でない改造でしたので、もっと簡単な方法でBDのクランポン“ネーベ”をボードブーツ用に改造する方法を試みてみました。

前回はステンレスの中空リベットが入手できず、錆び易い鉄製の中空リベットを使いましたが、今回は特殊な打ち棒など自作しなくても、市販の材料と工具だけを使い、ステンレス製のリベットでストラップを留める方法をご紹介いたします。

今回は、ホームセンターなどでも良く見掛けるステンレス製の“ブラインドリベット”を使う事にしました。

Bdnbb_2   Bdnbb_3
(ステンレスのブラインドリベット)

この改造に合うのは画像のサイズです。
とは言え、通常と違うカシメ方をするのでリベットにも少々加工が必要です。
外側にフレアーさせてフランジ状に広げるため、一旦シャフトを抜きリベットの先端の穴をカウンターシンクで45度に大き目に面取りをしておきます。

また、ブラインドリベットを使う場合、元々使われているφ5㎜用ワッシャーは穴が大きすぎて使わない方が無難です。
そこで、外径10㎜で4.5㎜穴の特寸ワッシャの穴をジャスト5㎜に広げて使うことになります。

バイスプライヤーでワッシャーの端を固く咥え、ボール盤で穴を拡げ、さらに穴の角を軽く面取りしておきましょう。

次に、ブラインドリベット専用の工具にセットし、ストラップとアイゼン本体を締結します。

本来、ブラインドリベットはシャフトの頭が完全に沈みきり、シャフトが頭だけ残して引きちぎれるまで引くのですが、今回はシャフトの頭がリベットの穴に沈んだところで引くのを止め、リベットのシャフトを反対から叩いて抜いてしまいます。

Bdnbb_1
専用のリベッターでカシメる)

後はリベットの末端を円錐形の先端を持つポンチか、あるいは鋼球(パチンコ玉)等でフレアーさせ、その後、適当な棒状の工具とハンマーで叩きリベットの末端を平らに広げてしまえば終了です。(↓㊧の画像)

Bdnbb_7   Bdnbb_8
(今回は変則的なブラインドリベットでの締結をおこなった)

画像のようにリベットには貫通穴がありますので、中空リベットに比べて、強度が弱いようにも思えますが、このサイズだとせん断耐力はデーター上500㎏あるそうですから、この用途ならまず壊れる事は無いでしょう。


えっ・・・!、まだ工作が難しいって?

それなら、次回は市販の材料とドライバーとハンマーというどの家にでもある工具を使うだけでできる究極の簡単改造をご紹介します。


(以下続く・・・)

夏なのに次回もアイゼンの改造の記事です。
そして・・・、申し訳ありませんが、それ以降もしばらく冬に使う道具の記事ばかりが続く予定です。

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2017年6月14日 (水)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


BCスノーボードでアイゼンの出番は少ないとはいえ、特にスノーシューを持参しない残雪期のツアーの時など、もしアイゼンを携行していたらこんな怖い思いをせずに済んだのに・・・、というシチュエーションにも時々出会いますよね。

そこで・・・、ボリュームのあるボードブーツに合うアイゼンといえばまず思いつくのが“グリベル G10/ワイド”でしょう。
私のは旧モデルなので少々改造して使っていますが(画像↓)、大きなボードブーツでも無理なく装着できます。
なお、新しいモデルはトーストラップが改良されましたので大きなブーツにも無改造でフィットします。

Bdnbb_11
(ストラップが適正な位置に乗るように小改造)
 
その他、“BD/コンタクト・ストラップ”を使っている方も多いようですね。
しかし、私もこのステンレス製のアイゼンを持っていますが・・・、ボードブーツでも履けることは履けるのですが、爪先部分の幅が狭く、“グリベル・G10/ワイド”のように安定した装着状態にはなりません。

特に“DEELUXE/Spark” のようなボリュームの大きなブーツの場合、爪先のストラップの掛かりが浅く、アイゼンバンドの締め付けが緩いとインサイドのポイントで岩角に乗った時など回転して外れてしまいそうです。

Bdnbb_9
(コンタクトはボードブーツには爪先幅がやや狭い)

そんな理由で“グリベル・G10/ワイド”が山ボードの定番となっているのでしょうが、このアイゼンの問題点は、お守り代わりにザックに入れるには些か重いという事です。

そこで軽い山ボード用のアイゼンが欲しくなり色々と物色してみたところ・・・、これは!というものはなかなか見つかりません。

“グリベル・エアーテックライト/ワイド(ニュークラシック)”というアルミ合金製のアイゼンがボードブーツにも合うようなのですが、山ボードのお守り代わりに使うには12Pは少々仰々しく、デザインも私的にあまり好みではなかったのです。

BDには上述の“コンタクト・ストラップ”と全く同じ形でアルミ合金製の“ネーベ”という製品があり、軽さとデザイン的には理想なのですが・・・、当然“コンタクト・ストラップ”と同じ爪先幅ですから大きなボードブーツにはジャストフィットとはいきません。

そこでこの軽量な“ネーベ”の爪先部分をワイドタイプに改造することにしました。

改造の概要はアイゼンの内側に付いている樹脂製のストラップを外側に移動させることで爪先幅を12㎜広げようというものです。
これは、グリベル・アイゼンのスタンダードとワイドの構造差が、ストラップが内側にあるか外側にあるかという違いであるのと同じ事です。

手順は、まずストラップと本体を固定している中空リベットの丸頭側に切断砥石で回り止めの線状の溝を入れマイナスネジの頭のような形にして、そこをマイナスドライバー代わりの鉄板を咥えたバイスに押し付けながらボール盤とφ5㎜のドリルで反対側のカシメ部分を皮一枚のギリギリまで削ってしまいます。

良く切れる新品のドリルならそのまま削っても上手くいく場合もあるでしょうが、リベットがドリルと共回りしないよう面倒でも頭の溝加工はしておいた方が良いでしょう。
あるいは、未確認ですがリベットの頭の先端をヤスリなどで削って凹凸を作り、下に敷いた硬質ゴム板等に押し当ててフリクションが生じるようにし、共回りを防ぐという手段も考えられます。
次に削ったほうの穴にオートポンチを当ててショックでリベットを弾き出して外します。

次にφ5㎜×12㎜の中空リベットを使い、裏表を逆にした樹脂製のストラップを本体の外側にカシメて留めればOKという訳です。

Bdnea_1
φ5㎜×12㎜の中空リベット)

といっても・・・、言葉では簡単ですが、実はそう簡単に作業は進みませんでした。

まず、φ5㎜×12㎜のステンレス製中空リベットは1,000本ロットでしか購入できず、小口で入手できるステンレスの中空リベットはφ5㎜×10㎜の物しかありませんでした。
カシメ代の標準が直径の60%必要であることを考えると、10㎜長だと素人加工ではカシメられないと思われます。

検索して何とか鉄にニッケルメッキのφ5㎜×12㎜を入手できたのですが・・・、打ち棒は入手困難なので自作する必要があります。

中空リベットは工業的にはプレスとメカニカルダイスでカシメますので、手打ちのφ5㎜用工具など一般に市販されていないのです。

ハッキリ言って、素人加工でも上手く中空部をカールさせる先端構造の打ち棒を作るのはそう簡単ではありませんでした。
私は試行錯誤の末、旋盤と自作バイトでステンレス丸棒の先端を粗削りし、続いて回転させた丸棒に丸いダイヤモンド砥石を付けたリューターを当てて仕上げ、何とか自作の打ち棒を作る事ができました。(画像↓)

しかし、所詮素人の手造り工具による加工ですから、末端は中途半端にしかカールしませんでしたので、最終的には丸頭リベットの打ち棒でカシメ部分の形を整える必要がありましたが・・・、最終的には何とか上手く仕上がりました。

Bdnea_3
(打ち棒はステンレスシャフトの先端を画像のように加工する)

ストラップを外側に付け替えた後の状態は画像(↓)の通りですが、外見でもかなりワイドになった事がお判りだと思います。

Bdnea_6  Bdnea_5
(いずれの画像も、㊧改造前 ㊨改造後 → 爪先幅が12㎜ワイドになった)


Bdnea_7  Bdnea_8
(上から見た ㊧改造前 ㊨改造後、フロントポイントの突き出しも適正に)
※撮影角度の関係で爪の出方が誇張されちゃってるます!
画像のとおり、フロントポイントもあまり突き出さず、ストラップもしっかり爪先を包み込む位置に収まりました。
色々と苦労はありましたが・・・、これで安心して使用できる理想のボードブーツ用アイゼンが完成したわけです。
今シーズンの出番はありませんでしたが、来シーズンが楽しみです。


Bdnea_10  Bdnea_9
(横から見た ㊧改造前 ㊨改造後 → ストラップも安定した位置に)



しかし、改造が成功したとはいえ私的には中空リベットがステンレスでなく錆び易い鉄製というのも納得いきませんし、特に今回の手法はご紹介しても誰でもできる種類の改造ではないという大きな問題もあります。

そこで、次の段階として、普通に入手できる素材を使って“ネーベ”を山ボード用に改造する方法を考えて再改造を実施してみましたので、近日中に記事にて御紹介してみたいと思います。

(以下続く・・・)
 
 

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2017年4月30日 (日)

最新のビーコン “ARVA/Axio”を試す!

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Arva_1
(最新のビーコン “ARVA/Axio”

今シーズン新しいビーコンを入手しましたので、その第一印象を記事にしてみます。

以前の記事にも書いたように、私は現在まで長くMAMMUTの“PULSE Barryvox”を使っていました。

昨シーズン終了後にファームアップした“PULSE Barryvox”の Ver.4 はかなり良好で、初心者にも使い易く、またガイドの厳しい要求にもこたえられる最強のビーコンと言っても過言ではない製品なのですが・・・、もう7年も使っているのでそろそろ買い替えかなぁ~、と思って調べてみたら “ARVA/Axio”という製品が目に留まってしまったのです。

何がすごいかというと、まずは探索距離が最大80メートル幅という事、そしてアンテナ配置がコロンブスの卵的発想で非常に画期的だという点でしょう。

通常の3アンテナビーコンは水平のXY軸の2本のアンテナに対し、垂直にZ軸のアンテナを配置してあるのですが、筐体の厚みという制約からこのZ軸のフェライトバー・アンテナは、どうしても水平のXY軸のアンテナより短い、つまり感度の悪いアンテナにせざるを得ない事になります。

しかしこの“ARVA/Axio”というビーコンは3つ目のZ軸のアンテナを可動式にすることで、XY軸のアンテナと同等の性能としたのです。

Arva_2   Arva_4
(Z軸のアンテナを垂直方向に回転することができる)

これで被探索側のビーコンのフェライトバー・アンテナから林檎のような型に立体的に放射される電磁波を3軸で捉える、球形探索(メーカーの表現)が可能になるとの事ですし、また好感度ゆえに複数のビーコンからの電波が干渉して機器の解析に混乱が発生した場合には自動的にアッテネーターが働き、最短距離にいるの埋没者の探索を容易にする機能もあります。(画像↓)

Axio_4
(上部BAND25の表示は探索範囲を自動的に25mに狭めた状態)

また操作性もシンプルで、初心者が直感で操作をしても、ほぼピンポイントで後は渦巻きプロービングでの探索に移行可能な数十センチ以内の誤差で埋没者の位置を特定できるといっても良いでしょう。
ただし進行方向を指示する矢印の表示は、“PULSE Barryvox”よりやや見にくく、また、“PULSE Barryvox”のようにプローブポイントまでは表示されませんので数値の一番小さくなるポイントを探索者自身が読み取ってプローブを刺す必要があるのは従来機種と同様です。

二昔前の、アバウトな方向表示と音の強さで埋没者に辿り着くという職人芸が必要だったアナログ・ビーコンとは全く別物と言っても良い出来になりましたし、もちろん、アナログモードを併用しする上級者にも対応できる性能も秘められています。

ただし、外観はお洒落なフランス人好みなのかもしれませんがチョット安っぽい感じで、私としては重厚な“PULSE Barryvox”の意匠の方が好感を持ちました。

Axio_7
(付属するホルスターの造りはイマイチかな?)

また、ジョイスティックによる操作も悪くは無いのですが、まだこの機械に慣れていないせいか、“PULSE Barryvox”と比較しても格段に操作性が進化したようには感じられません。
メインスイッチも、これまでのほとんどのビーコンが誤動作防止にメカニカルな構造を採用していたのに対し、“ARVA/Axio”はONはメインスイッチを押すだけですが、OFF する時はメインスイッチを長押ししてからジョイスティックをクリックするというチョット解りにくい方法なので、レンタルなどで初めて渡された方はONはできてもOFFにするのに少々手間取るかもしれません。

また、発信モードから探索モードへの切り替えは赤いZ軸アンテナを起こすだけの操作ですが、付属のホルスターだと雪崩に揉まれた時、万が一にもこの赤いアンテナが起きてしまう可能性が無いかが、(発信モード自動復帰機能があるとはいえ)やや心配ではあります。


そんな訳で、ビーコンメーカー各社の新鋭機中でも、この“ARVA/Axio”はベストバイと言っても良いとは思いますが・・・、とは言え“PULSE Barryvox”はディスプレイにカタカナ表示もでき、また分厚い日本語マニュアルも非常に充実しています。(“ARVA/Axio”のマニュアルは折り畳んだ1枚の紙のみ!)

さらに、“PULSE Barryvox”は約10年前の製品とはいえ、ファームアップで最新の機能を維持していますし、設定可能な項目も“ARVA/Axio”より格段に多く熟達者向けの詳細なカスタマイズも可能です。
北米のプロガイドからの“PULSE Barryvox”の定評がずば抜けているのもこのためでしょう。

そんな訳で、私としてはこの2機種のどちらをお薦めしたら良いかは非常に迷うところです。

まぁ、古い機種ですがトレーニングを重ねればプロガイド並みに使いこなせるかという多機能性を優先する方は通好みの“PULSE Barryvox”を、探査距離が長く、どちらかというと簡単な操作を優先される新しいモノ好きの方は “ARVA/Axio”を選べば後悔しない・・・、と言ったところでしょうか。

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2017年4月14日 (金)

ステンレス“ウィペット”を更に改造!

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


Sp_4
(今度はこんな風にしてみました!)

BDのセルフアレストポール“ウィペット”は私のお気に入りの山道具です。
ピッケルには及びませんが、これさえあればそこそこの急斜面でも安心感を持って行動できますので、私にとってはBCでの必需品といっても良いでしょう。

以前から私はアルミシャフトの2セクションの物を3セクションに改造しBCボード用に使っていました。(現在はカーボン製のみ3セクションの物がありますが、仕舞寸法が長すぎます!)

今回は、現在使っているステンレスヘッドのウィペットも以前のクロモリ製でやったのと同じようにピック部を握った時手袋が傷まないよう更に改造してみました。

スキーやスノーシューで登り坂が続くときは普通にグリップを握るより、ヘッドの樹脂製カバー部分を上から握ったり、反対向きにしてヘッドの金属部分を握った方が力が入り易いのですが、オリジナルの状態ではヘッドの横に張り出した三角形の先端が掌に当たったり、場合によっては手袋を傷めてしまう事もあるのです。

そこで以前からこの三角形の部分をカットして大きなRに成型して使い勝手を良くしていましたが、今回はこれに加え、更にカラビナホールを追加してみる事にしました。

Sp_3

工作は画像をご覧になれば一目瞭然だと思います。
こうしておくとボード滑降時にザックに取り付ける時など、ブラブラせずに適切な位置にしっかり固定できて大変便利です。

Sp_5

なお、この部分は軟雪にピックを刺した時に支持力を高める部分なのですが、角を丸くしたり穴をあける位では体感できるほどの効果の低下は無いと思います。

注意する事としては、ヘッド全体としては熱処理で然程高い硬度が出ているわけではなく、通常の工具でも加工が可能ですが、表面は肌焼き状態でやや硬めになっているので、穴をあける時は超硬チップ付きのホールソーを使うと切削工具の損耗も避けられると思います。

長く使える便利な道具ですから、多少手間は掛かりますが少し手を加えてより使い易く改造するのも悪くないと思いますよ!

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2017年4月 4日 (火)

300gのショベル?!

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

Arva300
(軽量ショベル、ARVAの“ULTRA 3”)

雪山でパートナーが雪崩に埋まってしまった時、埋没位置の探索に絶対必要なのがビーコンとプローブです。
しかし、位置を特定できたとしても雪を掘るショベルが無くては話になりませんよね。

先日の那須での雪崩事故でも、全員がビーコンを持っていなかったと大きく報道されましたが、ビーコンだけ持っていれば良いという訳ではないのです。

全員がプローブとショベルを合せて持ち、さらに重要なのが全員が十分なビーコンのトレーニングを経験しているかという事ですが・・・、これは今回のようなケースでは事実上不可能な要求でしょう。

また、あれだけ多くの埋没者がいて、さらに周囲の何十人が全て発信状態のビーコンを所持していたと考えてください。
かえって探索が混乱する事は容易に想像がつくはずです。
(こんな場合は横一列の肩幅ゾンデ行進のほうが、よっぽど早く埋没者を見つけられる気がします)

さらに、高校生の年代での雪山経験やビーコンに対する知識と経験やスキルを前提で考えれば、単純にビーコン所持の有無だけで結果が大きく変わったとは思えませんし、現実を何も知らぬ者がこの点のみで堂々と論じていることにはとても違和感を感じます。
(いったい一般の冬山登山者の何パーセントがビーコンを所持していると思っているんでしょうね?)

また、ポピュラーでお手軽BCルートに接続する某スキー場では、ゲートに人員を配置しビーコンチェッカーまで設置して、ビーコン非装着者の入山を制限していますが、プローブやショベルの所持まではチェックしていません。
まぁ、入山制限(&レンタル屋の商売繁盛)には有効な手段なのでしょうが、事実上あまり意味の無い規制のような気もします。

かく言う私も、持ち前のいい加減な性格と、これまで私の使っていたショベルが800g近くあるせいで、正直なところザックにショベルを入れるのに毎回小さな決心が必要でした。

しかし、検索をしていたら、なんと300gのショベルを発見してしまい、これだったらザックに入れる事を躊躇せずに済む重さだ、と考えて早速購入。

Ultra3_3
(薄い7000系アルミのブレードとカーボンのシャフトの組みあわせ)

この軽量ショベルはARVA社の“ULTRA 3”と言う製品で、小振りなジュラルミン製ショベルブレードとカーボン製のシャフトの組み合わせで、手に取ってみると、本当にびっくりするほど軽いのです。

Ultra3_1
(メーカー公表のスペックを上回る軽さ!)

実際にテストしてみると、極端に乱暴な取り扱いには耐えられないかもしれませんが、見た目の華奢な印象に反し、結構丈夫で普通に使える感じでした。

もちろん雪洞を短時間で掘ったりするのには向きませんが、ブレードの形状から硬い雪にもよく刺さり、少なくてもプラスチック製のショベルよりは使い勝手が良さそうです。

まぁ、ブレードは小さすぎるし柄も短いのは事実ですが、万が一の非常時に持っててナンボ!、のショベルが、ザックに入れるのを躊躇しない軽さである事の意味は非常に大きいと思います。

ショベルを重いし邪魔だとお考えの方には是非お薦めしたい山道具です。

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2017年3月28日 (火)

“PLUS Barryvox ”を Ver.4 にファームアップした!

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

9カ月もご無沙汰していましたが・・・、久々の記事更新です!

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(まだまだ現役のマムート“PLUS Barryvox ”

マムートの“PLUS Barryvox ”は発売から10年くらいたっていますが、いまだにベストバイ・ビーコンの地位は揺らいでいません。

その理由は機器のファーム・ウェアーが適宜改良されているからです。
最初の Ver.2 から 3.0 → 3.2、 そして昨シーズンには最新の Ver.4 がリリースされました。

このビーコンのファームの書き換えは、機器の基本機能にあるWリンクという無線通信を利用し、筐体を開くことなくわずか数分の作業で完了します。

(この交信機能は本来バイタルサインを送信し、生存者を優先的に救助する目的のためのようですが、日本では電波法の関係でこの機能が使えませんので、このファームアップの時くらいしか役に立ちません)


しかし、ファームの書き換えはマムート・ジャパンの直営店に持ち込まねばならず、しかも店頭での作業は行えず完了まで3~4週間も待たされるそうなので、事実上シーズンオフでないと書き換えは難しいでしょう。

そこで、お急ぎの方は山行の帰りに穂高駅前の“バックカントリー穂高”に事前連絡してから持ち込めば、僅か10分で作業が完了してしまいますし、郵送で依頼しても数日で返送されてきますのでシーズン中はこちらがお薦めです。
(山の近くの直営店でもない小さな山道具屋が店頭で作業できるのに東京の直営店が何故でできないんでしょうかね?PCと小さなWリンクの発信機があればそれで済む事なんですが)

私のビーコンも購入以来7シーズン目になりましたが、昨シーズン終了後にファームアップを行ってみた結果を遅ればせながら記事にしてみます。

料金は3000円少々掛かりましたが、結果は非常に良好です。

Pv4_5
(最新の Ver.4へファームアップ完了!)

目立った変更点は、ピンポイント探索の時に、新たに後退を指示する後ろ向きの矢印が表示されるようになり、さらに十字探索を繰り返すとビーコン自身が埋没者が直下にいるであろう位置を確定し、ここにプローブを刺せというサインまで表示してくれます。

Pv4_4  Pv4_1
(㊧逆戻り矢印の表示、㊨プローブ・ポイントの指示)

また、設定モードが充実したのもアナログ併用の探査テクニックを駆使するプロガイドの助言を最大限取り入れた結果でしょう。
さらに、リチウム電池が使えるようになった事も極寒地で使用する方には大きなメリットです。

それから、比較する以前のバージョンの機器が無いので確認はできないのですが、初期探索距離も伸びたという事です。

そんな訳で、私見ですが“PLUS Barryvox ”は現在でもピープスやオルトボックスの新鋭機と比べても十分優位に立っていると思います。

このように、Ver.4 になって従前よりさらに細かい設定が可能な多機能ビーコンに進化したわけですが・・・、正直な話、特別に訓練をしたガイドでもない限りアドバンスモードを使ったアナログ併用の複数探索は至難の業です。

しかし、ベーシックモードしか使わないからといって、フロントパネルが緑色の“ELEMENT Barryvox”という下位機種でを選んでしまうと、Wリンクを使ったファームの更新はできませんから、最初は無駄だと思っても、アドバンスモードまで使いこなせるよう訓練すると心に決め、将来もさらに進化する可能性を秘めた“PLUS Barryvox ”を購入する方が賢明だと思います。


などと言いながら・・・、もう7年も使っているのでそろそろ新しいビーコンも試してみたいなぁ~・・・、と考える今日この頃です。

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2016年6月 8日 (水)

スプリット・ボード用のシールを改造する

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆

Tst_8 Sp_2
(今回はシールのテール・フィックスをシンプルに改造しました)


さて、前々回の記事でスプリットボードのスリングホール加工をご紹介しましたが・・・。
この穴の加工は、実はクライミングスキンのテールフィックスに使用したいという意図もあったのです。

スプリット・スキンのテールフィックスには、通常既成のパーツで対処できますが“FISH/Split” の場合はテールの形状が特殊なため自作パーツを使用せねばなりませんでした。

そんな折、“SALOMON/Derby”というスプリット・ボードの純正のスキンのテールを見てそのシンプルさに驚きました。
それは、スキンのテールに取り付けたショックコードをボード後端に設けられた切欠き経由で、チップクリップのリベットの末端に引っ掛けるだけという、超簡素な方法だったのです。

Sp_1
(画像では判り難いが、チップクリップのリベットを利用して固定している)


実際問題、スキンの末端がソールのコンベックス面に位置しているとそこから剥離が始まってしまいますが、その部分だけソールのカーブに沿って引っ張られてさえいれば、実際には大袈裟なベルトやクリップは必ずしも必要無いともいえるのです。

そんな訳で、テールの末端に以下の加工を行ってみました。
また、スプリット用のシール改造の詳細については過去の記事をご参照ください。



※ ・・・と、言っても話が途中からだと解りにくいと思いますので、本題の前に、シール後端の加工について補足しておきます。


今回の改良の前は、POMOCAのシールのテールにBDのウレタンストラップをリプレイスし、自作のテールクリップで固定していたのですが、まずはBDのウレタンストラップを取り付けるところから復習しておきたいと思います。

使わなくなったシールから取り外したBDの金具を利用しますが、アルミのリベットは再使用できませんので新たに用意します。
リベットの寸法はφ3㎜×6㎜程度が丁度良いでしょう。

Tst_3
(φ3㎜×6㎜のアルミリベットはホームセンター等で入手可)

加工は画像の通りですが、オリジナルと同じ大きさに四角い切り欠きを作り、リベット用の穴を熱したワイヤーで開け、両側の金具を押し付けながら潰しリベットを小型ハンマーで叩けば完成です。

Tst_1 Tst_4
(㊧オリジナルと同じ形状にカットし、㊨プレートをリベット留めする)

通常はこの金具にウレタンストラップを通せば完成ですが、今回は新しいシステムとしますので、ストラップの代わりに短いナイロンテープの輪を通すことにします。

Tst_7 Tst_5_2
(㊨本来は純正のストラップを通すが・・・)

さて、ここからが今回の本題です・・・。
ナイロンのテープの輪を作るのですが、テープの両端を一度折り返してから合わせて都合4重の厚みにしてミシン掛けをし、その末端がベース金具に引っ掛って固定されるようにしました。

Tst_9
(折り返し縫いの部分がベース金具に引っ掛って固定される)

このテープの輪にショックコードを通し、その末端にアルミパイプ製の“オシャブリ(トグルボタン)”を取り付ければ完成です。

Skint_3 Skint_2 Tst_8
(“オシャブリ”をスリングホールに通し画像のように固定する)

シールを貼った後、画像のようにテールのショックコードに付いたオシャブリをスリングホールに通して固定するだけですから操作も簡単です。

オリジナルのストラップよりもテンションは弱いのですが、この程度でもテール部の浮き上がりによる剥離はほぼ防げそうです。

今回は取り敢えずの試作ということで簡単なサロモン方式試してみましたが、使ってみても特に剥離等の問題は起きませんでした。

また、テールにスリングホールがあるという条件なら、テール部分の固定方法に関して幾つかのアイデアも浮かんでいるので、以降も改良を続けていきたいと思います。

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2016年5月 5日 (木)

スプリットボードにスリングホール?

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆

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(スプリットボードのテールに穴をあけました)

山ボードの時、ボードのノーズかテールに細いロープが通せる程度の貫通穴があるとボードをトーイングしたり、いざという時に橇にして曳っ張ることもできます。

山スキー用の板では在って当たり前のようなこのスリングホールですが、ボードの場合は専用シール取り付け用を兼ねた穴がある“PANORAMIC/PSLIT”等のK2のスプリット・ボード以外、BC用の板でもこのスリングホールのある板を最近はあまり見なくなりました。

大昔ですが、K2のBC用の“ELDORADO”という板のテールには、誇らしげにスリングホールがあけられていたのを懐かしく思い出す方も多いのではないでしょうか?

そこで今回はブログネタも兼ね“FISH/Split”にスリングホールを加工することにしました。

まず、任意の位置にホールソーを使って穴を開けます。
スプリット・ボードの場合は、チップクリップの可動範囲を考えて位置を決めてください。
高価なボードにドリルを立てるのは勇気が要りますが、思い切りが肝心です。

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(チップクリップと干渉しない位置に!)

今回はスプリット用の小さめの穴ということでφ12㎜のホールソーを使いましたが、これは内径10㎜/外径12㎜のアルミパイプをスリーブとして使用するためで、通常の板ならもっと大な穴でも良いでしょう。

また、多くの山スキー板がそうしているように、穴をあけたままで断面にエポキシ系の接着剤を塗っておくだけでも良いのですが、山道具道楽的にはそれだけでは面白くないので、今回はアルミのスリーブを取り付けて強度を上げることにしました。

12㎜のアルミパイプをボードの厚みを考慮した長さ(板の長さ +2~2.5㎜)にカットします。
ここは旋盤を使って突っ切るのが簡単ですし、また精度も出ます。(画像↓)
また、パイプ断面には内外とも面取りを十分に行っておきましょう。

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次に切ったパイプをミリサイズのフレアリングツールに咥え、コーンで一方の切断面にフレアー加工を行います。
フレアツールとは冷媒や油圧系配管に使われる継手の45度テーパーに合わせ、パイプの端面を拡張するツールです。
空調の冷媒用などはインチサイズが主流なので知人や取引業者から借用するのも難しいかも知れませんので、新調する場合は廉いミリサイズを探すと良いでしょう。

アルミパイプに加工硬化が見られる場合は、バーナーで赤くならない程度に焼鈍しをしてから加工すると良いでしょう。

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(ミリサイズのパイプフレアーで加工)

また、“鍔出しツール”を使ったり、フレアーさせる部分の長さを大きくしてプラハンマーなどで苛めて完全にフランジ形状にしたほうが強度は出るのでしょうが、今回は外見が上品?になるよう、“K2/ELDORADO”のようにフレアー部をボードの両面からあまり突き出さない仕上げにしています。

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(㊧小さなフレアー、㊨フランジ状に加工)

このためボードの穴の両面を90度のカウンターシンクで大き目に面取りをし、パイプのフレアー部の納まり代を作っておきましょう。

そしてエポキシを塗ったボードの穴にこのパイプを挿入し、自作の90度三角錐の押し型をセットしたハンドプレスで反対側をフレアーさせます。
(画像↓)

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これで板の表裏がリベット留めのようにシッカリ固定されました。
後は仕上げとして、必要に応じてヤスリや小型ハンマー等で形を整えれば完成です。
開けっ放しの穴でなく、このようにスリーブを入れておくと、橇として引っ張った時の強度も増しますし、また板の先端の剥離を防ぐ効果も発揮するはずです。(画像↓)

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今回はスプリットボードでの例を紹介しましたが、通常のボードでもテール(又はノーズ)部にスリングホールを設けておくと、イザという場合だけでなく長い緩斜面を登る時など、腰に付けた細いロープでトーイングするとラクチンです。

さて、今回敢えてスプリット・ボードにこの加工を行ったのには、もう一つ別の目的があったのです。

それは、このスリングホールをスプリット・ボードには欠かせないクライミングスキンのテールフィックス用にも使いたかったからですが・・・、それについてはまた後日紹介したいと思います。

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2016年3月26日 (土)

スプリット用スキンのテールクリップ(改良型)

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で“FISH/SPLIT”の特殊なテール形状に対応するクライミングスキンのテールクリップの自作を記事にしましたが、今回はその改良型の製作についてです。

Fish_spl_4
(“FISH/SPLIT”のテール形状)

Fish_spl_10
(テールクリップ1号機)

まぁ、苦労して自作しなくても既製品の“G3のテールクリップ”を流用すれば特に問題は無いのですが、道具道楽としてはやはり専用の小型の軽い物にしたいと考え改良版の製作をしてみました。

G3c_1
(G3のツインチップコネクターキット)

G3c_2
(少々曲がるが使えない訳ではない)

形状の変更だけですから特に解説は必要無いかもしれませんが、前回同様チタン板を帯鋸で粗く切り出し、ベルトサンダーと手ヤスリでアウトラインを仕上げました。

複雑なバックル穴の加工は、正確を期すならフライス盤の使用が理想ですが、セッティングやクランプ留めが面倒だったので、ドリルで連続穴をあけ、手ヤスリでチマチマと仕上げました。結構手間の掛かる作業です。

で完成したのが下の画像のようなクリップです。

Tc2_1


実際に取り付けてみたところ、専用設計のワンオフ物ですから当たり前といえば当たり前ですが、ジャストフィットとなりました。

Tc2_4


スプリットボード用のクライミングスキンは需要が少なく、バーゲンに出る事も少ないですから、今回の例のようにスキー用のスキンを自分でスプリット用に改造する、というのも悪くないと思いますよ。



【余談ですが・・・】

先日「エベレスト・神々の山嶺」という映画を観ました。
ちょっと前に「EVEREST 3D」というのを観ましたから、エベレストと名の付く洋画と邦画を続けて観てしまった事になります。
まぁ娯楽映画なのですからそれはそれで良しとすべきなのでしょうが、両者ともツッコミ所が満載な映画でした。

特に「エベレスト・神々の山嶺」の方は、舞台が山屋の知っている行列のできる現実のエベレストではなく、人の居ない“架空のエベレストという山”だと思って観た方が素直に楽しめるって感じの映画です。

まず導入部のコンテで滑落するシーンから嘘臭いですし、映画では羽生っていうクライマーが滝沢・3スラの冬季初登攀者って設定になってましたけど、実際の初登は映画の時代設定よりかなり前だったはずですよね。
初登時はピオレトラクション用の道具も無かった時代ですから、まさに画期的な偉業だったわけですが、その手柄を映画の中の架空のクライマーに置き換えちゃうというのも何か登山の歴史に対するリスペクトを欠いているような気がします。

まぁ、一々粗探しをするのも品が無いのでこれ以上は何も申しませんが・・・、山道具道楽としては、劇中に私も使っていたウィランス・シットハーネスだとかカジタのバイル(あの時代にカジタのバイルでドライツーリングはやらなかったと思いますが・・・笑)などが多く登場して結構楽しめました。
そんな訳で、この映画は山屋のためでなくあくまで普通の人が楽しめるように作った娯楽映画なのですから、これはこれで良い映画だとしましょう。

「EVEREST 3D」の方は、とても映像の綺麗な映画でしたが、別に3D映像にしなくても良かった気もします。
なにせ私が3D映画であることを実感できたのは、落下する氷塊が眼前に迫る所くらいでしたからね。

それから、内容についてもツッコミ所は山のようにあるのですが・・・。
強いて私の気になった嘘を一つ挙げるとすると、トランシーバーの電池が長持ちし過ぎるということでしょうか。
あの時代、トランシーバーの電池といえば在ってもNi-Cd電池でしょうから、寒冷地で常時ONにしておけばせいぜい3~4時間位しかもたないはずです。
それなのに結構長時間の送受信をしていながら2日も電池が持つなんて、無線機の実情を知っている者からすればあまりにも無理な設定です。

まぁ、ベースキャンプとの交信が頻繁にないと劇として成立しないのは解りますので、これも娯楽映画と割り切って細かい事に目くじら立てず、素直に楽しんだ方が良いのかも知れませんね。

そんな訳で、こちらも良い映画だといたしましょう。
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・。
(淀川長治を知っている方は結構な年齢かな?笑)

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